桜舞う丘の上で

りょう

第7話 桜の両親

                      第7話 桜の両親

1
「なんだてめぇは。桜なら渡さねえぞ。」
「いや、僕何も言ってませんけど。」
「あなた、桜の彼氏さんにそんな失礼な挨拶は駄目よ。もっと丁寧にしなきゃ。」
「だから彼氏じゃないですって。」
普通ではありませんでした。何かこの会話すごく恥ずかしいよ・・。
「お父さんお母さん、落ち着いて。さっき電話で話した人だって。」
「さっき電話で話した人だぁ?だったら尚更、渡せねえな。」
「だからそんなんじゃないってば。」
一体桜は僕の事を電話で、何て話したんだろうか?
「とにかく帰れ。」
「だから、話し聞いてって。」
このやり取りいつ終わってくれるのかな。
2
「じゃああなたが、桜が言っていた結心君?」
「はい、そうです。」
家の前で格闘する事10分。ようやく2人は、僕と桜の話を理解してくれた。本当に電話したんだよね?桜。
「ああ、家に居候するとか何とか桜が言っていた奴か。」
というか分かってたなら、何でこんなに説明するのに時間をかけなければいけなかったのだろうか?
「あの、今日からよろしくお願いします。」
でも、お世話になるのは事実なのでしっかりと挨拶する。
「ええ。よろしくね結心君。」
「まあ、家にお世話になるからにはしっかり働いてもらうが、よろしくな少年。」
「しょ、少年って・・。」
僕は既に高校2年生なんですけど。
と心の中ではつっ込んではいたけど、僕は今まで味わう事が無かったあるものを感じていた。
「じゃあ私が部屋に案内するから、ついて来て。」
「うん。」
それは人の優しさと、温かさだった。普通だったら、いきなり全く知らない人を居候させてくれるわけがない。でも、2人はそんな僕を文句も言わずに受け入れてくれた。一度も嫌な顔をせずに、笑顔で受け入れてくれた。それが、人の優しさなのかしれない。全員が全員そういう人ではないかもしれない。でも、この2人はその優しさを持っているとてもいい人なんだ。
「いいか桜、明日には絶対帰ってもらうからな。」
「ねえお父さん、私の話を聞いていたよね?彼はしばらく家に住む人だよ。」
「な、何だとー!」
「やっぱ聞いてなかったのね・・。」
少し変わってはいるけど、それでも・・。
「と、とにかく。よろしくお願いします。桜のお父さん、お母さん。」
僕はこれから、新しい生活を始められるような気がした。
「お前なんかなにお父さんなんて、呼ばれたくないわー。」
不安は少しあるけどね。
                                    第8話 嬉し泣き へ続く

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