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穴の空いた靴下

26章 意外な敵

 ウーニャがサオリの仲魔の気配を感じると聞いて、俺は驚かなかった。
 この部屋で感じるサオリの気配は明らかにある時と無い時があり。
 サオリが向こうの世界で生きていて、そして頑張っていると思わせるのに十分だったからだ。
 ただこうして第三者からその事実を裏付けることを言われると、
 自らの考えが確信に変わり、そして活力になる。

 一秒でも早く中央塔を攻略する。俺はそう決心して種族ダンジョンの攻略を早速始めるの!

 「俺と、お前でこの世界を抜けだしてサオリとお前の友達のもとへ帰ろう!」

 「はいニャ!」

 「ところでウーニャ、その姿で戦闘するのかい?」

 「えーっと、入ってみればわかると思いますニャ。」

 「それもそうか、それじゃー行くぞ!」

 まずは人族のダンジョン攻略に向かう。
 95階に到着した、ウーニャは相変わらずカフェの姿のままそこにいた。
 戦闘になったらわかるだろ、と進もうとした時に思い出した。

 「そういえばウーニャレベルの表示とかステータスがおかしいんだけど。」

 「私はマスターの成長に合わせてちゃんと強くなってるニャ! 安心して大丈夫なのニャ! それよりもマスターはびっくりすると思うニャ!」

 やけに自信満々でそう応えるウーニャ。慢心はイカンぞ慢心は・・・・・・

 「謙虚に確実にやってくぞ、行くぞ!」

 戦闘に突入する。
 人族のダンジョンは人型モンスターが多く出てくるダンジョンで、
 三国志や日本の武将なんかのおなじみのキャラも出てくる。
 ドラゴ○ボールとかブ○ーチなんかのコラボキャラも出てくるよ!
 おら、すっげぇワクワクしてきた!

 戦闘に入ると俺は今まで通りの昔のウロボロスの姿、ふと隣を見ると巨大化してピューマみたいな姿のウーニャがいた。真っ黒だけど、なんか気品を感じる佇まい。綺麗だった。

 『おお、なんかかっこいいなウーニャ』

 『ありがとなのニャ! マスター先に行くニャ!』

 後で確認したら念話みたいなものらしく、変身中でも会話ができた。

 そしてウーニャは強かった。
 目にも留まらぬ速さとはまさにウーニャのこと、壁、天井全てを利用して物凄い速さで攻撃していく。
 俺自身も今まで通り戦おうと思ったんだけど、

 べち!

 『ん・・・・・・?』ぶべぇら!!

 モンスターに薙ぎ払われて俺は死んだ。


                            完











 じゃなくて!!

 『一旦っ撤退するぞ。』

 『わかりまししたニャ、マスター!』


 「なんだよあれ!? ウロボロスめっちゃ弱くなってるじゃないか!」

 「さっきのはマスターが悪いのニャ、もっと真剣に想ってくれないと駄目ニャ。リアルのマスターは普通の高校生にしては強いとは思うけどあのモンスターたちに対しては無謀だニャ! もっともっと強いウロボロスを想像してくれればそれに応えるニャ!!」

 つまるところよくある

 「想いの力が俺の力になるくらえーーーー、ってパティーンですか。」

 「そうニャ!」

 と、いうわけで。また俺達はダンジョンへ来たわけだ。

 戦闘開始、イメージする。ウロボロスの今までの戦い、自分自身の鍛錬、そして手に入れた知識。それらを活かしてウロボロスの強さを!

 今までの加速戦闘では考えられない精度と速度で俺のウロボロスは動いた、
 まさに、思い通りに体が動く、雑魚は文字通り雑魚のように蹴散らし、
 階層のボスも俺たちの敵ではなかった。

 人族のダンジョン100階のボス

 万人無双の勇者 呂布

 呂布の槍は振り下ろし、なぎ払い、連続突き、ぶん回しが基本パターンだがその槍の切っ先が俺とウーニャを捉えることはない。
 いつもの必殺攻撃は全方位へのオーラ攻撃、威圧のような攻撃であったが、

 『はぁ!!』

 裂帛の気合と息吹でかき消した。

 怒涛の攻撃をなすすべなく攻撃中だろうとお構い無く浴びせられてあっけなく倒されてしまう。

 「凄いなコレ、レベルとか無いけどこのダンジョンのボスもあっさり倒してしまった。」

 「今までマスターが努力してきた結果なのニャ、ずっと見てきたのニャ!」

 その言葉にぐっと来てしまった。

 「な、なかせるなよ・・・・・・」

 今までの一人で頑張っていたことが認められること。
 さらに一緒に戦ってくれる人がいることに涙腺が緩んだ。

 「もう、何も怖いものはない! さっさと攻略しよう!」

 俺たちはこの勢いに乗って各種族のダンジョンを次から次へと制覇した。



 3日後にはとうとう中央の塔にたどり着いた。


 「なんか、今までの苦労が・・・・・・」

 「違うのニャ!今までの苦労が形を成した結果なのニャ!」

 「うん・・・・・・そうだな!!」

 目の前には巨大な扉。中央に大きな黒水晶、周囲には8個の水晶が円形に均等に配置している。
 俺が8種族の神具を掲げるとそれぞれの水晶に吸い込まれていき、
 光の筋が中央の黒水晶に向って中央の黒水晶に光が灯りどんどんとその光を強くしていく。
 最後の神具が吸い込まれると中央の黒水晶から一段と強い光を発して、

 ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・

 重厚な音を立ててその巨大な扉は開いていく。

 とうとうここまで来た。
 最後の戦いに挑む。
 今まさに気合を入れてその中に踏み込もうとすると、

 【このダンジョンは輝石を5個使用することは出来ません。輝石による復活も出来ません。】

 「そうきたかー・・・・・・」

 このゲームの開発者はクリアさせる気がないことがはっきりとわかった。

 「ま、規格外の俺達が出ることも考えていなかったのかな?」

 「そうですニャ! マスターとウーニャの前に敵はないのニャ!!」

 俺たちはこの世界で始めて中央の塔へ進入する。

 「おお、凄いなぁ・・・・・・」

 塔の内部は圧巻だった、どこまでの高さかわからない中央部の吹き抜け上を見上げると辺縁から中央部へ複雑な形態の足場が数多に存在している。
 何よりもこの高さと構造を考えると、

 「マジで、コレ登るの?おれ高所恐怖症なんだけど・・・・・・」

 「ウーニャもあんまりに高いのは勘弁して欲しいのニャ」

 いくらネコの格好をしていても20階30階から無事に着地できるわけもなく、
 俺なんて言わずもがなだよ、てか、まともに戦えるのかな・・・・・・

 前途多難である。

 

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