東方魔人黙示録
《半人アルマ》
満月をぼーっと見続けてどれぐらい経っただろうか、なんか首が疲れてきた。それにしても妖夢お茶を入れるのに時間かかりすぎじゃね?それとも何処かで頭打ったかな。
「あら?お客さん?」
後ろから声をかけられ、そちらを見ると不思議な雰囲気を感じさせる綺麗な人間らしき女性が立っていた、そう感じたのは妖夢の白い霊体と同じ気配を感じたからだ、彼女の方が濃い気配のように感じる。
「誰?」
「私は西行寺幽々子、あなたが桐月アルマさん?」
「そうだけどなんで知ってるんだ?」
「妖夢に仕事を頼んだ時に伝言を頼まれたのよ、仕事をしてくるので待っていてください、ですって」
妖夢が戻ってこないのは幽々子と名乗る女性に頼まれて仕事をしに行ったからか、と言うことは彼女が白玉楼の主であり妖夢の主でもあるのかな?
たぶん、幽々子は霊に属する者だろう理由はよく見たら体が浮いているから。
「そうか、伝言助かるよ。そういえば、この冥界にくる前に変な裂け目を通ったがなんか知ってるか?」
その質問に最初は首を傾げた幽々子であったが、すぐに納得したように答えてくれた。
「裂け目?......ああ、紫の仕業ね」
紫?紫って確か、前に霊夢がスキマ妖怪と呼ばれている幻想郷の創設者である八雲紫の話を聞いたことあるが聞いた性格からしてその人で間違いないだろう。
「彼女が誰かを助けるなんて、あなた気に入られた証拠よ?」
会ったこともない誰かさんに気に入られて喜べばいいのやら......よくわからん。とりあえず言えることは、その人に会えたらお礼を言わないといけないってことだ。
「そんなわけで私も留守にさせてもらうわ、また今度ゆっくりお話ししましょう半人君?」
「なっ!?」
そういい残し幽々子はクスクスと笑いながら桜の木らしき大木の方に飛んで行った。
数分して床に寝そべった俺は大きなため息とともに愚痴をこぼした。
「はぁぁ............だから俺はああいうタイプが苦手なんだ......なんでもお見通しって奴......やっぱりわかる奴にはわかるのか......?」
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