東方狐著聞集
九十六尾 狐と幻月
私は幻月の部屋でお茶を頂いている。部屋は真っ白で幻月がいるとまるで天界のような空間になっている。
「それで、私と話がしたいって?」
「えぇ、幽香ちゃんが興味を持つ溶解なんて両手で数えても少ないのよ? だから、私はあなたに興味を持った」
「これは、光栄だ。なら私の身の上話でもするか?」
「あら、それも素敵ね。だけど、私はあなたの存在についてしりたいわ」
「私の存在?」
 一体どういう意味だ? 私は私だが
「言い方を変えるわ。あなたは一体何なの?」
「どういう意味だ?」
「なんで、あなた、霊力を使えるの? 妖怪が霊力を操るなんてことはこの世の理に背いている。一体あなたはなんなの?」
「あははは、なんだそんなことか。なら覚えておくがいい、私は大妖怪天狐の娘、種族妖獣の狐、ラグナだ」
「なんかいろいろ変だけどそういうことにしておいてあげるわ。霊力が使えるのも能力かもしれないし」
 能力か……一時期は欲しいと思っていたなぁ。まぁ、願ったところで手に入るものじゃないってわかってから興味が薄れたな。さて、幻月の質問に答えるか。
「それはありえないぞ? 私は産まれながらに能力がないからな」
「それは本当なの?」
「あぁ、私がなんで霊力が使えるか知りたいか?」
「えぇ、興味があるわ」
「人間として数十年過ごしたからだよ」
 初めて人間になった時は苦労したな。妖力で自分を強化してたから霊力を使い始めた時は結構大変だった。 お? 再起動したな
「ふぇ……? いやいや、人間として? うそでしょ?」
「嘘なもんか。なら幽香に聞いてみたらいい。あいつと初めて会った時人間だったからな」
「もしかしてあなたの母親も霊力を操れるの?」
「お母様は知らないが妹の雪夢が使える」
「その、雪夢って子は能力持ってないの?」
 えーとあの子は雪を操る程度の能力を使っていたっけ。懐かしいなあの子、今でも初めて会った時のことを話すと顔を真っ赤にしてポカポカと殴ってくるんだよなぁ
「なるほど……もしかすると妖力を練れる人間もいるかもしれないわ……」
「いや、人間は妖力を操ることは不可能だ」
 そう、不可能なのだ。元々霊力を操っていたのは妖怪だったのだがより体に馴染ませるために妖力という禍々しい力を生み出した。妖怪が霊力を操ることはできても人間が妖力を操ることはできない、もし、できたとしてもその人間はもう人間ではないだろうな
「そうだったの。でもなんであなたはそんなことも知っているの?」
「簡単な話だ。人間の姿をしていた時に妖力を使ってみたんだよ。そしたら、狂化と私は言っているが狂気に染まった状態になったんだよ。まぁ、そのおかげと言ったら変だがもう一人の私、と言ったらいいのだろうか」
「幽香ちゃんに聞いたから知ってるわ。真っ黒なあなたでしょ?」
「そうだ、黒菜という別人格と言ったらおかしいがそんな奴が生まれたというわけだ。私から生まれたくせに能力持ちだから笑えんがな」
「ちょっと笑える要素がわからないわ。まぁ、だけど面白い話は聞けたわ、私は満足したけど貴女は私に聞きたいことがある?」
「特にないな」
「嘘でしょ? 私と幽香ちゃんの関係、この世界こと、聞きたくな言って言うの?」
「お前と幽香の関係は気にならないと言ったら嘘になるが本人に聞かないとダメだろ。この世界ことはお前の妹に聞いた」
「そう、じゃあもういいわ」
「いいって何が?」
「いつでも帰っていいってこと。帰るときは一言言ってくれたら帰すわ」
「そうか、ならもうすこしゆっくりしてから帰るよ」
  好きにしなさいと言って幻月はベットに倒れこむように寝てしまった。 やれやれ、少し拗ねていたがまぁ、気のせいだろう。よし、幽香達のところに戻ろうか
つづく
「それで、私と話がしたいって?」
「えぇ、幽香ちゃんが興味を持つ溶解なんて両手で数えても少ないのよ? だから、私はあなたに興味を持った」
「これは、光栄だ。なら私の身の上話でもするか?」
「あら、それも素敵ね。だけど、私はあなたの存在についてしりたいわ」
「私の存在?」
 一体どういう意味だ? 私は私だが
「言い方を変えるわ。あなたは一体何なの?」
「どういう意味だ?」
「なんで、あなた、霊力を使えるの? 妖怪が霊力を操るなんてことはこの世の理に背いている。一体あなたはなんなの?」
「あははは、なんだそんなことか。なら覚えておくがいい、私は大妖怪天狐の娘、種族妖獣の狐、ラグナだ」
「なんかいろいろ変だけどそういうことにしておいてあげるわ。霊力が使えるのも能力かもしれないし」
 能力か……一時期は欲しいと思っていたなぁ。まぁ、願ったところで手に入るものじゃないってわかってから興味が薄れたな。さて、幻月の質問に答えるか。
「それはありえないぞ? 私は産まれながらに能力がないからな」
「それは本当なの?」
「あぁ、私がなんで霊力が使えるか知りたいか?」
「えぇ、興味があるわ」
「人間として数十年過ごしたからだよ」
 初めて人間になった時は苦労したな。妖力で自分を強化してたから霊力を使い始めた時は結構大変だった。 お? 再起動したな
「ふぇ……? いやいや、人間として? うそでしょ?」
「嘘なもんか。なら幽香に聞いてみたらいい。あいつと初めて会った時人間だったからな」
「もしかしてあなたの母親も霊力を操れるの?」
「お母様は知らないが妹の雪夢が使える」
「その、雪夢って子は能力持ってないの?」
 えーとあの子は雪を操る程度の能力を使っていたっけ。懐かしいなあの子、今でも初めて会った時のことを話すと顔を真っ赤にしてポカポカと殴ってくるんだよなぁ
「なるほど……もしかすると妖力を練れる人間もいるかもしれないわ……」
「いや、人間は妖力を操ることは不可能だ」
 そう、不可能なのだ。元々霊力を操っていたのは妖怪だったのだがより体に馴染ませるために妖力という禍々しい力を生み出した。妖怪が霊力を操ることはできても人間が妖力を操ることはできない、もし、できたとしてもその人間はもう人間ではないだろうな
「そうだったの。でもなんであなたはそんなことも知っているの?」
「簡単な話だ。人間の姿をしていた時に妖力を使ってみたんだよ。そしたら、狂化と私は言っているが狂気に染まった状態になったんだよ。まぁ、そのおかげと言ったら変だがもう一人の私、と言ったらいいのだろうか」
「幽香ちゃんに聞いたから知ってるわ。真っ黒なあなたでしょ?」
「そうだ、黒菜という別人格と言ったらおかしいがそんな奴が生まれたというわけだ。私から生まれたくせに能力持ちだから笑えんがな」
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