東方魔人黙示録
『二人の大晦日』アルマの場合
今年も寒さが続き雪が積もった幻想郷、しかし、俺こと桐月アルマは地上にはいません。今年は地底で年を越そうと思っています。もちろん、パルスィと一緒にです。
「今年も終わるなぁ........」
「私たちにとって一年なんてあっという間な気もするけど?」
「いやいや........一年を振り返ってみると意外に長かったぜ?」
だが、今年はとっても短かった気がするが気のせいだろうか?なんというか.........更新?
まあ、そんなことはどうでもいいんだ。
「今年の大晦日はパルスィと二人っきりで過ごせるかなぁ?」
「.........無理だと思う」
「あれ?いつもみたいに妬ましいって言わないの?」
「最近二人でいる時間が少ないから、たまにはいいかなと思って嫌だ?」
いやと言うわけではないが、こうパルスィが言い返さずに賛成の意見を言ってくると調子が狂っちゃうんだよ。
別に素直なパルスィが嫌いと言うわけではないんだ。ただ、妬んでいる時の彼女が一番好きなんだ。
「あら、お二人仲良く座ってどうかしたのですか?」
あ、さとり様だ。
どうしたのって、どうせ心の中覗いてたんだからわかってるでしょ?俺とパルスィの心だけを覗くのが趣味なんだし、こっちはいい迷惑ですがね。
「二人揃って人聞きの悪い.........日課ですよ!」
『なおさらタチが悪い!』
「それで今年は二人っきりで過ごしたいと.........ふむ.........無理でしょうね!」
そんな笑顔でばっさり言わなくたっていいじゃないですか、いやわかってましたよ。
しかし、俺達が二人でいるとなんでか邪魔が入るかのように誰かが来るんだよなぁ.........主にさとり様とかさとり様とか。
まあ、さとり様の場合はもう慣れたからいいけど、たまに幽香や映姫、リグルも来るから困ったものだ。
「もう逆にあいつらと年越しでもするか」
「それいいわね」
よし、寒いけど地上に戻ろうか。パルスィは地底で待ってると言っていたので無理矢理手を引っ張って連れて行くことにした。いちいちここまで戻る方の身になってくれ.........
引っ張られている間、寒いからやだとか地底がいいとか言っていたのでここはこたつか!とツッコミたくなった。
地上に出た時にはパルスィも観念していた。正直、自分で歩いてもらわないと俺が疲れるから助かる。
さて、毎度のように用意周到と言うか、なんというかストーカーレベルの情報収集力ですね、映姫さん?
「たまたまですよ」
「本当かしら?あなたならいつでも見てそう」
「暇あれば見てくる覗き魔だからな」
「今日も素晴らしいお言葉を持ってきたのですが?」
さぁ、偶然映姫とも会えたし残りの二人に会いに行くか!
わかればいいんですと言って振り上げかけていた棒を納めた。
なんとか説教を喰らわずに済んだぜ、久しぶりに聴きたくなるものではないからあれ。最大で半日かかるからな?時間が勿体無い........
仕事が休みの日は人里で説教をするのが日課とか言ってたが、なんか残念な休日と思うのは俺だけか?
とりあえず、映姫も加わったわけだ妖怪の山に向かおう。
幽香のところで年越しをするから食料とかを持って行った方がいいよな?よし、人里にいくか。パルスィ達には先に行っててもらい俺は食料調達のために人里を歩いていると運悪く霊夢と出会ってしまった。
「アルマじゃない久しぶりね」
「や、やあ霊夢さん」
やばい今ここでこいつに会うのはまずい、高確率で神社に連れて行かれる。宴の手伝いのために.........
「何をそんなに焦ってるのかしら?」
「べ、別に?それじゃあ俺急いでるからぁ.........」
「待ってよ、ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけど?」
ああ、俺ってば本当に不幸ね.........
言うことを聞こうかと諦めていると後ろからグイッと襟を引っ張られた。
「はぁ.........妬ましい」
「パ、パルスィ?先に行ったんじゃ.........」
「絡まれてるかもしれないから戻ってみたら案の定.........」
なんというか申し訳ないです。
「そんなわけで悪いけど連れて行くから」
「.........まあいいわ、今年はなんとかなると思うから、じゃあ良いお年を」
そう言って霊夢は神社へと戻って行った。
「ほら、行こう?」
彼女はそう言い、手を差し出してくれた。
俺は情けないなと笑いながらその手を掴んだ。
その後は難なく幽香の花畑まで行くことができた。というかパルスィと一緒にいるから近づけないと思う。それと気のせいか人里を抜けるまでの間に通りすがった人達にニヤニヤとされた気がするが.........なぜだ?
