桜舞う丘の上で

りょう

第4話 正式入部

                       第4話 正式入部

1
翌日の放課後、僕は桜に案内されて友人部の部室へとやって来ていた。来たのはいいんだけど・・。
「あのさ、ここが部室なの?」
「うん。そうよ」
「いやいや、これどっからどう見ても…。」
案内されたのは校舎から少し離れた所にある、木造で出来た倉庫だった。でも、看板にはしっかりと『友人部部室』と書いてある。
「ほら、入って」
「あ、うん」
扉を開けて待つ桜に返事を返し、僕は部室内へ足を踏み入れる。
(いよいよ始まるんだ。友人部での生活が)
僕の胸には、今まで一度もなかったワクワクが全体に広がっていた。まあ、それと同時に若干の不安もあったけど・・。
2
で、部室内はというと…。
「ねえここって、もはや部室じゃなくて一つの家だよね?」
テレビやソファなど家具全般が違和感なく置かれていて、完全に生活感が溢れていた。既にゆりと和樹はテレビゲームに熱中している。本当何なんだこの部活…。
「お、来たな桜、結心」
「あ、こんにちわ。結心君」
僕達が来た事に気づいた二人は、ゲームを一旦中止し、こちらへ寄ってきた。
「ごめんね二人とも待たせちゃって」
「いつもの事じゃねえか。それより、部室に結心が来たって事はあれか」
「そうよ。今日からゆーちゃんは私達友人部の一員よ」
「へ?」
2人が目を丸くする。僕が入部する事に驚いているわけではない。恐らく…。
「さ、桜。今こいつを何て呼んだ?」
「ゆーちゃんだけど?」
「「ゆ、ゆーちゃん!?」」
2人から驚きの声が上がる。まあ、当たり前だよね…。昨日は承諾はしたけど、改めてこうやって呼ばれると恥ずかしいし。
「ねえ桜、やっぱりその呼び方やめて…」
「昨日私がそう呼ぶって決めたの。悪くないでしょ?」
「いやいや、いくらなんでもその呼び方は・・。結心だって絶対恥ずかしいぞ」
「いいのよ。何だったら2人も呼べばいいじゃない」
「呼ぶか!」
普通そんな風に呼ぶ人居ないよね絶対…。
「わ、私も呼んでみようかな…」
もう1人居ました(泣)。
「ゆ、ゆーちゃん」
という訳で、『ゆーちゃん』と呼ぶ人が1人増えてしまいました。
3
「まあ、その話は置いておいて、折角部員が増えたんだから今日は歓迎会よ」
いや、置いておかないで話なんですが…。
「そうだな」
「そうですね」
「え? 歓迎会?」
昨日散々騒いだのに?まあ、あの時は入部決めてなかったけど。
「ほら和樹、ジュースとお菓子沢山買ってきて。自腹で」
「また俺が金を使うのか?」
「あ、じゃあ私が買ってきましょうか?ポケットマネーならいくらでもあるんで」
「いや、ゆりはいい。何を買ってくるか分からないから」
「えー」
僕を無視して勝手に盛り上がっている3人。あの、メインを無視しないで…。
てか、ゆりはポケットマネーとか言ってなかった?もしかしてお嬢様とか?
「じゃあ分かったわ。そこまで言うなら私とゆりちゃんで買ってくるから。和樹は帰っていいよ。邪魔だから」
「邪魔って酷いな!」
「あそこの店のお菓子なら全部買えるかな…」
「お前はどれだけ買おうとしてるんだ?」
「え?沢山ですよ」
「お前の沢山の基準は俺達の基準と、だいぶ違うような気がするのは気のせいじゃないよな?」
あのー、だから僕を無視してないでほしいんだけど…。
                                第5話 「歓迎会 」へ続く

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