桜舞う丘の上で

りょう

第15話 体育祭の朝 最悪の朝

             第15話 体育祭の朝 最悪の朝

1
という訳で僕は、朝から最悪の気分になっていた、あの夢を見た日は、どうも調子が悪い。更に言えば、今日は体育祭。折角練習してきたのに、コンディションが悪ければ何もかもがパーだ。
「え? お父さん達今日に見にくるの?」
「あったりめえだ。娘の晴れ姿を見ない親がいるもんか」
「そのセリフ、小さい頃から何度も聞いているんだけど」
朝食の会話、どうやら桜の両親は見にくるらしい。高校生の娘に対して、晴れ姿が見たいって…。
「ん? どうした小僧。朝から元気がないじゃねえか。」
「すいません。朝から調子が悪くて…」
何故か秋久さんは僕の事を小僧と呼んでいる。まあ、すっかりその呼び方は慣れちゃったけど。
「え? ゆーちゃん調子悪いのって、またあの夢を見たの?」
「うん…」
あんな夢を見た日には調子がよくなるはずがない。桜も僕が何度もその夢を見て、調子が悪くなっているのを知っている。だからと言って、僕はこんな所で休むわけにはいかない、意地でもいくけど…。
「大丈夫?」
「何とか…」
体育祭当日の朝は、僕にとって最悪の朝になってしまった。
2
で、学校に登校したのはいいんだけど・・。
「おい結心、大丈夫か?」
「なんとか・・」
しんどくて、今にでも倒れそうだった。なんで‥こんな日に限って…。
「何かいつもより酷い状態ね。本当に走れるの?」
「大丈夫な…はず」
今日の日まで練習してきたのだから、こんな所で諦めたくない。加奈やクラスのみんなの為に…。
「でもその加奈ってやつ、来るか分からねぇんだろう。お前がそこまで無理する必要はないんだぞ」
「分かってる…。でも、彼女絶対くるはず。昨日約束したんだから。僕が彼女に勇気を与えたい…。これからリハビリする勇気を…」
「そ、そうか」
何故ここまでして、彼女に勇気を与えたいのか?それは単なる同情とかじゃない。彼女に希望を与えたいんだ。あの時、僕に希望を与えてくれた二人のように…。
「じゃあゆーちゃんは、絶対に無理しちゃ駄目だからね」
「うん。分かってる」
「じゃあみんな、頑張って行こう!」
『おー!』
こうして、僕にとっては初めての桜島高校の体育祭が幕を開けた。
「って、和樹はクラス違うよね?それにまだ開会式前だけど?」
「まあ、気にすんな」
「いやいや、気にするから」
                           第16話 悪化する体調 へ続く

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