花畑は雪が積もっても力強く咲いていた。さすが幽香の育てた花たちだ。それで幽香達は先に家で準備をしてるらしいよ。
「なんか久しぶりに来た気がする」
「あの事件以来ね」
ジェラシーハザードか.........あれもあれで大変だったが、その後も大変だった。けど、パルスィが可愛かったからあの事件に感謝。
さて、中に入ろう.........ん?待てよ。俺はある重大なことに気がついていなかった。
不思議そうな顔をしている彼女にあることを聞いた。
「なあ、あいつらが準備してるんだよな?」
「ええ、そうよ」
「メシも.........?」
「.........あ」
パルスィもことの重大さに気づき絶望的な顔をした。
まさかと思うがダークマターが作られていないよな?作られていたら、またジェラシーハザードが起きるんだけど.........
「勘弁してくれ.........」
「私が注意していなかったばっかりに.........ごめんなさい.........」
「いやパルスィのせいじゃない.........俺もこうなるって予想してなかった.........」
『はぁぁ.........』
諦めて中に入ろう.........
恐る恐る扉を開けて中を覗くと予想外の光景が広がっていた。
なんと幽香と映姫、それにリグルまでもが床に倒れていたのだ。いったい何があった!
「誰かにやられたか!?」
「あああ.........たぶんこれだと思う」
パルスィが指を差すものはテーブルの上に置かれた食べかけの料理だった。こいつらの倒れている原因はただ一つ.........
「自滅かよ!!」
「とりあえず永遠亭に運びましょう、このままほっといても危ないし」
「そうするか.........」
予想もしていなかったことだったよ。だって、まさか自分たちで作った料理を食べてぶっ倒れている人なんて初めて見たぞ。料理音痴は味覚音痴であるのが定番だろ。まったく笑えねえな。
永遠亭に運んだところキノコの毒にやられてるようだ、うん知ってた。原因もわかってる。だから永琳達に任せて俺らは地底に帰ることにした。
俺らは地上に何をしに来たんだったっけなぁ.........
地底に戻り地霊殿に行くとさとり様達は宴をしていた。ヤマメやキスメ、勇儀さんもお酒を飲んでいた。
「あら、おかえりなさい。忘年会はどうしたのですか?」
「三人がダークマターを食って倒れたから中止」
「あらあら.........じゃあ私達と年越ししましょうか」
結局地底で一年を終えるってわけか、それもいいけどさ。
それから夜中まで宴が続いた。みんながお酒で酔っ払って眠ってしまった中、俺は一人で縁側に座って何も見えない天上を見上げながら酒を飲んでいた。
「相変わらずお酒.........強いのね?」
後ろから聞こえた声はパルスィだった。まだお酒が抜けていないのか顔がほんのり赤くなっていた。
「パルスィか、寝てたんじゃないのか?」
「誰かさんがいなくなった時に起きちゃった」
「それは悪かった」
「気にしてない、それにこうして二人っきりになれたから」
酔ってる時のパルスィは本当に素直だ。そう言えば、一つ気になることがあった。
「.........そう言えばさ」
「なに?」
「俺の名前をちゃんと呼んだことないよな?」
だいたいいつも「あなた」とか「堕落魔王」とか色々と呼ばれて、ましてやバカとかつけられるし.........ちゃんと名前を呼んでもらえた記憶があまりない。
「呼んで欲しいの?」
「まあそりゃ.........ね?」
ふーん、とパルスィが呟くと天上を見上げた。少しだけ静かな空気が流れた。
俺もぼーっと天上を見上げていると彼女から話しかけてくれた。
「ねえアルマ?」
「ーーー!.........なんだ?」
「あなたが妬ましいわ」
「.........はぁぁ!?」
なんでいきなり妬ましいなの!?俺なんか変なことしました!?
