東方魔人黙示録

怠惰のあるま

《裂け目の先に佇みしもの》


アリスから魔理沙が行くかもしれない場所のヒントを教えてもらい、そこへ行くために俺は霧の湖という紅魔館前にある湖に訪れた、ここはチルノの住んでいるところである。元気にしてるかな?
湖に近づくと元気な声が聞こえた。

「あ、アルマだ!」

元気に手を振るチルノに、ふと辺りを見てからあることを聞いた。

「チルノお前一人か?大妖精は?」
「大ちゃんは紅魔館にいる妖精メイド達と一緒にお仕事してる」
「あの子......紅魔館で働いてんのか」

なんというかチルノと違ってしっかりとしたと言うか......真面目すぎると言うか......まあ、小さいのによく頑張る言い個だと俺は思うよ?さて、本題に入ろう。

「そうそう、ちょっと頼みがあってきたんだけど」
「なぁに?」
「雲の上まで連れてって欲しいんだ」
「むり!」
「即答!?」

俺はてっきりチルノのことだから、さいきょーのあたいに任せなさい!とか言うと思ってたからちょっと驚きだ。とりあえず、理由を聞いてみた。

「だって......あたいが触ったらアルマが凍っちゃう......」

そうだった、チルノは氷精と呼ばれる種族だった。体も氷のように冷たく熱に当たると溶けてしまうらしい。この湖で復活するらしいけどさ。そんなチルノに触られると体が徐々に凍っていくんだ。
役に立てないと思ったのか、申し訳なさそうに言った。

「え、えっと......ごめんなさい............」
「いや、忘れてた俺が悪いんだ。あと約束してた金平糖だ」
「いいの?やったー!」

チルノがダメだったらあと飛べるのは...........あ、いんじゃん鴉。金平糖をあげて俺は急いで鴉のいる妖怪の山へと向かった。
数分で麓付近まで到着したが山の中は意外と広い、闇雲に探しても見つかる可能性はうすい。

「さて、どうしたものか......」

考えていると翼の音が聞こえ、見上げると空から女の子が俺の目の前に降り立った。

「こんなところで何をしてるんですかアルマさん?」
「あ、いた」

声をかけてきた女の子は幻想郷最速の自称清く正しい新聞屋射命丸文だ、そう鴉とは射命丸さんのことですよ。見なさいな、この立派な羽を!雲の上までひとっ飛びだ。

「あたしに用があったんですか?」
「雲の上まで連れてって」
「.......マジですか?」
「あとで、新聞作成手伝ってやるから」
「了解です!!」

文はチルノよりもちょろいやつだと私は今日確信しました。

「ほら、早速行きますよ!あたしの手を離さないように気をつけてくださいね?」
「ああ」

差し出された文の手を掴むと、彼女は空へと飛び上がった。軽々と俺を持ち上げたが彼女のどこにその力が......?天狗ってみんな力が強いのだろうか?
そんなことを考えていると、文があることを言った。

「それにしてもアルマさんの手って大きいですね」
「そうか?」

普通だと思うけど。女の子の手はちっちゃくて細いよな。

「やっぱり、男の子の手っておおきいんですかね?」
「人によるだろ」
「そんなものですか?...........あ!もう直ぐ雲の中ですよ」

そう言って俺らは雲の中に入ったが、雲の中って本当に寒いんだな。あ、腕痒い霜焼けした。

「もうすぐ出ますよ!」

さ、寒くないのか....?こいつ.....?
雲を抜け、目の前に広がったのは俺たちの頭上に大きな穴のような空間がポッカリと開いていたのだ。その光景に俺の手を掴んでいる文は目の前のスクープに興奮し、首に下げていたカメラを急いで手に取り写真を撮り出した。
もちろん、私の手を掴んでいた手を離せば、結果は誰にでも簡単に想像ができる。

「あやぁぁぁぁ!!」
「ご、ごめんなさぁぁい!!」

そう、俺は高度何百メートルも上空で手を離され命綱なしのスカイダイビングをさせられた。
ああ、俺の人生終わったな.....しかし、突如目の前に空間の裂け目が現われ、俺はその中に飲み込まれた。通路のように長い空間を通り抜けると目の前に地面が現れた。

「うぐっ!」

顔から落ちた......てか、なんだったんだ?あの空間の裂け目はすごい数の目が見えた気がするが.......そんなことよりもここはどこだ?



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