桜舞う丘の上で

りょう

番外SS

              体育祭番外SS ① 昼食の悲劇

「さて、さっさと昼飯食って作戦会議しようぜ」
「うん」
午前の部が終わり、友人部一同は保健室に集まって昼食を取ろうとしていた。
「あの、みなさん。よかったら私が作ってきた弁当、食べませんか?」
みんながそれぞれの弁当に手をつけようとと時、ゆりがそんな提案をしてきた。僕達は折角なので、ご馳走になろうとしたんだけど…。
「作ってきたって、これ全部?」
「はい」
彼女が持ってきた弁当箱は正月のおせち料理に使うあれが三段分。あまりに多すぎないか?しかも…
「な、なあ結心。俺達は今卵焼きを食べたんだよな」
「うん」
「これは卵焼きか?」
「多分…」
その味は殺人レベルだった。卵焼きなのに、醤油の味がする。何で?
「私…もう…限界」
桜ダウン
「俺も…」
和樹ダウン
「ふ、二人とも。僕を置いていかないでー」
残った僕はこの後地獄を見る事になる。
「沢山食べてくださいね」
「ひ、ひぇぇ」
これが体育祭の中で一番残った、(嫌な)思い出である。
                          ② お守り

「ねえ何これ?お父さん」
「何ってお前が怪我しないように持ってきたお守りに決まってじゃねえか」
「結心君の分もありますよ」
『いやいや、いらないから(わよ)』
思わず桜と口を揃えてツッコミを入れてしまう。
リレーが始まる少し前、桜の両親がやって来て、いきなり渡してきたのが謎のお守り。別に受験しに行くわけじゃないんだから…。
「というか、来ないでって言ったよね私」
「リレーぐらい見にきたっていいじゃねえか」
「恥かしいから嫌なの!」
「桜、折角来てくれたんだから…」
「ゆーちゃんは黙ってて!」
「はい…」
どうやら本気で来て欲しくなかったらしく、桜は二人に対してすごく怒っていた。でも…
「全くもう…」
二人と別れた後、桜は渡されたお守りを眺めながら、少し嬉しそうな顔をしていた。
「何だ、嬉しいんじゃん」
「何か言った?ゆーちゃん」
「いえ、何も」
                                          番外編&第4章 完
                       第20話  止まらない鼓動へ続く

「桜舞う丘の上で」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「その他」の人気作品

コメント

コメントを書く