東方狐著聞集
百五尾 吸血鬼の妹と狐 前
 
紅魔館に招待されたラグナはテラスに案内されていた。
「おや、レミリアもいるのか」
「あら、今日はなんのようかしら?」
紅茶を飲んでいたレミリアはラグナに気づくと片目をあけて座りなさいと言われ席に着いた。
「お嬢様。ただいま戻りました」
「あら、咲夜。いつもより五分早かったわね。もしかしてラグナが関係あるのかしら?」
「はい、お嬢様。ラグナ様から紅魔館まで送ってもらいました。なので、お礼を兼ねて紅魔館へ招待したんです」
「そうか。ラグナ、咲夜を送ってくれてありがとう」
「あ、ああ。気にしないでくれ。歩いていたら重そうに荷物を抱えていたんでな」
レミリアからのお礼を予想していなかったラグナは驚いた様子で咲夜を送った理由を話した。それを聞いたレミリアはラグナの話を興味深そうに聞いていた。
「ねぇ、あなたって色々な術が使えるのよね? 治療系の術も使えるのかしら?」
「まぁ、使えんことはないがどうしてだ?」
「……助けてほしい子がいるのよ」
ぽつりぽつりと話すレミリアの顔は顔は悲痛に満ち悔しそうな表情だった。
私は、レミリアの話を聞くとすぐに紅魔館にある地下へと向かった。地価と呼ばれる場所には大きな牢の様な封印の結界が張られた扉が異様な雰囲気を醸し出していた。
「なるほど、これは……狂気か」
「ラグナ様。危険を感じたらすぐに避難してくださいませ」
「あぁ、咲夜も危険と思ったらすぐにこの扉を封印するだぞ?」
「わかりました」
「わかりました」と言った咲夜は心配そうに私を見つめるとお辞儀をしながら私が扉をくぐるのを見届けてくれた。
「さて、鬼が出るか蛇が出るかというが出るのは吸血鬼だな」
扉の先で、私が見たのは小さな寝息を立てる吸血鬼の少女だ。 少女は人形を大切そうに抱え丸まって寝ている。
見た目は普通の少女だが異様な雰囲気を纏っていた。そうかつて私自身が纏っていた狂気だ、この少女は私以上の狂気を小さな体に潜ませている。
「これは、一筋縄にいかないかもしれんな……まさか、こんなに浸食されているなんてな。だが、レミリアの頼みだからな」
「んぅ……あなただあれ?」
眠たそうに眼をこすりながら起き上がった少女は首をかしげながらラグナを見つめた。
「あぁ、起こしてしまったようだね。私はラグナ。あなたのお姉様から頼まれてきたの」
「私の名前はフランドールだよ! 今、あなたお姉様って言ったよね? もしかして、新しい玩具? やったぁ! いまね、すっごくすごく暇だったの! だからあなたで遊ぶわ!」
狂ったように笑いながらフランドールと名乗ったレミリアの妹はどこからか出した炎を剣のようなものを振り回しながらラグナに向かって飛び込んだ。
いきなりの行動に反応できなかったラグナは自身の腕が飛んでいくことで何が起きたのかを察した。
「くぅッ!?」
「あれぇ? もしかしてもう壊れちゃった?」
「安心するといい。まだ壊れてないカラ」
「え……」
ラグナの変化を感じ取ったフランドールは自分の身体に足りないものがあることに気づいた。足りないもの、それは自身の腕だ。そう、フランドールは先ほど吹き飛ばした腕と同じ場所をラグナから消滅させられたっことに気づいたのだ。
「痛い! 痛いよ!」
「どうシタ。もしかしテ、もうオワリなのカ?」
「ころす殺すコロスコロス」
壊れたラジカセのように同じ言葉を繰り返し初めてたフランドールは残っている左手をラグナに見せつける様に握った。
つづく
紅魔館に招待されたラグナはテラスに案内されていた。
「おや、レミリアもいるのか」
「あら、今日はなんのようかしら?」
紅茶を飲んでいたレミリアはラグナに気づくと片目をあけて座りなさいと言われ席に着いた。
「お嬢様。ただいま戻りました」
「あら、咲夜。いつもより五分早かったわね。もしかしてラグナが関係あるのかしら?」
「はい、お嬢様。ラグナ様から紅魔館まで送ってもらいました。なので、お礼を兼ねて紅魔館へ招待したんです」
「そうか。ラグナ、咲夜を送ってくれてありがとう」
「あ、ああ。気にしないでくれ。歩いていたら重そうに荷物を抱えていたんでな」
レミリアからのお礼を予想していなかったラグナは驚いた様子で咲夜を送った理由を話した。それを聞いたレミリアはラグナの話を興味深そうに聞いていた。
「ねぇ、あなたって色々な術が使えるのよね? 治療系の術も使えるのかしら?」
「まぁ、使えんことはないがどうしてだ?」
「……助けてほしい子がいるのよ」
ぽつりぽつりと話すレミリアの顔は顔は悲痛に満ち悔しそうな表情だった。
私は、レミリアの話を聞くとすぐに紅魔館にある地下へと向かった。地価と呼ばれる場所には大きな牢の様な封印の結界が張られた扉が異様な雰囲気を醸し出していた。
「なるほど、これは……狂気か」
「ラグナ様。危険を感じたらすぐに避難してくださいませ」
「あぁ、咲夜も危険と思ったらすぐにこの扉を封印するだぞ?」
「わかりました」
「わかりました」と言った咲夜は心配そうに私を見つめるとお辞儀をしながら私が扉をくぐるのを見届けてくれた。
「さて、鬼が出るか蛇が出るかというが出るのは吸血鬼だな」
扉の先で、私が見たのは小さな寝息を立てる吸血鬼の少女だ。 少女は人形を大切そうに抱え丸まって寝ている。
見た目は普通の少女だが異様な雰囲気を纏っていた。そうかつて私自身が纏っていた狂気だ、この少女は私以上の狂気を小さな体に潜ませている。
「これは、一筋縄にいかないかもしれんな……まさか、こんなに浸食されているなんてな。だが、レミリアの頼みだからな」
「んぅ……あなただあれ?」
眠たそうに眼をこすりながら起き上がった少女は首をかしげながらラグナを見つめた。
「あぁ、起こしてしまったようだね。私はラグナ。あなたのお姉様から頼まれてきたの」
「私の名前はフランドールだよ! 今、あなたお姉様って言ったよね? もしかして、新しい玩具? やったぁ! いまね、すっごくすごく暇だったの! だからあなたで遊ぶわ!」
狂ったように笑いながらフランドールと名乗ったレミリアの妹はどこからか出した炎を剣のようなものを振り回しながらラグナに向かって飛び込んだ。
いきなりの行動に反応できなかったラグナは自身の腕が飛んでいくことで何が起きたのかを察した。
「くぅッ!?」
「あれぇ? もしかしてもう壊れちゃった?」
「安心するといい。まだ壊れてないカラ」
「え……」
ラグナの変化を感じ取ったフランドールは自分の身体に足りないものがあることに気づいた。足りないもの、それは自身の腕だ。そう、フランドールは先ほど吹き飛ばした腕と同じ場所をラグナから消滅させられたっことに気づいたのだ。
「痛い! 痛いよ!」
「どうシタ。もしかしテ、もうオワリなのカ?」
「ころす殺すコロスコロス」
壊れたラジカセのように同じ言葉を繰り返し初めてたフランドールは残っている左手をラグナに見せつける様に握った。
つづく
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
111
-
-
267
-
-
37
-
-
59
-
-
11128
-
-
26950
-
-
768
-
-
0
-
-
440
コメント