東方狐著聞集
百十二尾 傘少女と狐
 犬耳少女こと幽谷響子と妖夢の弾幕ごっこは妖夢のスペルカード発動で決着がついた。
「いたたた。負けたー」
「ふぅー。それにしても貴方達、妖怪はいつも通り元気ですねぇ。で、神霊について知っていることはないですか?」
「神霊ってなに? たべやすいの?」
 「はぁ……そうよねぇ。神霊を集めて得をするのは神社くらいだし、妖怪の貴方が知ってるわけないよね」
「ーー! 妖夢」
「はい。わかってます。今一瞬ですが嫌な気配が現われました」
「なら話は早い。気配の場所に行くぞ!」
  私は妖夢の返事を待たずに気配のした方向、墓場の方へと向かって走った。
◇
   〜命蓮寺墓地〜
  気配を追ってきた場所は墓地だった。そして、その奥に吸い寄せられるように神霊達も集まっているようだ。
「ラグナさん、やはりこの奥に異変の首謀者がいるみたいですね」
「あぁ、進んでみようか」
  墓場を進んでいると前から大きな傘を持った少女が現われた。
「ちょっとまった!!」
「なんですか?」
「あ、剣を振り回している人と狐? もうこの際、誰でも良いわ! この先に見た事のない奴が番をしているの! そいつにいくら撃ち込んでも、全く効かないのよ。だからお願い代わりに倒してー!」
   傘少女はそういって奥を指差した。よく見てみると奥の方に何かが立っている。
「妖怪から助けを請われるなんて面妖な。どうしますか? ラグナさん」
「まぁ、私たちも奥に用があるから、頼まれようじゃないか」
「へっへっへー。でも、私より強いのか試させて貰うよー! さぁ、どっちが戦う!?」
「なぁ! 頼んでおいて戦えだと!?」
「まぁ、まて。この子が言っていることは的を射ている。よし、私が相手をしよう」
 そういって空へと飛び上がる。少女も続いて私と同じ高さへと浮かんできた。
「カードは三枚ね! いくわよー」
「手を抜いてやるから本気でくるといい」
 
相手の動きを封じる弾と相手を追尾する弾を繰り出す傘少女の真似をするかのように弾幕を放ち、おまけにまっすぐに進む弾を放った。
「ちょ、危な!?   一枚目使っちゃうんだから! 傘符『パラソルスターメモリーズ』」
  赤色の弾幕が円を描きながら高速で飛んでくる。
「ふっ、なかなか綺麗な弾幕じゃないか。だが、まだ遅い」
  私は全ての弾を避けてから一枚目のスペルカードを発動した。
「行くぞ。狐符『お狐様の雨社』」
 私を中心に水色の弾幕が縦に並び、真ん中を狙うようにレーザー型の弾幕が二本撃たれる。
  一回目の弾幕が終わると私は傘少女の後ろに瞬間移動し二度目の弾幕を放った。
「なんですとー!? 」
 
  ギリギリで回避した傘少女は二枚目のスペルカードを掲げた。
「虹符『アンブレラーー」
「残念だが二枚目は使わせないぞ? 」
 傘少女が発動宣言をする瞬間に私は出しておいた霊刀を投げつけた。
「ふふーん。当たらないよーだ」
 しかし、霊刀は避けられてしまう。だが……
「いや、お前の負けだ。術符『起爆刀』」
 
   回避されることは想定済みだ。だから、あの霊刀を投げた。
 
「ひょえ?  きゃあああああーー!」
 避けた霊刀が光を放ち爆発した。
自分の真後ろで起きたことに反応できずに傘少女はそのまま地面に墜落してしまった。
「さて、行くか」
「お疲れです。それにしても相手の動きを真似できるなんてすごいです!」
 「コツは相手の妖力をよく読むことだ。異変を解決したら教えてあげるよ」
 「ありがとうございます! それじゃあさっさと異変解決しましょう」
 そういって墓場の奥へと進む妖夢の後ろをついていく。
 そこには一人の少女が不気味に佇んでいた。
つづく
「って、私のことは放置かいー!」
  
