桜舞う丘の上で

りょう

第17話 たった一つの方法

                 第17話 たった一つの方法

1
「ええ! ゆーちゃん出る事が出来なくなったの?」
「うん…」
体育祭の合間をぬってお見舞いに来た桜に、僕は先程の事を説明した。驚くは当然だ、今日は大切な日でもあるのだから…。
「もう、無理するからよ。どうするの?」
「どうするもなにも、先生に言われちゃったし…」
只今先生は保健室に居ないため、脱走しようと思えばすぐにできるけど、絶対にバレる。だからと言って、こんな所で諦めたくない。加奈に勇気を出してもらうため、そして自分の為にここまで頑張ってきたんだから。
「とりあえず次の競技に私出なきゃ駄目だから、どうするか考えておいて」
「うん」
そう言い残すと、桜は保健室を出て行った。
「はぁ…」
どうしよう。
2
桜が出て行った後、僕は今どうするべきか考えてみた。
(今のままだとどうあっても、出る事は不可能だよな…)
体調が良くなっても、絶対に先生は出さしてくれないだろうし…。
(何とかなりそうな物なんてどこにも無いよね…)
一応辺りを見回してみるが、特にこれと言って使えそうな物は無い。もうどうにも出来ないんだろうか…。
(いや、こんな所で諦めてどうするんだ僕)
加奈の為に何とかしてあげたい。
それは桜やみんなも知っている事。こんな所で諦めたら男として失格だ。
……。
と、考えても何にも変わりやしないんだけどね。
3
時間は過ぎ、既に昼。友人部一同は保健室に集まっていた。
「で、どうするんだよ結心。うぷっ」
「うーん、僕は元気になったんだけど先生がどうしても許してくれなくて。うげぇ」
「大丈夫、二人とも。うぷっ。」
「さ、三人とも様子が変ですけど大丈夫ですか?」
色々あり、ゆりを除く三人が若干調子が悪くなった昼飯を食べ終え、作戦会議。
「やっぱ抜け出すのが一番じゃねえか?」
「すぐに見つかったら戻されるよそれじゃあ。」
「そこは何とかすれば。」
「いや、無理だと思うよ」
「じゃあどうすればいいんだよ!」
「何でキレてるの?」
しかもまた吐きそうになってるし…。正直僕も体調悪くなりそうだ。恐るべし…。
「ん?体調不良…」
そういえば気づかなかったけど、ここの保健室ってベッド一つしかない。って事は…。
「そうだ! 一つだけ方法があった!」
「え? 本当に?」
「うん。和樹をうまく使えばなんとかなる。」
「お、俺?」
今日は猛暑。なら尚更、この方法の効率があがる。これで…。
彼女に勇気を与える事ができる!
        第18話 前へ歩き出す勇気を 前編 へ続く


「桜舞う丘の上で」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「その他」の人気作品

コメント

コメントを書く