東方狐著聞集

稜さん@なろう)

封印後 

 やぁ、封印されてから五十年はたったよ。え? 誰かって? 私だよラグナだよ、なぜ口調がおかしいかって……それは

「ねえ! ラグナ(おりじなる)お腹がすいたから飯を一緒に食べるわよ!」 

 そう、あの黒い狐がいるからだ。え? 何で?

「何をしているの?! 早く私が作ったご飯を食べるわよ!」
 え? 私が作った……え? どういうことだ、封印されてから一度も反応がなかったからてっきり消滅したと思ってたんだが。
「な……なあ? なんでお前がここにいるんだ?」
黒い狐「なぁ?! 私がここにいたらいけないって言うの!?」
「い、いや。お前は私の中から消滅したんじゃなかったのか?」
黒い狐「ハァ? な分けないでしょ! それと私の名前は黒菜くろなよ!」
 黒い狐改め黒菜は怒ったような口調で言ってきた。って……名前あるの!?
「わかった。で黒菜は何でここにいるの?」
黒菜「あ、それは妖力が戻ったからあなたから出たのよ」
 いや、抜けれるならあんなことするなって言いたいけどあれは私の心の弱さのせいだから言えないな
黒菜「今あなた、抜けれるならなんであんなことしたって思ってるでしょ?」
「お、おもてにゃいぞ!?」
 やば、噛んだ。でもなんでばれた?
黒菜「思ってたのね。何で抜けなかったかっていうと生まれたばかりで能力と妖力の制御が出来なくて抜けれなかったからよ」
「じゃあ、封印されている間に制御できるようになったのか?」
 私の疑問に黒菜はにっこりと微笑んで
黒菜「正解! だから封印されてからまったく喋れなかったわけ」
 私の疑問が全部解消されたが一つだけ聞かなくてはいけないことがあった。
「もう、あんな異変を起こさないって誓える?」
黒菜「誓うわよ。あなたとこの世界を見てみたいしね」
 なかなか恥ずかしいことを言ってくれるわね。
「じゃあ、とりあえずあなたの作った朝食を食べるとするか」
黒菜「えぇ」

つづく

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