東方狐著聞集
百一尾 西行寺
 紫の後に続いて大きな玄関をくぐったラグナは屋敷の中を見渡して懐かしんでいた。
 懐かしむのも無理もないだろう。ラグナは一通り見回すと。
「これは……」
  飾られていた絵を手にした。 その絵は以前ラグナが幽々子と一緒に花見をしている時に描いた絵。幽々子が微笑んでいる様子を描いたもの。
「幽々子が残したのよ。あの子人間だった頃の記憶はないけどあなたとの思い出は消えてなかったみたい」
 ただ、夢の中に出てくる人と認識してるみたいと付け加え紫は屋敷の奥へと進む。ラグナはそのあとを追いかけた。
「やっぱり記憶がないのか? 」
「えぇ、そうよ。まだ未完成だった術を使った結果ね。だけどあのとき二人を助けるためには仕方がなかったの」
「あぁ、わかってる。私がこうして過ごせるのも紫と雪夢、幽香、それに霊歌のお陰だよ」
「ふふ、ついたわよ。先に入って」
 紫はそういうとラグナを襖の前に立たせるように横にずれた。ラグナは襖の前に立ち、襖を開いた。
「あら? あなたは……誰かしら?」
 
 そこには薄い桃色の髪を持った少女が団子を頬張っていた。
「ゆ、幽々子……!」
「……? もしかして、夢の人?」 
「私もいるわよ」
 ラグナの後ろにいたはずの紫がいつの間にか幽々子の隣に座って団子を食べている。 だが、二人は紫に目もくれずに見つめ合っていた。 
 
「久しぶり……いや、初めまして(……)私は、紫の友達のラグナだ。是非、私とも友達になってくれないだろうか?」
「えぇ、もちろん。よろしくね、ラグナ。私は西行寺幽々子よ」
  この日、数百年前と同じやりとりを得て友になった。
つづく
 
 懐かしむのも無理もないだろう。ラグナは一通り見回すと。
「これは……」
  飾られていた絵を手にした。 その絵は以前ラグナが幽々子と一緒に花見をしている時に描いた絵。幽々子が微笑んでいる様子を描いたもの。
「幽々子が残したのよ。あの子人間だった頃の記憶はないけどあなたとの思い出は消えてなかったみたい」
 ただ、夢の中に出てくる人と認識してるみたいと付け加え紫は屋敷の奥へと進む。ラグナはそのあとを追いかけた。
「やっぱり記憶がないのか? 」
「えぇ、そうよ。まだ未完成だった術を使った結果ね。だけどあのとき二人を助けるためには仕方がなかったの」
「あぁ、わかってる。私がこうして過ごせるのも紫と雪夢、幽香、それに霊歌のお陰だよ」
「ふふ、ついたわよ。先に入って」
 紫はそういうとラグナを襖の前に立たせるように横にずれた。ラグナは襖の前に立ち、襖を開いた。
「あら? あなたは……誰かしら?」
 
 そこには薄い桃色の髪を持った少女が団子を頬張っていた。
「ゆ、幽々子……!」
「……? もしかして、夢の人?」 
「私もいるわよ」
 ラグナの後ろにいたはずの紫がいつの間にか幽々子の隣に座って団子を食べている。 だが、二人は紫に目もくれずに見つめ合っていた。 
 
「久しぶり……いや、初めまして(……)私は、紫の友達のラグナだ。是非、私とも友達になってくれないだろうか?」
「えぇ、もちろん。よろしくね、ラグナ。私は西行寺幽々子よ」
  この日、数百年前と同じやりとりを得て友になった。
つづく
 
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