みんな無課金俺課金(課金するとは言っていない)
35章 再会
「さて、いつまでもここにいても仕方ないし移動しようか!」
「ニャ!」
俺は神殿から街へ続く道を歩く。
初めてこの世界にきて、この世界の美しさに驚いたあの日々が思い出される。
いろいろなことがあって、大切な人や友人ができ、
そして、一人取り残された世界で、何年も戦い、
そしてかけがえのない相棒ができた。
この世界に絶望しそうにもなったけど、
今はこの世界も悪く無いと思っている。
むしろ、好きかな。
「どうせ帰れないし……」
「なにか言ったかニャ?」
「ん?なにか言ったかな俺?」
「それを聞いてるのニャ~」
「ははは、俺もわかんないや。」
なんて言ったかな?覚えてないや、
でも、なんとなく俺は帰るって選択肢を考えないようになっていた。
この世界で、サオリと幸せに暮らしたい。
それが今の俺にとって最善の選択肢だと信じていた。なぜかそう思った。
「ところでマスターこのまま街へ行くと知り合いに会っちゃわないかニャ?」
「はっ!? そうだね、それじゃーサプライズ出来ないな……」
考えられる方法は変装か、俺は前のとこでちょっとした有名人だったからなぁ、
アイテムインベントリはそのままだったので無駄に大量にあるアイテムから使えそうなものを探す。
マスクとサングラスじゃ逆に不審者だし、普通にマントでもしてスルーっと転移すればいいかー。
「あれ?」
その時アイテムのとこに見慣れない項目が増えていることに気がついた。
【大事なもの】
そのタブを開くと
「ああ、こういう仕様になったのか。」
絶対神の水晶や各ダンジョンで手に入る神具が入っていた。
神具には元、ってついていた。きっとこの世界の神具は別にあるんだろう。
あの半透明の水晶もきちんと実体化していた、そして出し入れが全てのアイテムで出来るようになっていることも同時に知った。
「便利になってるねー。」
「絶対神様達が張り切ってたニャ、久々に楽しかった。これも君のおかげだね。って褒められたニャ!」
「達って、絶対神って絶対なのにいっぱいいるの?」
「そ、ソウらしいニャ! 詳しいことは知らないニャ!! そ、それよりどうするのニャ! もうすぐ街についちゃうのニャ!」
あからさまに怪しいけど、まぁ、いいや。変装考えないと……
そこで思いついた。いままで倉庫の肥やしだった武器とか防具とかを使えばいいんだ!
さっそくアイテムをあさったんだけど困ったことに職業で装備制限があって、
今の初期職業だと、変装に使えるのはそれこそマスクとサングラスになっちゃうんだよね。
衣装装備って項目があるからたぶんそれで見た目のカスタマイズ出来るんだけど、衣装装備は持ってない。
仕方ない。下級職からソードマンにJob経験値を振る。
「これだけあれば1個くらいはいいだろ、どうせ剣を使う職は必須だろうし。」
ソードマンになったことでいくつかの装備が装備できるようになったので、
フルフェイスの鉄装備を一通り装備する。
「おお、マスターかっこいいのニャ!」
「不思議と重さは感じないんだな、ってStrこれだもんなぁ……」
自分の馬鹿げたステータスの恩恵はありがたく受け取っておこう。
こんなフルフェイスでフルプレートな格好をして怪しまれないかとも心配したけど、それは杞憂であった。
「人が増えたなぁ~」
街はこれぞ冒険ファンタジーの世界という感じで、
武装した冒険者達が多数行き交っていた。
なかには漆黒の鎧を着たものや、豪華な装飾の入ったローブをなびかせる、
傾奇者みたいな格好をしている人もいた。
むしろ俺なんか地味な方だね。
「かわいー」
となりではウーニャが大人気だった。
事前にしゃべるなと伝えていたので、まさにネコを被っていた。
さて、さっさと竜神の街へ移動するか、とそう思った時ふいに目の前に人影が割り込んでくる。
少し身構えてしまったが次の一言で納得がいく。
「女神様がお待ちです。王宮までお越しください。」
「おかえりなさいませタカシ様!」
そういうわけで女神と久々の再会を果たした。
ログオフ機能はあくまでもフレンドやギルドメンバーに対してなので、一応このエリアを支配している女神には俺の存在も筒抜けだった。
「お久しぶりです、やっと帰ってこれました。」
その後、俺が消えた後のサオリの話を聞いたり、むこうでの俺の旅の話なんかをした。
サオリ、心配かけたんだな。
今ではこの世界屈指の冒険者としてダンジョン攻略の中心人物になっているそうだ。さすがサオリ! 愛してる!
「今はダンジョン内でも外部と同じように時間が流れます。
ですねでサオリ様は90階あたりでお戻りになる可能性が高いですね。」
ふと確かめるともう89階まで進んでいた。
「そうすると、そろそろ街へ戻ってくるんですね。」
「サオリ様は夜は必ず一度タカシ様のお部屋に寄られてからお帰りになっております。」
目頭が熱くなるのを感じる。
サオリは離れていても俺の大好きなサオリのままでいてくれたんだ……
それがたまらなく嬉しかった。
俺はいろいろと計画して、領地で準備をすることにして、王宮から帰宅した。
久々の領地は変わっていなかった。
向こうに行った時のまま、すこし向こうでレイアウトを変えたんだけど、
それは反映されていないみたいだ。
今日の夜にはサオリにあえる。
俺の心は期待ではちきれそうだった!