「なんで妬ましいんだよ!」
「.........内緒」
その後、何度聞いても結局理由は教えてくれず、俺が諦めた頃には年を越していた。
パルスィがこちらを向いて新年を祝う言葉を言うが俺は.........
「今年も変わらずお前に妬まれるんだろうな」
そう言って笑うと弾幕が目の前に迫っていた.........
「今年も終わるなぁ........」
「私たちにとって一年なんてあっという間な気もするけど?」
「いやいや........一年を振り返ってみると意外に長かったぜ?」
だが、今年はとっても短かった気がするが気のせいだろうか?なんというか.........更新?
まあ、そんなことはどうでもいいんだ。
「今年の大晦日はパルスィと二人っきりで過ごせるかなぁ?」
「.........無理だと思う」
「あれ?いつもみたいに妬ましいって言わないの?」
「最近二人でいる時間が少ないから、たまにはいいかなと思って嫌だ?」
いやと言うわけではないが、こうパルスィが言い返さずに賛成の意見を言ってくると調子が狂っちゃうんだよ。
別に素直なパルスィが嫌いと言うわけではないんだ。ただ、妬んでいる時の彼女が一番好きなんだ。
「あら、お二人仲良く座ってどうかしたのですか?」
あ、さとり様だ。
どうしたのって、どうせ心の中覗いてたんだからわかってるでしょ?俺とパルスィの心だけを覗くのが趣味なんだし、こっちはいい迷惑ですがね。
「二人揃って人聞きの悪い.........日課ですよ!」
『なおさらタチが悪い!』
「それで今年は二人っきりで過ごしたいと.........ふむ.........無理でしょうね!」
そんな笑顔でばっさり言わなくたっていいじゃないですか、いやわかってましたよ。
しかし、俺達が二人でいるとなんでか邪魔が入るかのように誰かが来るんだよなぁ.........主にさとり様とかさとり様とか。
まあ、さとり様の場合はもう慣れたからいいけど、たまに幽香や映姫、リグルも来るから困ったものだ。
「もう逆にあいつらと年越しでもするか」
「それいいわね」
よし、寒いけど地上に戻ろうか。パルスィは地底で待ってると言っていたので無理矢理手を引っ張って連れて行くことにした。いちいちここまで戻る方の身になってくれ.........
引っ張られている間、寒いからやだとか地底がいいとか言っていたのでここはこたつか!とツッコミたくなった。
地上に出た時にはパルスィも観念していた。正直、自分で歩いてもらわないと俺が疲れるから助かる。
さて、毎度のように用意周到と言うか、なんというかストーカーレベルの情報収集力ですね、映姫さん?
「たまたまですよ」
「本当かしら?あなたならいつでも見てそう」
「暇あれば見てくる覗き魔だからな」
「今日も素晴らしいお言葉を持ってきたのですが?」
さぁ、偶然映姫とも会えたし残りの二人に会いに行くか!
わかればいいんですと言って振り上げかけていた棒を納めた。
なんとか説教を喰らわずに済んだぜ、久しぶりに聴きたくなるものではないからあれ。最大で半日かかるからな?時間が勿体無い........
仕事が休みの日は人里で説教をするのが日課とか言ってたが、なんか残念な休日と思うのは俺だけか?
とりあえず、映姫も加わったわけだ妖怪の山に向かおう。
幽香のところで年越しをするから食料とかを持って行った方がいいよな?よし、人里にいくか。パルスィ達には先に行っててもらい俺は食料調達のために人里を歩いていると運悪く霊夢と出会ってしまった。
「アルマじゃない久しぶりね」
「や、やあ霊夢さん」
やばい今ここでこいつに会うのはまずい、高確率で神社に連れて行かれる。宴の手伝いのために.........
「何をそんなに焦ってるのかしら?」
「べ、別に?それじゃあ俺急いでるからぁ.........」
「待ってよ、ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけど?」
ああ、俺ってば本当に不幸ね.........
