東方狐著聞集

稜さん@なろう)

隙間と末の狐

 八雲家の一日は藍の大声で始まる。
藍「紫しゃまぁぁ!」
紫「ど……どうしたの?!」
藍「御飯できましたよ!」
紫「え……あ、ご飯ねじゃあ食べましょうか」
藍「はーい! いただきます!」
紫「いただきます」
 本日の朝食は白ご飯に味噌汁、焼き魚といかにも朝食らしい食事
紫「美味しいわ。藍頑張ったわね」
藍「えへへ、でも紫しゃまには負けますよ」
 藍はニコニコと笑いながら紫にお茶を注いだ
紫「お茶も淹れるのが上手くなったものね。さて仕事に行ってくるわね晩御飯は何がいい?」
藍「えーと、お鍋で!」
紫「わかったわじゃあ掃除よろしくね」
 紫は自分の能力で作り出した隙間に潜り込んだ

藍「よーし頑張るぞ!」
 藍は掃除、洗濯を終わらせて縁側でお昼寝をしていた
 夕方
紫「ただい……風邪引くわよ」
 紫はそっと毛布を掛けて鍋を作る準備に取り掛かった

藍「ん、んにゃ? この匂いは」
紫「あら、やっと起きたのね。鍋もうすぐできるわよ」
藍「紫しゃま。おかえりなさいです」
紫「藍寝るならちゃんと布団で寝なくちゃダメよ」
藍「わかりました!」
紫「じゃあ。お鍋食べましょうか」

藍紫「いただきます」
紫「お肉ばかりじゃなくて野菜も食べなさいよ」
藍「紫しゃまそれなんですか?」
紫「これはお酒よ」
藍「お酒ですか」
紫「飲む? 少しぐらいなら藍でも飲めると思うけど」
藍「一口ください!」
紫「はい。一口ね」
藍「ありがとうございます! ゴク……フニャ?!」
紫「あらあら、目を回しちゃうなんて」
藍「ゆかりしゃま~大好きですぅ」
紫「私も大好きよ藍」
藍「ゆかりしゃまぁ  ちゅ」
紫「……! もう藍貴女」
藍「ゆかり……しゃま……すぅすぅ」
紫「鍋は明日雑炊にして食べるとしてこの子を布団に連れて行かないといけないわね」

つづく

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品