奴隷でもチートを目指す
35話 なにこの二人、すごい
ガタガタと音を鳴らし、俺達の乗る馬車が進んでいく。空は雲に覆われていて、冷たい風が肌を撫でる。
「さむっ、なんか最近風が冷たくなったな。魔法で暖められないか?」
「深き炎はささやかな温もりなり《深炎》。それだけ氷結山に近くなったってことだろ」
ポッと、黒い炎がガンダルフの近くに灯る。続けてガンダルフがもう一度魔法を唱え、俺の隣にも黒い炎が灯った。黒色なのに春の陽気を感じる。
それにしても、氷結山に近付くだけでこんなに寒くなるのか。先が思いやられるな。
「お前らズルいぞ。俺にも炎をくれよ」
「……」
カズラル、お前は本当に黙ってろ。ライズなんかこっちをじっと見てるだけだぞ。……あれ、これどっちの方が良いんだ?
「仕方ねぇな。小さき光は儚き灯火なり《小火》。ライズももちろん欲しいよな。深き炎はささやかな温もりなり《深炎》」
「ありがとう……って、これ全然暖かくないじゃないか! ぬるいぞ!」
「……」
ライズの方が良かったな。ほらカズラル、少しはライズを見習え。あとガンダルフ、グッジョブ。
「ずっと黙って聞いてたけど、俺にはなにも無しか?」
あ、ハウンズのことを完全に忘れてた。
「その服は魔道具だろ? 温度調節系の。なら俺の魔法なんて必要無いだろ」
「チッ、やっぱ気付いてたか。お前の言う通りこの服はBランクの魔道具だ」
「Bランクだったか。Bランクの服ならゴードンかアルヴィアが作ったやつだろうけど、能力が温度調節だけならアルヴィアだろうな」
「残念、プリミルだ」
「あー、南西の平原地帯のあいつか。Bランクの魔道具作れるようになってたんだな」
……話に全くついていけない。カズラルを見てみると、ポカンと口を開けたまま固まっていた。ライズは相変わらず無言のままだ。
ただこれだけは解った。この二人かなり多くのこと知ってんな。
「さむっ、なんか最近風が冷たくなったな。魔法で暖められないか?」
「深き炎はささやかな温もりなり《深炎》。それだけ氷結山に近くなったってことだろ」
ポッと、黒い炎がガンダルフの近くに灯る。続けてガンダルフがもう一度魔法を唱え、俺の隣にも黒い炎が灯った。黒色なのに春の陽気を感じる。
それにしても、氷結山に近付くだけでこんなに寒くなるのか。先が思いやられるな。
「お前らズルいぞ。俺にも炎をくれよ」
「……」
カズラル、お前は本当に黙ってろ。ライズなんかこっちをじっと見てるだけだぞ。……あれ、これどっちの方が良いんだ?
「仕方ねぇな。小さき光は儚き灯火なり《小火》。ライズももちろん欲しいよな。深き炎はささやかな温もりなり《深炎》」
「ありがとう……って、これ全然暖かくないじゃないか! ぬるいぞ!」
「……」
ライズの方が良かったな。ほらカズラル、少しはライズを見習え。あとガンダルフ、グッジョブ。
「ずっと黙って聞いてたけど、俺にはなにも無しか?」
あ、ハウンズのことを完全に忘れてた。
「その服は魔道具だろ? 温度調節系の。なら俺の魔法なんて必要無いだろ」
「チッ、やっぱ気付いてたか。お前の言う通りこの服はBランクの魔道具だ」
「Bランクだったか。Bランクの服ならゴードンかアルヴィアが作ったやつだろうけど、能力が温度調節だけならアルヴィアだろうな」
「残念、プリミルだ」
「あー、南西の平原地帯のあいつか。Bランクの魔道具作れるようになってたんだな」
……話に全くついていけない。カズラルを見てみると、ポカンと口を開けたまま固まっていた。ライズは相変わらず無言のままだ。
ただこれだけは解った。この二人かなり多くのこと知ってんな。
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