「さぁ! 準備するぞーウーニャ!」
「はいニャ!!」
「「「「よっしゃーーーーー!!!」」」」
横たわるモンスターの脇で歓声が上がる。
「やっと90階制覇だ!」
「さすがサオリ! 事前の準備通りだったな!」
「そ、そんな、みんなが頑張ったから……」
「謙遜しなくていいよーサオリちゃんの作戦のおかげだよー」
「うん、特性を見切っているサオリさんの作戦は見事。」
たくさんのメンバーに囲まれてサオリは恥ずかしそうに顔を真赤にして
うつむいている。
「ここのダンジョン制覇すれば半分だね!」
「うん!」
ヒマワリちゃんの言葉に私は嬉しさが隠せなかった。
「今日はここまでにしましょう。だいぶ長い時間かかったし、90階って目標を達成したし。」
「おっし、今日は宴だな!」
「「宴ー!」」
ヒマワリちゃんとアンリさんがその提案に乾杯みたいなジェスチャーで喜んでいる。
私は今PTを組んで各種族ダンジョンの攻略を積極的に行っている。
今のメンバーは私の仲魔のゴーちゃんとトシアキさん、アンリさん、ヒマワリちゃん、ダイチさん。今日はこのメンバーで攻略していた。
香川さんのギルドとか大手ギルドのメンバーと攻略することもある。
ただ、大手ギルドの人たちは自分たちで攻略って風潮も高いから、
最近はこのメンバーが多い気がする。楽しいからこのメンバーは好き。
「そしたら、ちょっと寄るとこあるからそれから向かうね。」
「いつものとこね、いってらっしゃい! 太陽亭だからねー!」
ブンブンと手を振るヒマワリちゃんと別れる。
ダンジョンの攻略が終わると私はタカシの部屋へ行く。
それが習慣、もう何年も続いている私の習慣。
愛する人の気配を確かめにいく。
「あら……?」
照明がつかない、
もう日もくれて暗くなった室内を照明を確かめに中へ入る。
「こんなこと今までなかったのに……」
部屋の中央にある照明に手を伸ばそうとした時、
後ろから優しく抱きしめられた。
「ただいま」
夢にまで見たその声がサオリの耳に聞こえた。
「ニャ!」
俺は神殿から街へ続く道を歩く。
初めてこの世界にきて、この世界の美しさに驚いたあの日々が思い出される。
いろいろなことがあって、大切な人や友人ができ、
そして、一人取り残された世界で、何年も戦い、
そしてかけがえのない相棒ができた。
この世界に絶望しそうにもなったけど、
今はこの世界も悪く無いと思っている。
むしろ、好きかな。
「どうせ帰れないし……」
「なにか言ったかニャ?」
「ん?なにか言ったかな俺?」
「それを聞いてるのニャ~」
「ははは、俺もわかんないや。」
なんて言ったかな?覚えてないや、
でも、なんとなく俺は帰るって選択肢を考えないようになっていた。
この世界で、サオリと幸せに暮らしたい。
それが今の俺にとって最善の選択肢だと信じていた。なぜかそう思った。
「ところでマスターこのまま街へ行くと知り合いに会っちゃわないかニャ?」
「はっ!? そうだね、それじゃーサプライズ出来ないな……」
考えられる方法は変装か、俺は前のとこでちょっとした有名人だったからなぁ、
アイテムインベントリはそのままだったので無駄に大量にあるアイテムから使えそうなものを探す。
マスクとサングラスじゃ逆に不審者だし、普通にマントでもしてスルーっと転移すればいいかー。
「あれ?」
その時アイテムのとこに見慣れない項目が増えていることに気がついた。
【大事なもの】
そのタブを開くと
「ああ、こういう仕様になったのか。」
絶対神の水晶や各ダンジョンで手に入る神具が入っていた。
神具には元、ってついていた。きっとこの世界の神具は別にあるんだろう。
あの半透明の水晶もきちんと実体化していた、そして出し入れが全てのアイテムで出来るようになっていることも同時に知った。
「便利になってるねー。」
「絶対神様達が張り切ってたニャ、久々に楽しかった。これも君のおかげだね。って褒められたニャ!」
「達って、絶対神って絶対なのにいっぱいいるの?」
「そ、ソウらしいニャ! 詳しいことは知らないニャ!! そ、それよりどうするのニャ! もうすぐ街についちゃうのニャ!」
あからさまに怪しいけど、まぁ、いいや。変装考えないと……
そこで思いついた。いままで倉庫の肥やしだった武器とか防具とかを使えばいいんだ!
