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穴の空いた靴下

24章 ただ淡々と

 俺は今格闘技の本を読んでいる。ウロボロスが多彩な動きを可能になったので、
 自分自身もできるかぎり多くの知識を持ったほうがいいだろうと、
 女神の街の図書館からいろいろな本を借りてきて読んでいる。
 決まった時間に勉強もしている。不思議と自分の部屋で勉強したり過ごしていると。
 サオリの気配を感じることが出来た。サオリと過ごした日々が見せる幻なんだろうけど、今の俺には何よりも救いだった。
 水泳による鍛錬もしっかりとやっている。正直、自分がこんなに泳げるとは思っていなかった、県大会の予選レベルだった自分が今ではタイム的には県の決勝でもいい勝負が出来るぐらいになっている。

 「老化しないチートな世界で俺は一人身体と頭脳を磨いているのであった。
 それは全て、一人の愛する人に会うため。ただそれだけであった。と。」

 絶対に黒歴史になるけど、最近は日記も書いている。
 毎日の反省、明日の課題、今後の展望なんかもまとめて書いている。
 ノートは街のお店にあるんだけど、なんか悪い気がしてお金は置いている。

 「明日こそ、95階クリアするぞ。」

 95階のボスは 焔炎鳥 鳳凰 という鳥型のボスで。

 復活禁止

 とうとう、出てきた。
 つまりこいつをノーミスで倒さないといけないんだ。
 ありがたいことに火属性だけなので攻撃も防御も、膨大なHP削る作業も効率がいいんだけど、何度か頭上を飛び回り燃え盛る羽を降らせる攻撃が厄介だった。
 よくある弾幕ゲーのようなことを要求される。幸運型で耐えられないか一度試したんだけど、被弾数が多すぎてクリティカルがよく混ざってくる。
 それでも物理的には幸運型で超加速で回避する。というのが今のところ可能性が一番高い突破方法になっていた。

 「最後の3連続がキツイんだよね・・・・・・」

 最近は水晶に向って話しかけることが多くなった。
 だれとも話していないと喋れなくなるッて聞いたことがあったから。
 水晶を通してウロボロスと話している気分になって話しかけるのが日課になっている。

 あと、最近はこの部屋にいてサオリの気配を感じる時と感じない時があることも気がついた。
 夜なんかはだいたいいつも感じるんだけど、昼間とかは感じない時が多くなってきた。なんなんだろう・・・・・・?
 でも、こういう動きがあるとサオリも元気にしてるんだろうなって思ったりする。
 あの新しい世界でみんなと楽しくやっていてくれるといいな。

 「・・・・・・・他の男に取られちゃってたりして・・・・・・」

 考えないようにしていても、どうしてもその考えは出てしまう。

 「だったらさっさとお姫様を迎えに行け!!  俺!!!!!」

 俺は自分の頬を叩いて気合を入れる!!

 91階の龍シリーズさんたちはもう苦戦しない。ボスでさえも今では15分アレばいける。
 動きが増えるということはカウンターや崩し、投げなんかも出来る。
 投げて倒せば起き上がるまで無防備だしかなりダメージ効率が出る。
 92階は亀さんシリーズ。防御は高いけどそこまで素早い攻撃もない。ただ手足を引っ込められると厄介なんだけど、最近は手足引っ込めたら蹴っ飛ばして進んでる。
 敵は戦闘中は他の敵が出ないのでそれでボスの部屋までドリブルしていくのだ。ずるい技だけど手足出すまでボーッとしてるほうが馬鹿らしくてやってられない。
 ボスは巨大な亀、 光水亀王 玄武 そのまんまの名前。
 このまま93は青龍、94は白虎で、95階の鳳凰となる。
 青龍はたまに来る大波攻撃が避けづらくて厄介なんだけど壁を駆け上がって天井を利用して三角蹴りを食らわしてやっている。
 白虎は動きが早くて何度も倒された。ただフェイントによく反応するので、
 超反応を利用して後の先を取って今では苦労せずに倒すことが出来るようになっている。簡単に言ってるけど、もう2年もこんなこと毎日やっている成果だ。
 そしてとうとう鳳凰戦だ。

 「行くぞ!!」

 俺は気合を入れてボスの部屋の扉を開く。

 目の前に巨大な炎をまとった孔雀のような鳥が現れる。
 大きく羽を広げ クエェェェエーーーーーーー!! その雄叫びが開始の合図!

 基本的に攻撃は、燃える羽を飛ばしてくる攻撃、爪と嘴による物理攻撃、炎のブレス攻撃、そして空からの無数の燃える羽の攻撃。
 単発の羽攻撃を最小限の動きで避けて懐に入って攻撃、近づくと爪と嘴による攻撃が来るけど、隙を突いて足を掴んで倒す!! 起き上がるまでの隙に全力攻撃! 
 ある程度ダメージを与えると奴が飛び立ち羽を降らせてくる、
 すぐに幸運型に切り替えて迫る羽の目前で超加速!!
 出来る限り羽の当たらない回避行動を心がける! 何回か被弾しているが完全回避のおかげでダメージは無い。
 壁とか天井とかを使って回避したいんだけどあいつが飛び立つと上空は物凄い風で地面の移動以外を制限される。地面の移動を邪魔されないだけめっけ物。

 (今のところは調子がいいけど、油断せずに、最後の3連まで!)

 羽を避けて、ブレスも避けて、近接に潜り込み相手の攻撃をいなして畳み掛ける!

 そして来た、3連続の上空からの攻撃、この長時間の攻撃に耐えることと、
 直後の疲労感を乗り越えることが出来るのか、それがこの戦闘の鍵!
 今まで数え切れないほど繰り返してきたこの戦闘も今日で終わりにする!!
 淡々と避ける、羽の隙間とその後の動きを早めに理解して最小限の動き、
 最短の移動で羽を避け続ける。

 クリティカル!

 (グッ!)

 痛みはない、落ち着け! ここで動揺して一気に被弾するのが一番まずい、
 まだHPは残っている。一撃なら死なない!
 無限とも思える長い時間回避を続け羽に切れ目が訪れる!!

 (ここだぁぁぁ!!)

 一気に距離を詰めてありったけの攻撃をぶつける!!

 (終われ終われ終われ終われーーー!!!!!)

 「うおーーーーー!!!!!」
 気が付くと俺は自分の体でシャドーボクシングみたいになっていた。
 同時に物凄い疲労感に襲われる。

 「勝った・・・・・・勝ったぞ。勝ったァァァァァァァ!!!!」

 気がついたら叫んでいた。
 少し先で鳳凰が光となって消えていく。
 ウロボロスが誇らしげにそれを見ているような気分になって、
 気を失った。

 気が付くと俺はボスの部屋で少し眠っていたみたいだ。
 手元には強者の証というアイテムを手に入れていた。
 アイテム説明によるとこのアイテムを持つものは他の種族のダンジョンの95階から挑戦できる。となっていた。

 「よかった・・・・・・・」

 いままでで一番ホッとした瞬間だったかもしれない。
 あのコピペダンジョンをあと何百回と登るのは、
 正直ゾットしない。

 あと、5階。
 俺は一度外で休んでからまた新しい世界に挑戦する。

 96階 玄武色違い。
 97階 青龍色違い。
 98階 白虎色違い。
 98階 鳳凰色違い。しかも空から降らす攻撃なし。
 99階 龍シリーズ色違いのクイーンって名前。

 ほんと、うんざりだよ・・・
 まぁ、今までの鍛錬のおかげでさくさくっと100階のボスまで来れたんだと自分を鼓舞する。



 

 

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