東方狐著聞集
二尾 約束
 久しぶりだな。ラグナだ。永琳と出会ってもうすぐ三年たつ。
わたしももうすぐここから立つ日が来るのか。
「教官、訓練終了しました!」
どうやら、部下たちも訓練が終わったようだな。
「皆、ご苦労だったな、今日は帰って水でも浴びるといい。解散」
「はっ!!」
しかし、百人が同時に声をだしたらうるさいな。
「(家に帰っても永琳居ないんだっけ)全員解散したな」
~♪
――髪留めにしていたピンのようなものから音楽のようなものが流れる
「永琳からか。もしもし」
――ピンを外しアンテナのようなものをたてそれに向かって喋り始めた。
 『もしもし、ラグナ。今日はうちに帰るから早く帰ってきてくれないかしら?』
「了解すぐに帰る」
――そして立てたアンテナを再度元に戻し髪につけなした。
しかし、永琳はすごいな。通信機を小型化するなんて、この私のつけているピンが所見で通信機と見破れる者はいないだろう。
 ~狐移動中~ 
「はぁはぁ……やっと……着いた」
まさか、帰る途中でひったくりを捕まえて迷っている子供を家に帰していたらこんなに遅くなるなんて。
あぁ、永琳怒ってるな。 
「遅いわよ、ラグナ。どこをほっつき歩いていたの?」
「仕方ないでじゃないか、訓練が終わって帰ってると途中に色々あったんだから」
「まぁ、いいわ。ラグナ……」
「……? どうした」
 「ごめんなさいね、いきなり帰ってきてもらって」
「あぁ、気にしなくていいぞ。私も会いたいと思っていたからな」
「そう、それじゃ。あなたに急いで帰ってきてもらった理由なんだけどね。一週間後に月に移住することが決まったの」
「そうか、もうすぐ永琳ともお別れなのか……悲しいな」
「いやよ! 貴女と離れるなんて!」
「私は妖怪だ。だから、人間のお前と一緒にいられないんだ」
そして私は永琳に秘密にしていることがある。それは近いうちに人妖大戦が起きるということだ。
「わかっているわ! でもっ」
「大丈夫だよ、月は穢れがない。だから、お互い生きていたらまた会えるさ」
「なら、約束して絶対に死なないって」
死なないでか……もし、妖怪との戦争が起きたらその約束も守れなくなるかもしれないな……いかんな、弱気でどうする
「私は強いのよ? そう簡単に死なないわよ」
「さぁ、永琳。もう寝ましょ」
「ええ、ラグナ」
「何?」
 
「絶対に死なないでよ?」
その永琳の顔は悲しみの色に染まっていた。
つづく
わたしももうすぐここから立つ日が来るのか。
「教官、訓練終了しました!」
どうやら、部下たちも訓練が終わったようだな。
「皆、ご苦労だったな、今日は帰って水でも浴びるといい。解散」
「はっ!!」
しかし、百人が同時に声をだしたらうるさいな。
「(家に帰っても永琳居ないんだっけ)全員解散したな」
~♪
――髪留めにしていたピンのようなものから音楽のようなものが流れる
「永琳からか。もしもし」
――ピンを外しアンテナのようなものをたてそれに向かって喋り始めた。
 『もしもし、ラグナ。今日はうちに帰るから早く帰ってきてくれないかしら?』
「了解すぐに帰る」
――そして立てたアンテナを再度元に戻し髪につけなした。
しかし、永琳はすごいな。通信機を小型化するなんて、この私のつけているピンが所見で通信機と見破れる者はいないだろう。
 ~狐移動中~ 
「はぁはぁ……やっと……着いた」
まさか、帰る途中でひったくりを捕まえて迷っている子供を家に帰していたらこんなに遅くなるなんて。
あぁ、永琳怒ってるな。 
「遅いわよ、ラグナ。どこをほっつき歩いていたの?」
「仕方ないでじゃないか、訓練が終わって帰ってると途中に色々あったんだから」
「まぁ、いいわ。ラグナ……」
「……? どうした」
 「ごめんなさいね、いきなり帰ってきてもらって」
「あぁ、気にしなくていいぞ。私も会いたいと思っていたからな」
「そう、それじゃ。あなたに急いで帰ってきてもらった理由なんだけどね。一週間後に月に移住することが決まったの」
「そうか、もうすぐ永琳ともお別れなのか……悲しいな」
「いやよ! 貴女と離れるなんて!」
「私は妖怪だ。だから、人間のお前と一緒にいられないんだ」
そして私は永琳に秘密にしていることがある。それは近いうちに人妖大戦が起きるということだ。
「わかっているわ! でもっ」
「大丈夫だよ、月は穢れがない。だから、お互い生きていたらまた会えるさ」
「なら、約束して絶対に死なないって」
死なないでか……もし、妖怪との戦争が起きたらその約束も守れなくなるかもしれないな……いかんな、弱気でどうする
「私は強いのよ? そう簡単に死なないわよ」
「さぁ、永琳。もう寝ましょ」
「ええ、ラグナ」
「何?」
 
「絶対に死なないでよ?」
その永琳の顔は悲しみの色に染まっていた。
つづく
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