言うことを聞こうかと諦めていると後ろからグイッと襟を引っ張られた。
「はぁ.........妬ましい」
「パ、パルスィ?先に行ったんじゃ.........」
「絡まれてるかもしれないから戻ってみたら案の定.........」
なんというか申し訳ないです。
「そんなわけで悪いけど連れて行くから」
「.........まあいいわ、今年はなんとかなると思うから、じゃあ良いお年を」
そう言って霊夢は神社へと戻って行った。
「ほら、行こう?」
彼女はそう言い、手を差し出してくれた。
俺は情けないなと笑いながらその手を掴んだ。
その後は難なく幽香の花畑まで行くことができた。というかパルスィと一緒にいるから近づけないと思う。それと気のせいか人里を抜けるまでの間に通りすがった人達にニヤニヤとされた気がするが.........なぜだ?
花畑は雪が積もっても力強く咲いていた。さすが幽香の育てた花たちだ。それで幽香達は先に家で準備をしてるらしいよ。
「なんか久しぶりに来た気がする」
「あの事件以来ね」
ジェラシーハザードか.........あれもあれで大変だったが、その後も大変だった。けど、パルスィが可愛かったからあの事件に感謝。
さて、中に入ろう.........ん?待てよ。俺はある重大なことに気がついていなかった。
不思議そうな顔をしている彼女にあることを聞いた。
「なあ、あいつらが準備してるんだよな?」
「ええ、そうよ」
「メシも.........?」
「.........あ」
パルスィもことの重大さに気づき絶望的な顔をした。
まさかと思うがダークマターが作られていないよな?作られていたら、またジェラシーハザードが起きるんだけど.........
「勘弁してくれ.........」
「私が注意していなかったばっかりに.........ごめんなさい.........」
「いやパルスィのせいじゃない.........俺もこうなるって予想してなかった.........」
『はぁぁ.........』
諦めて中に入ろう.........
恐る恐る扉を開けて中を覗くと予想外の光景が広がっていた。
なんと幽香と映姫、それにリグルまでもが床に倒れていたのだ。いったい何があった!
「誰かにやられたか!?」
「あああ.........たぶんこれだと思う」
パルスィが指を差すものはテーブルの上に置かれた食べかけの料理だった。こいつらの倒れている原因はただ一つ.........
「自滅かよ!!」
「とりあえず永遠亭に運びましょう、このままほっといても危ないし」
「そうするか.........」
予想もしていなかったことだったよ。だって、まさか自分たちで作った料理を食べてぶっ倒れている人なんて初めて見たぞ。料理音痴は味覚音痴であるのが定番だろ。まったく笑えねえな。
永遠亭に運んだところキノコの毒にやられてるようだ、うん知ってた。原因もわかってる。だから永琳達に任せて俺らは地底に帰ることにした。
俺らは地上に何をしに来たんだったっけなぁ.........
地底に戻り地霊殿に行くとさとり様達は宴をしていた。ヤマメやキスメ、勇儀さんもお酒を飲んでいた。
「あら、おかえりなさい。忘年会はどうしたのですか?」
「三人がダークマターを食って倒れたから中止」
「あらあら.........じゃあ私達と年越ししましょうか」
結局地底で一年を終えるってわけか、それもいいけどさ。
それから夜中まで宴が続いた。みんながお酒で酔っ払って眠ってしまった中、俺は一人で縁側に座って何も見えない天上を見上げながら酒を飲んでいた。
「相変わらずお酒.........強いのね?」
後ろから聞こえた声はパルスィだった。まだお酒が抜けていないのか顔がほんのり赤くなっていた。
「パルスィか、寝てたんじゃないのか?」
「誰かさんがいなくなった時に起きちゃった」
「それは悪かった」
「気にしてない、それにこうして二人っきりになれたから」
酔ってる時のパルスィは本当に素直だ。そう言えば、一つ気になることがあった。
「.........そう言えばさ」
「なに?」
「俺の名前をちゃんと呼んだことないよな?」
だいたいいつも「あなた」とか「堕落魔王」とか色々と呼ばれて、ましてやバカとかつけられるし.........ちゃんと名前を呼んでもらえた記憶があまりない。
「呼んで欲しいの?」
「まあそりゃ.........ね?」
ふーん、とパルスィが呟くと天上を見上げた。少しだけ静かな空気が流れた。
俺もぼーっと天上を見上げていると彼女から話しかけてくれた。
「ねえアルマ?」
「ーーー!.........なんだ?」
「あなたが妬ましいわ」
「.........はぁぁ!?」
なんでいきなり妬ましいなの!?俺なんか変なことしました!?
「なんで妬ましいんだよ!」
「.........内緒」
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