東方狐著聞集

稜さん@なろう)

八十九尾 再会

 むむむ……早苗が帰ってしまってまた暇になってしまった。

「久しびりに幽香に会いに行くか? それとも迷いの竹林にいる永琳たちに会いにいくか」
 そうえいば幽香とは地底に行く前にあったのが最後だったか。
永琳たちにも会いたいな……んー。

「とりあえず朝食から済ませるか」
 早苗が来てたから朝食を採っていないからお腹がすいたしな。



◇ 狐、準備中……



「できた! うん、腕も落ちていないな」
 よくよく考えたら千年単位で料理をしてきたから腕が落ちるはずもないんだけどな。
「さーて、食べるか!」

 炊き立てほやほやの白飯を口に運ぶ。白米特有の甘さが口に広がっていく。うまい。
次は妖怪の山で獲れた山女魚の塩焼きだ。魚の生臭さもなく完璧なできだ。
白身を一口、おぉ。口に入れたとたん溶けてしまう。すごい骨も取りやすく食べやすい。 
そして、白米にあうというのがまた感動的だ。
 白飯、魚ときて忘れてはならないのがそう味噌汁だ!
幻想郷では貴重なワカメと油揚げで悩んだ結果どちらも入れることにした。
うん、味噌の風味とワカメの甘さそして油揚げのさっぱりとした味が口の中に広がり喉を通りぬけていく
そして、締めのお茶。食事の後のお茶はとても落ち着く。
とくに熱めの緑茶はいい。独特な苦味が口の中を暴れまわる感覚が気持ちがいい。そして温かみが喉を通り抜けていくのが癖になる。
ふぅ……ごちそうさま。


◇ 狐、片づけ中……


「よし、今日は永琳達に会いに行くか」
 そうだ。永琳の好きだった酒を持っていくか。
「あ、晩飯は鍋にしよ」

◇ 狐、移動中

「やってまいりました。迷いの竹林」
 見渡す限りの竹竹竹。竹の字が分からなくなってきた……

「やってしまった。迷いの竹林の意味が分かったよ。まさか切り倒してもすぐに生えてくるとは。これじゃ道が分からなくなるのもうなずける」
 空を飛ぼうにも霧が深すぎて飛べないし。詰みか?

「まさか、私の最後がこんな場所でなんてな……おや?」
 この懐かしいような霊力は?

「誰かいるのか?」
 おお? この声は……!

「妹紅。どうしたんだ? 早く戻らないと姫さんから怒られちまうぜ」
 おお! まさか、あいつもいるのか!

「いや。誰かの声が聞こえた気がするんだよ」
「とうとうボケがやってきたのか? まぁ、おまえもいい年だしな。はっははは」
「うっせー。気のせいだったのか?」
「いや。気のせいじゃないぞ」
「は? きゃあああああ!!?」
「うぉおおおお?!!」
 なんでこの二人はこんなに驚いているんだ? いやーまさかこんなとこで懐かしい奴らとであえるとは。

「な、なんであんたが!?」
「きょ、教官!?」
「どうどう。妹紅、口が悪くなったな。それと佐助はなんか若くなってないか?」
 しっかし、なんでそんなに殺気をだしてるんだ?

「あんた本当にラグナさんか?」
「教官はそんなおちゃらけな方じゃないぜ? 教官の振りした妖怪!」
「ふぅん。そうか、よし、ならかかってきな。弾幕ごっこじゃない。純粋な殺し合いだ」


 妹紅shift

 輝夜と友達。家族になって数百年過ぎただろか。私たちは迷いの竹林に隠れ住んでいた。私は永遠亭に住まずに竹林の入ったすぐの所に住んでいる。っとどうでもいい話だな。
 今日は輝夜との殺し合いをした後に佐助と一緒に竹の子狩りをしていた。

「誰かいるのか?」
 二人で歩いていると普段立ち寄らない場所から声が聞こえる。だが佐助は聞こえなかったようで
「妹紅。どうしたんだ? 早く戻らないと姫さんから怒られちまうぜ」
などと言っていた。確かに早く戻らないと輝夜がうるさそうだ。

「いや。誰かの声が聞こえた気がするんだよ」
 確かに聞こえたんだが、それもどこか懐かしい声が……だがやはり佐助は聞こえてなかったようで

「とうとうボケたのか? まぁ、おまえもいい年だしな。はっははは」
 などとぬかしやがった。誰が「ボケた?」だ。あとで燃やそう。

「うっせー。気のせいだったのか?」
 もういいや。帰ろう。と前を向いたら目の前に……
「いや。気のせいじゃないぞ」
「は? きゃあああああ!??????????」
「うぉおおおお?!!」
 び、びっくりした。そこにはいたずらが成功した時の子供の様な笑い顔をした狐の妖獣がいた。
な、なんだこいつは……だけどどこか懐かしいような。あ、もしかしてラグナさん? だけど、あの人は陰陽師の人だはずだし。妖怪ではないはずだよな。

「なんで、あんたが!?」
 驚いているのは私だけではないみたいだ。同様に佐助も
「きょ、教官!?」
 と驚いていた。

「どうどう。妹紅、口が悪くなったな。それと佐助はなんか若くなってないか?」
 私たちは馬じゃないぞ。それにしてもラグナさんはこんなはっちゃけた人だったか?

「あんた本当にラグナさんか?」
「教官はそんなおちゃらけな方じゃないぜ? 教官の振りした妖怪!」
 あ、ラグナさん(?)の目の色が変わった。これの人はまさか……
「ふぅん。そうか、よし、ならかかってきな。弾幕ごっこじゃない。純粋な殺し合いだ」
 言い終えると同時に混じり合うはずのない力が混じり合い弾けた。

 妹紅shiftOut



 あちゃーやりすぎたな。久しぶりの部下との戦いもあったせいで本気に近い力を使ってしまった。
「二人とも大丈夫か?」
「あぁ……四回ほど死んだが大丈夫だよ」
「きょ、教官。笑いながら攻撃は怖いです……グゥ」
 こいつ、起きてるみたいだろ? 寝てるんだぜ?

「佐助はどうでもいいとして。久しぶりだな。妹紅」
「あぁ、久しぶりラグナさん」
 妹紅とは一年しか一緒にいなかったが私が不比等さんと妹紅たちと過ごした思い出は忘れることはないだろう。

「二人はなんでこんなとこにいたんだ?」
「永遠亭に戻る途中だったんだよ。ラグナさんは?」
「迷った」
「そうだったのか。なら私が永遠亭まで案内しようか」
「ほんとか? 助かるよ」
「じゃあ。行こうか。佐助!」
「うぅん? 朝かぁ?」
「寝ぼけんじゃないよ。行くぞ」
「お、おう」
 やれやれ、佐助は尻に敷かれるタイプか。

 つづく

  

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