東方魔人黙示録

怠惰のあるま

未確認歩行少女

てゐと遊んでいるうちにパルスィの治療は終わっていました。本当に軽い捻挫だったので、妖怪だからすぐに回復するらしいから心配はいらないらしいから安心した。
一応固定はしてくれて歩くことはできるようだが、変な癖がつくといけないので背負って行くことにしました。明日には完璧に治っていることを祈るか。

「無理しないでくださいねパルスィさん」
「大丈夫よ、そんな優しさが妬ましい」
「ふふふ.....ありがとうございます」

なんだ、鈴仙と仲良くなったんだ。妬ましいって言ってるくせに嬉しそうにしやがって、ほんと素直じゃないな。
竹林を出るまではてゐが着いて来てくれた。また竹林を壊すわけにもいかないしな。その方が手っ取り早くて俺は助かるけど、幽香に苦労をかけるだけだ。あと変に借りを作るとあとあとめんどくさい。
数分で竹林を抜け、てゐと別れた。二人でまた来てと言っていたので、また来よう。

「さて、どこにいく?」
「あんたと一緒ならどこでもいい..........けど今日は休みたい」
「じゃあ..........命蓮寺か」
「.......あそこの人達濃いから苦手なんだけど」
「気軽に休ませてくれるのあそこぐらいだから我慢しろ」

俺だってあいつら苦手なんだよ。特に聖........過保護かってぐらい甘やかしてくるからさ、勘弁してほしい。
幽香のところはここからじゃ地味に遠いし、地獄なんて論外だ。だから命蓮寺になりました。

「わかったわ......けど、治ったらちゃんと地上を案内してね?」
「了解しました、お姫様」

そう言ったら首を締められたので、次からは言わないことにしよう。
命蓮寺に向け歩いていると前の道から不思議な羽が生えた少女が歩いて来た。右が赤い鎌が三つ生え、左には青い矢印みたいな尻尾が三つ生えていた。
不思議そうにみていると、パルスィが何あれ?と言って少女を指差した。

「不思議な羽の少女?」
「え?何言ってるの?どうみても人ではないわよ?」
「は?」

なぜかパルスィと話が噛み合わない。彼女にはあの少女がどのように見えているんだ?
その少女がだいぶ近くまで迫るとこちらの存在に気づいた。

「あれ?お兄さん僕が普通に見えるの?」
「普通?お前何者だ?」
「僕は封獣ぬえ、能力を使っている状態で僕の本来の姿を見れる人がいたなんて驚いたよ」
「能力?」

パチンと指を鳴らすとぬえの姿が犬に変わった。そして、次々に姿を変えて行った。

「どう?僕が何に見える?」
「いろんな動物だった。幾つか認識できなかったが..........」
「そうそれが僕の【正体を判らなくする程度の能力】さ、後ろのお姉さんには何に見えた?」
「命蓮寺の住人?」

これまた濃い奴らが見えたな。それにしてにぬえって少女、凄いやつだな。
あんなにポンポンと姿を変えることができるのか..........面白い能力だ。

「聖たちが見えたんだ、もしかして知り合い?」
「.........まあ、そんなものかな?今から向かってるところだけど」
「じゃあ!一緒に行っていい?僕もそろそろ帰ろうと思ってたんだ!」

別にいいけどさ、パルスィが許してくれるのかわからないよ?

「いいわよ、一緒に行きましょう」
「本当?やった!」
「いいのかよ?」
「別に......人が多い方がいいじゃない」

パルスィなんか変わったな。

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