東方魔人黙示録

怠惰のあるま

【怠惰欲の魔界の王】


幻想郷の地の底...大昔恐れられていた妖怪達が住まう旧都。
そこと地上への入り口を繋ぐように橋があった。
橋の上には怪しいものから橋を守る役目を担う橋姫と怠惰に塗れた魔の王が喋っている。
魔の王は何やら橋姫をじっと見つめて、小さく唸っていた。
今、俺の能力でさとり様のように心を読むことができないかパルスィで練習をしてる。
しかし、地上が騒がしくて集中できない。
声と言うか...気配が気持ちの悪いくらい大量に感じる。

「地上になんかあったか?」
「いってきなさいよ」
「ああ、そうする。異変が起こってたらこっちにも被害きそうだし」

地上へ向かおうとする俺に後ろからパルスィが励ましというか、バカにするように言った。

「まあ、がんばってきなさい。怠惰欲の塊」
「うるせい!」

△▼△

一応急いで地上に出てきた。
すると、周りには神霊が大量発生。
すぐに消えたりする弱い神霊だが、異変に変わりないな。

「それじゃあ、行きますか」

意気込む俺の後ろからのほほんとした声を掛ける者がいた。

「あら、久しぶり魔王さん」
「.........幽々子かよ」

そう。声の主は白玉楼の主で暴食の欲を感じる幽々子さんです。
いや、もうほんとこのかたに食えないものはないと思えるほどに食いますよ?
この前、白玉楼に遊びに行った時数人分の飯を一人で平らげていたからさ。
さて、そんな俺のそっけない反応にちょっと悲しそうに答える。

「冷たいわね〜...それで何をしてるのかしら?」
「異変解決」
「あら偶然、妖夢達も解決に向かったわ」

ああ、なら安心だな。じゃあ、地底に戻ろう。
そして、パルスィで心を読む練習の続きをしよう。
なんで彼女を練習台にするのかって?心を読みたいからに決まってるだろ!
地底に引き返そうとする俺に幽々子がポツリと呟く。

「でも...今回は何か嫌な感じがするわ」
「はぁぁ?」
「フフフ...めんどくさそうな溜息ね?」
「遠回しに俺も行った方がいいって言われた気がする」
「事実、貴方も行った方がいい気がする。何か嫌な予感がするの」

はぁぁ.........めんどくさいが安全かつ平和に地底でパルスィ達と暮らすには完璧に異変を解決しなくてはいけないな。

「わかったよ。行くよ......」

当てもなく歩くわけにも行かないし...神霊の反応が濃いところに行ってみるか?
それしかないか...めんどくせえ。
だるそうに歩き出すと、幽々子が思い出したように俺にあることを聞いた。

「そう言えば、貴方はいつもどんな欲を持ってる?」

どんな欲?欲って睡眠欲とか食欲などの欲望か?
ふむ...俺が持ってる欲望か。強いて言うならパルスィにも言われたあれかな?

「......パルスィ曰く怠惰欲。」
「ぴったりじゃない」
「はぁぁ......じゃ行く」
「気をつけてね〜!」

自分で言うのもなんだが、怠惰欲ってのは確かにピッタリかもな。どうでもいいけど。
てか...どこ行けばいいんだ?

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