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穴の空いた靴下

16章 攻略開始

「水火」
「了解」
サオリの指示を受け俺はウロボロスの属性を変更する。
セット装備の入れ替えというやつで戦闘中でも
事前にセットしておいた組み合わせに変更することで
様々な属性に対して対応が可能であった。
普通は3個しかセットがないので
ボス用、強い雑魚用、汎用みたいな使い方するんだけど
まぁ、輝石の力でスロットを開けているので
各属性なんでもござれって状態になっている。

基本的な戦術としては
幸運型で敵の攻撃をいなしながら敵の行動パターン、有効な属性を
サオリが判断して俺に指示、サオリの仲魔は攻撃を完全に捨てた防御特化、
メインにダメージ分散(個体へのダメージを全体へ受け流すスキル)
サブスキル(サブにおいても発動するスキル)に
根性(死亡ダメージをHP1で踏ん張ることがある)
リジェネ(一定時間でHPが極小回復)
が出るように調整した。
いろんな大陸のサブクエやデイリークエをこなしてそれなりに
ガチャも引いて強化してある。
運良くSSRアダマンゴーレムを引く辺り
サオリはリアルラック持ちなんだろう

土 SSR アダマンゴーレム
スキル 鉄壁
ダメージを味方全体に分散する
攻撃力20%ダウン 防御力100%アップ
防御時属性の不利を受けない。

基本的に攻撃特化でデッキを組むことが多いこのゲームにおいて
いわゆるSSRのハズレ枠になるんだけど、今の俺らには一番欲しかった仲魔だった

ついでにサオリの指示は
火水
攻撃属性 火 耐性用に水が入っている。って言う事だ
中には弱点が火なのに風の強力なスキルを使用してきたりするので
各種色々な組み合わせを用意している。

基本的に6ヶ所に属性攻撃力特化を重ねて、
一箇所に耐性系防御スキル持ちを入れる
それが基本戦略だった。

66階からの攻略は順調であったが
70階ボス戦ではサオリの仲魔が倒されてしまった。
まだ俺の交換もミスが多く
いろいろと迷惑をかけてしまっている。
サオリは申し訳無さそうにしているけど
俺が悪いのだ。

一度クリアした階層は何度でも入り直しが出来る。
まだサオリの仲魔はレベル上限まで上がっていないので
強くなる要素はたくさんある。

それに回数を重ねると俺もパターンを覚えてくる
「火水、30%切ったら火風」
最初のうちはこういう指示に反応しきれずいたが
今は反射的に変えることが出来るようになった。
なんどか70階のボスで練習してサオリの生存率も安定してきた。

サオリが倒されたらあとは安全策で幸運型で倒すんだけど
やはり危惧していた敵のクリティカルが出ることがあった。
輝石による復活があるので復活自体はできるけど
思い通りに行かないと悩むことになる。

「70階は安定してきたね」
「そうね、せっかく慣れてきたけど先に進まないとね」

あんなことがあった翌日は

それはもうお互いに恥ずかしかったけど
ダンジョンでトレーニングしているうちに
自然と落ち着いてくれた。
ただ、ダンジョンから出るとまだ、ちょっと照れくさい

「お昼にしよっか」
「そうだね」

「お!お二人さん!元気にやってるか!?」
「どーよ、何階までいったー?」

お店に入ったり町中で話しかけられることも多くなった。
まぁ、あんな派手なことしてしまったから仕方ないんだけど。
逆に俺のチートにマイナスなイメージを持たれないっていう副産物も生まれた

「早いとこ終わらせてくれよー」

そんなことを言われることも増えた。
古い人ほどもう飽きているのだ。
消えてしまうために無理もできない。
何にもしてないとゼーニや日常に必要な物を稼げない。
だから低難易度クエストを回してしのいでる。
そういう勇者が多いのだ。

「あ、タカシくーん、サオリちゃーん!」
おかげで友だちもできた。
同じ時期にこっちに来たので一緒に手伝うと言ってくれた
高校1年のサカキ 向日葵ヒマワリさん と

「お、今か昼食ならダルフィー行こうよ」
大学1年の松信マツノブ 大地ダイチさんだ

残念ながら所属種族が違うとPTが組めないことがわかったんだけど
年も近いのでたまにこうして食事をしたりしている。

二人は竜神様のとこの勇者で
俺らの噂を聞いたあとヒマワリさんがダイチさんに猛アタックをかけて
付き合い始めることが出来たから協力したいって来てくれた。

ヒマワリさんは元気いっぱいな女子高生で
ちょっと染めた髪がよく似合う可愛い感じの子で
いうと殴られると思うけど胸はおしとやかである。

ダイチさんはメガネ理系男子。って感じのシュッとした見た目で
大学一年とは思えない落ち着きがある。
ファンタは結構ハマっているそうでバイト代つぎ込んで小麦粉と塩で一週間
持たせたこともあるらしい。
そのせいでサオリとよく難しい話をしていて
ヒマワリさんと俺はちょっと不安だったりする。

余談だけどダイチさんは小さければ小さいほどいいという人で
サオリは無い。とはっきり俺に公言していた。
ヒマワリに聞かれたら殴られるからこれは二人の秘密ってことになっている。

「サオリちゃんはずるいなー、そんなちっこくて可愛いのにおっぱい大きくて」

「ぶっ!」

飲んでいたお茶を吹いてしまった。
「ひ、ヒマワリさんやめてください恥ずかしい・・・」
サオリは真っ赤になって胸を押さえてうつむいてしまった。
サオリは知らなかった胸を押さえるともっと強調されることを!
たぶん鼻の下を伸ばして見ていた俺に
 エッチ とサオリに言葉に出さずに言われてしまった。
「ヒーにはヒーの良さがあるから気にすんな」
「ダイチ・・・」
ヒマワリさんはハートマークを出しそうな勢いでダイチさんを見つめている。
ダイチさんはヒマワリさんのことをヒーとかヒーちゃんとか呼ぶ

「サオ、サー、うーん、サオリちゃん・・・やっぱサオリかな・・・?」
「サオリでお願いします」
そんなやり取りもあった。

「70階のボスは二体で属性を変えてくるからHPの残りに常に気を配りながら、
それに二体の体力をなるべく揃えていかないと残ったほうが凶暴化する、と。」
「ダイチさん攻略ノート作ってるんですか?」
「まぁ、俺らはあんまりダンジョン入れないし仲魔もそこまで強くないから
と思ってたんだけど、この島の発展がすごくてデイリーとかも多いから
それなりに戦力強化もしやすくなってね」
「そうねー、それで自分とこの種族の街をみんなで発展させてーって
いい流れ来てるって先輩たちが言ってた!」
「確かに強い人でも40階あたりが限界みたいだったし、
そうなっちゃうんでしょうね」
「けど、50階から下はさらに別世界だね・・・ほんと・・・」
「結構掛かりそうだね」
ダイチさんの目論見通り、対数的にHPとか増えるこれからのダンジョン攻略は
停滞が予想された、一日の入場制限がないので
それでもとんでもなく有利であることは変わりないんだけどね。

「ただ、現実のゲームと同じだとそろそろアレが来るよな」
「はい、ダイチさん。たぶんアレが・・・」

ダイチさんとサオリが恐れていたアレ。

それが80階のボスでとうとう現れるのであった。

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