つづく
「いたたた。負けたー」
「ふぅー。それにしても貴方達、妖怪はいつも通り元気ですねぇ。で、神霊について知っていることはないですか?」
「神霊ってなに? たべやすいの?」
 「はぁ……そうよねぇ。神霊を集めて得をするのは神社くらいだし、妖怪の貴方が知ってるわけないよね」
「ーー! 妖夢」
「はい。わかってます。今一瞬ですが嫌な気配が現われました」
「なら話は早い。気配の場所に行くぞ!」
  私は妖夢の返事を待たずに気配のした方向、墓場の方へと向かって走った。
◇
   〜命蓮寺墓地〜
  気配を追ってきた場所は墓地だった。そして、その奥に吸い寄せられるように神霊達も集まっているようだ。
「ラグナさん、やはりこの奥に異変の首謀者がいるみたいですね」
「あぁ、進んでみようか」
  墓場を進んでいると前から大きな傘を持った少女が現われた。
「ちょっとまった!!」
「なんですか?」
「あ、剣を振り回している人と狐? もうこの際、誰でも良いわ! この先に見た事のない奴が番をしているの! そいつにいくら撃ち込んでも、全く効かないのよ。だからお願い代わりに倒してー!」
   傘少女はそういって奥を指差した。よく見てみると奥の方に何かが立っている。
「妖怪から助けを請われるなんて面妖な。どうしますか? ラグナさん」
「まぁ、私たちも奥に用があるから、頼まれようじゃないか」
「へっへっへー。でも、私より強いのか試させて貰うよー! さぁ、どっちが戦う!?」
「なぁ! 頼んでおいて戦えだと!?」
「まぁ、まて。この子が言っていることは的を射ている。よし、私が相手をしよう」
 そういって空へと飛び上がる。少女も続いて私と同じ高さへと浮かんできた。
「カードは三枚ね! いくわよー」
「手を抜いてやるから本気でくるといい」
 
相手の動きを封じる弾と相手を追尾する弾を繰り出す傘少女の真似をするかのように弾幕を放ち、おまけにまっすぐに進む弾を放った。
「ちょ、危な!?   一枚目使っちゃうんだから! 傘符『パラソルスターメモリーズ』」
  赤色の弾幕が円を描きながら高速で飛んでくる。
「ふっ、なかなか綺麗な弾幕じゃないか。だが、まだ遅い」
  私は全ての弾を避けてから一枚目のスペルカードを発動した。
「行くぞ。狐符『お狐様の雨社』」
 私を中心に水色の弾幕が縦に並び、真ん中を狙うようにレーザー型の弾幕が二本撃たれる。
  一回目の弾幕が終わると私は傘少女の後ろに瞬間移動し二度目の弾幕を放った。
「なんですとー!? 」
 
  ギリギリで回避した傘少女は二枚目のスペルカードを掲げた。
「虹符『アンブレラーー」
「残念だが二枚目は使わせないぞ? 」
 傘少女が発動宣言をする瞬間に私は出しておいた霊刀を投げつけた。
「ふふーん。当たらないよーだ」
 しかし、霊刀は避けられてしまう。だが……
「いや、お前の負けだ。術符『起爆刀』」
 
   回避されることは想定済みだ。だから、あの霊刀を投げた。
 
「ひょえ?  きゃあああああーー!」
 避けた霊刀が光を放ち爆発した。
自分の真後ろで起きたことに反応できずに傘少女はそのまま地面に墜落してしまった。
「さて、行くか」
「お疲れです。それにしても相手の動きを真似できるなんてすごいです!」
 「コツは相手の妖力をよく読むことだ。異変を解決したら教えてあげるよ」
 「ありがとうございます! それじゃあさっさと異変解決しましょう」
 そういって墓場の奥へと進む妖夢の後ろをついていく。
 そこには一人の少女が不気味に佇んでいた。
つづく
「って、私のことは放置かいー!」
  
つづく
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