東方魔人黙示録

怠惰のあるま

豊聡耳見参



地下通路に爆発音と悲鳴が鳴り響く。原因はアルマであった。

「止まれぇ!チビ!」
「チビと言うなともうしたであろう!それと止まるわけなかろう!」
「俺はまだてめえに聞きたいことあんだよ!」

アルマが布都と話した時あと布都は奥の通路に向かったため追いかけたのだ。その途中あることを思い出しアルマは布都を撃墜するために本気の感情爆破をうちはなってるのであった。

「通路壊さないでよ」
「それは保証できないな」
「死にそうなったら助けてよ?」
「当たり前。その前にあのチビ撃墜が先だ」

しかし、小柄な布都にはなかなか攻撃は当たらない。途中から苛立ち始めたアルマは布都に手を向けた。

「喰らえ!感情【アルマーニイレーザー】!!」

通路いっぱいにイレーザーをうち放ち逃げられないようになってしまった布都は反撃をしようとしたが間に合わず撃墜した。

「よっし!」
「えげつない技ね」
「気にするな。ほらあいつが起きる前に捕らえないと」

布都を捕らえようとアルマ達が近づいたその時、突然目の前に弾幕が飛んできたのだ。
咄嗟によけたアルマ達だがよけたせいで布都との距離が離れてしまった。弾幕が飛んできた方を見ると先ほど妖夢達といた豊聡耳神子がいた。

「お前誰だ?」
「魔王・・・・?魔王!!」
「おわっ?!」

豊聡耳神子は攻撃を仕掛けると思いきや、なぜかいきなりアルマに抱きついてきたのだ。

「魔王やっと会えたぁ・・・」
「お、おい!離せ!俺は親父じゃねえ!」
「照れるな照れるな!・・・・って親父?」
「俺はお前の知ってる魔王の息子の桐月アルマだ!」
「えええぇぇぇぇ!!」

驚きの叫びを上げた豊聡耳はじろじろとアルマを観察した後急に考え込んでしまった。
アルマは腕を回しながら幽香に言った。

「幽香こいつ聖徳太子だ」
「ええ、私も思ってた」
「・・・・えーっと、魔王の息子さん?」
「なんだ?」
「そのぉ・・・・魔王に息子がいるってことはわかったけど・・・・・・・魔王は?」
「死んだよ」

アルマの言葉に豊聡耳は力が抜けたかのように地面に座り込んだ。そして、目から涙が流れ始めた。涙は勢いを増しついに声を出し泣きじゃくってしまった。
アルマと幽香はそれを何も言わずにみていた。数分が経ち泣きやむと豊聡耳はアルマに言った。

「すまない・・・急にないてしまって・・・」
「気にすんな。なぁ?親父ってあんたにとってどんな人だったんだ?」
「・・・・・想い人。気持ちを伝えられなかったけどね」

豊聡耳は苦笑いをしながら言った。アルマは申し訳なさそうな顔をしていたためか豊聡耳は慌てて言った。

「気を悪くしないでくれ。気にしてはいない」
「・・・・聞いてもいいかしら?」
「何かしら?」
「貴方が尺解仙になった理由って何?」
「魔王と一緒にいられるように」

アルマはこの人は本当に親父を愛していたんだと感じた。けれど死んでしまった。これほど悲しいことはないだろう。

「魔王がいないんじゃなった意味なくなったからどうしよう」
「うわぁ・・・・親父の昔話通りのやつだぁ」
「え?昔話?魔王の話した昔話に私がでたの!?」
「まぁうん。責任感はあるけどどこか抜けてるって言ってた」
「あ、あははは・・・・」
「けど俺は気に入ってるって言ってた」
「・・・・意外」

親父よ。俺は尊敬してたがなんか尊敬するに値するのかどうかさえ危うくなってきたぞ。あんたは一体この昔話の住人達にどう接したんだ。俺はなんか悲しいぞ。

「魔王ってちゃんと考えてないかと思ってた」
「親父俺尊敬しない」

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