東方魔人黙示録
俺は魔王ーーー
「何でてめぇが!」
「まぁ、癪だが親父のおかげさ。お前の能力を弱くしてくれたおかげで意識が戻った。体はきつかったが感情を人形にしてくれたおかげで意識を移すことができたのさ」
「くそ!だが、肉体はまだ俺のものだ!」
グースは弾幕をアルマに向けうちはなった。しかし、目の前でかき消された。グースは何度もアルマに弾幕を撃つが全てかき消される。
「つ、強い・・・魔王の息子ってあんなにも」
「強いだろ?さすが俺の息子」
「魔王が言うとなんか微妙」
「泣くぞ」
弾幕は効かないと思ったのかグースは近接的な攻撃をしようと接近したが、眼前で弾幕を容赦無く顔に撃ち込まれ吹き飛んだ。
「まだだ。怠惰【レッド・アイド・モンスター】!!」
追い打ちをかけるかのようにアルマは赤い弾幕をグースに叩きつけた。衝撃は地面にも伝わり、亀裂が入り割れた。
動かないグースの体にアルマは手を突き刺し自分の本体を抜き取った。そして、自分の本体を取り込んだ。
「やっぱ自分の体だねぇ」
「これで解決と言いたい所だけど。疑問があるの。なんでこいつはアルマと同じ顔をしてるの?」
肉体を取り返したのにグースの姿はあまり変わっていなかった。少し大人びたアルマのような感じだった。
「俺が説明してやるよ」
「おじさん?」
「こいつは俺の弟だ。それだけ」
魔王の言葉に皆が凍りついた。そして、始めに口を開いたのはやはりアルマだった。
「弟!?」
「ああ、悪いな。ぜぇんぶ俺が悪いんだ」
「どうゆう意味?」
「こいつはな。俺が封印したはずだった。けど、魂だけになったこいつは能力で僧侶ちゃんに取り付いて今に至るってわけさ」
親父が言うには、グースが俺を危険視して殺そうとしたために、封印したが肉体から抜け出してさまよっていた時に、強い魔力を持った僧侶の聖と出会い、その時肉体に取り付き、聖の力を使い俺を殺そうとして親父に封印されたが俺たちが封印を解いたために今に至るってわけか。
「悪いなアルマ。俺がちゃんとしてないばかりに」
「いいよ。親父だから仕方ない」
「ん?何その俺がやれば絶対失敗するみたいな言い方」
「そうだけど?」
「お前それが父親に対する態度か!?」
聖と豊聡耳は止めなくていいのかと戸惑っていたがパルスィと幽香は微笑ましく見ていた。
「やっぱり、変わらないわね。あの親子」
「昔と変わらない親子喧嘩、アルマ嬉しそうね」
「昔っからああなんだ。魔王らしい・・・」
その時、魔王の体が薄くなり始めた。
「あら?時間切れだな」
「行くのか・・・・親父」
「ああ」
魔王の顔は満面の笑みだった。だが、少し涙があった。
「お前がこんなに立派な魔王になるとは想像してなかった。嬉しいぜ親父として」
「ああ、そうかよ。あと泣くなよ親父」
「はぁぁ?泣くかよ俺が!」
「そうゆうことにしとくよ。親父」
「クソガキがよ。じゃあな」
消えかけていた魔王にアルマは思い出したかのように聞いた。
「親父!あんたの名前って!」
「はぁぁ?親父の名前ぐらい覚えとけよ・・・・」
魔王は呆れ顔で自分の名前を名乗った。
「俺は超かっこいい魔王!アニマだ!!覚えとけクソガキ!!
アニマは満面の笑みだった。
「豊聡!また会えて嬉しかったぜ!!・・・悪いな俺のために生き返ったのにな」
「アニマ・・・・!」
「・・・・あばよ」
そして、魔王アニマは消滅した。
アルマは自分の尊敬するのはやはり親父だと心の中で思っていたのであった。
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