みんな無課金俺課金(課金するとは言っていない)

穴の空いた靴下

3章 混乱

「な・・・!?」

あまりの突然の変化に俺は口を間抜けに開いて思考停止していた

光が降り注ぐ青空、遠くまで緑深い木々や草花、
砂利で綺麗に舗装された道、立ち並ぶレンガや土壁作りの建物
それらが一瞬で目の前から消え失せ

薄暗くどんよりとして所々で雷鳴を響かせる空
枯れ果てた木々や草、少し紫がかったような気がする土
岩や石が無造作におかれ道なんてものの跡形も無い
建物も同様に荒れ果てており壁が壊れ内部まで土埃にまみれているような
今にも崩れるんじゃないかと思わせる。

とにかくボロボロであった・・・

それにあれだけプレイヤーでごった返していたのに今は人の気配がない
周囲を慌てて見回してみるけど
目の前に小さな女の子がいる以外人の気配がしない。

しない・・・?
なんか後ろから引っ張られている気が・・・
後ろを向いても誰もいない
そのまま視線を下げていくと

「わっ!」
驚いて尻もちをついてしまった、でもその状態でほんの少し見上げればそこに
幼い女の子がいた。

「いきなりどうした驚いたぞ」
その女の子は見た目とは違いしっかりとした口調でそう話してきた
声はかわいい女の子なのがまた違和感を大きくさせた、
「子供・・・女の子・・・」
あまりに立て続けにいろんなことがありすぎて
口からうわ言のようにつぶやくしかできなかった、
「何を言っているんだ、私はケイン見ての通りおと・・・こ・・・・」
その子も自分の体を確認して段々と青い顔になっていった。
「え・・・?なんで・・・!?アバターじゃない!?
どうして、こ、コンソール、・・・え!?なんで本名が・・・」
「てか、ケイン!?」

素っ頓狂な声が出てしまう、さっきまで一緒に歩いていたケインが
なぜだか幼女になってしまった・・・
「なんで、どうしてなんで?」
でもその幼女は必死になってコンソールを操作しており
今は自分のことなんて目に入っていないようだった、
何を驚いているんだろうと自分のコンソールを開いて

しばらく二人して混乱するしかなかったのであった・・・

「あのー、そろそろ話しかけてもよろしいでしょうか?」

目の前に立っていた少女から声をかけられるまで
俺たち二人は必死にコンソールをいじっていた。

何がそんなに慌てたかというと、
まず、プレイヤー名が本名になっていた。
名前:田中たなか たかし
職業:高校生
ステータスは変わらない輝石購入も変わっていなかった・・・
そしてケインは

名前:花江はなえ 早織さおり
職業:中学生

(最初確認した時に小学生かと思ったって言ったら睨まれた)

各種コマンドは開いていたが
なーんのアイテムもなく、仲魔もいない、スキルも当然無い
設定で名前の非表示や職業やスキルの非公開はできるようだ
でもGMコールやログアウトは相変わらず出来なかった・・・

「と、とりあえずお話とは何でしょう?」
これ以上コンソールとにらめっこしてても仕方ないので
恐る恐るそう聞いてみた。

その話を聞いて二人揃ってまたしばらく
大混乱に陥ってしまうことになるわけだ・・・

「みんな無課金俺課金(課金するとは言っていない)」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く