さっそくアイテムをあさったんだけど困ったことに職業で装備制限があって、
今の初期職業だと、変装に使えるのはそれこそマスクとサングラスになっちゃうんだよね。
衣装装備って項目があるからたぶんそれで見た目のカスタマイズ出来るんだけど、衣装装備は持ってない。
仕方ない。下級職からソードマンにJob経験値を振る。
「これだけあれば1個くらいはいいだろ、どうせ剣を使う職は必須だろうし。」
ソードマンになったことでいくつかの装備が装備できるようになったので、
フルフェイスの鉄装備を一通り装備する。
「おお、マスターかっこいいのニャ!」
「不思議と重さは感じないんだな、ってStrこれだもんなぁ……」
自分の馬鹿げたステータスの恩恵はありがたく受け取っておこう。
こんなフルフェイスでフルプレートな格好をして怪しまれないかとも心配したけど、それは杞憂であった。
「人が増えたなぁ~」
街はこれぞ冒険ファンタジーの世界という感じで、
武装した冒険者達が多数行き交っていた。
なかには漆黒の鎧を着たものや、豪華な装飾の入ったローブをなびかせる、
傾奇者みたいな格好をしている人もいた。
むしろ俺なんか地味な方だね。
「かわいー」
となりではウーニャが大人気だった。
事前にしゃべるなと伝えていたので、まさにネコを被っていた。
さて、さっさと竜神の街へ移動するか、とそう思った時ふいに目の前に人影が割り込んでくる。
少し身構えてしまったが次の一言で納得がいく。
「女神様がお待ちです。王宮までお越しください。」
「おかえりなさいませタカシ様!」
そういうわけで女神と久々の再会を果たした。
ログオフ機能はあくまでもフレンドやギルドメンバーに対してなので、一応このエリアを支配している女神には俺の存在も筒抜けだった。
「お久しぶりです、やっと帰ってこれました。」
その後、俺が消えた後のサオリの話を聞いたり、むこうでの俺の旅の話なんかをした。
サオリ、心配かけたんだな。
今ではこの世界屈指の冒険者としてダンジョン攻略の中心人物になっているそうだ。さすがサオリ! 愛してる!
「今はダンジョン内でも外部と同じように時間が流れます。
ですねでサオリ様は90階あたりでお戻りになる可能性が高いですね。」
ふと確かめるともう89階まで進んでいた。
「そうすると、そろそろ街へ戻ってくるんですね。」
「サオリ様は夜は必ず一度タカシ様のお部屋に寄られてからお帰りになっております。」
目頭が熱くなるのを感じる。
サオリは離れていても俺の大好きなサオリのままでいてくれたんだ……
それがたまらなく嬉しかった。
俺はいろいろと計画して、領地で準備をすることにして、王宮から帰宅した。
久々の領地は変わっていなかった。
向こうに行った時のまま、すこし向こうでレイアウトを変えたんだけど、
それは反映されていないみたいだ。
今日の夜にはサオリにあえる。
俺の心は期待ではちきれそうだった!
「さぁ! 準備するぞーウーニャ!」
「はいニャ!!」
「「「「よっしゃーーーーー!!!」」」」
横たわるモンスターの脇で歓声が上がる。
「やっと90階制覇だ!」
「さすがサオリ! 事前の準備通りだったな!」
「そ、そんな、みんなが頑張ったから……」
「謙遜しなくていいよーサオリちゃんの作戦のおかげだよー」
「うん、特性を見切っているサオリさんの作戦は見事。」
たくさんのメンバーに囲まれてサオリは恥ずかしそうに顔を真赤にして
うつむいている。
「ここのダンジョン制覇すれば半分だね!」
「うん!」
ヒマワリちゃんの言葉に私は嬉しさが隠せなかった。
「今日はここまでにしましょう。だいぶ長い時間かかったし、90階って目標を達成したし。」
「おっし、今日は宴だな!」
「「宴ー!」」
ヒマワリちゃんとアンリさんがその提案に乾杯みたいなジェスチャーで喜んでいる。
私は今PTを組んで各種族ダンジョンの攻略を積極的に行っている。
今のメンバーは私の仲魔のゴーちゃんとトシアキさん、アンリさん、ヒマワリちゃん、ダイチさん。今日はこのメンバーで攻略していた。
香川さんのギルドとか大手ギルドのメンバーと攻略することもある。
ただ、大手ギルドの人たちは自分たちで攻略って風潮も高いから、
最近はこのメンバーが多い気がする。楽しいからこのメンバーは好き。
「そしたら、ちょっと寄るとこあるからそれから向かうね。」
「いつものとこね、いってらっしゃい! 太陽亭だからねー!」
ブンブンと手を振るヒマワリちゃんと別れる。
ダンジョンの攻略が終わると私はタカシの部屋へ行く。
それが習慣、もう何年も続いている私の習慣。
愛する人の気配を確かめにいく。
「あら……?」
照明がつかない、
もう日もくれて暗くなった室内を照明を確かめに中へ入る。
「こんなこと今までなかったのに……」
部屋の中央にある照明に手を伸ばそうとした時、
後ろから優しく抱きしめられた。
「ただいま」
夢にまで見たその声がサオリの耳に聞こえた。
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