僕と狼姉様の十五夜幻想物語 ー温泉旅館から始まる少し破廉恥な非日常ー
第18節17部ー九尾様の戯れー
いやいや、いやいやいやいや!! さすがに! さすがにそれは生徒会長命令でもどうなんだ!?
にまにましてる九十九会長はじっと僕のことを見てる。にやけた顔の中でも、目だけは本気の目だ。
「あの、着物を着て女装は……その、わかりました。でも、ここで脱ぐのはちょっと……」
「グダグダ言ってねェで早く脱げ」
「はっ、はひっ」
なぜか九十九さんの凄みが増した気がする。あれっ、敬語はどこいったんでしょうか。あの時折とってつけたようになる敬語は?
というより、なんで僕が九十九さんの前でストリップショーをしなければならないんだ……。
と、言いつつ怖いから制服をさらさらと脱いでいった。恥ずかしいから背を向けてだけど。
後ろではおおよそ神様にふさわしくない、下卑た笑い声が……。
(ほおおおお。なんと綺麗な体ですか。なるほど、女の子のような容姿もここまでくれば……。肌の綺麗さはさておいても、腰つきとかお尻とかメスのそれではないですか。ふむ、伊代に溺愛され、あまつさえあの銀狼すらたらしこむ魅力は伊達ではねェということですか)
あの……何を思われているかはわからないけど……もうボクサーパンツ一枚なんだけど。僕はいつ着物を着せてもらえるのだろうか。
「あの……九十九会長?」
「ハッ!? あ、ちょいと待ってくださいな。んしょ……」
僕の後ろで、するするという衣擦れの音が聞こえてきた。何かを脱いでいるみたいな……?
とにかく、ハッ!? とかいう放心していたような仕草を想像させるのはやめてください九十九さん……。
「これを着用していただけますか? これで男性特有の匂いをごまかすことができますので」
「ん……はい」
しゃがみながら後手に、九十九さんから差し出されたであろうそれを受け取った。
薄手の絹生地だ。それに、そんなに大きくない。なんだろうこれ……。
「あの……これ」
「私の脱ぎたて下着ですが?」
「百歩譲って女性用下着はわかります。脱ぎたてである必要って……」
「女性の匂いを纏ったものでないと、誤魔化せねーでしょう。いいからさっさとそのパンツ脱いで、履いてくださいな」
「……ぬ、ぬぅ……!!」
脱いで履くとはこれいかに……。ぐ、これはなんだ。どういう状況なんだ……いや、九十九さんってけっこう大人っぽい下着はくんだな……黒の。
こんな状況、銀露や伊代姉に見られたら恥ずかしくて死んじゃうよ。
と、こんなことを考えてグダグダしていると……。
「早くしないと芙蓉をけしかけますよ」
「は……はぃぃ…………」
もうほとんど半泣きになりながら、ボクサーパンツを脱いで……。
(……)
九十九さんが無心で僕のお尻を見つめてるような気がする。自意識過剰とかそんなんじゃなくて。リアルに穴があきそうなほどの視線を感じる……ような気がする。
「……芙蓉、お着物を持ってきてください」
と、九十九さんが言うと、瞬時に僕の後ろからふわりと着物と思わしき、そこそこ重量を感じる布をかけられた。
「九尾様。少々お戯れが過ぎるのではないでしょうか」
「くふふふふ。ああ、堪能しましたですよ。今宵のオカ」「九十九さん? 僕、泣いちゃってもいいですか?」
「ああ! 泣かないでくださいな! 少し意地悪しすぎたのは謝りますから!!」
「……じゃあ、その尻尾もふもふさせてください」
「お、お安い御用じゃねーですか! いくらでももふっていいのでこのことはご内密に」
「何本までですか?」
「……え?」
「その尻尾、何本までモフっていいんですか」
「……4本」
「伊代姉には黙っててあげます」
「全部! 全部好きにしていいですからぁ! 銀狼には……」
「耳も?」
「耳っ……はダメで」
「銀露と九十九さんってどっちが強いんですか?」
「耳もいいです、いいですからッ!!」
……なんで形勢逆転してるんだろう。一応、女装するっていうのは理にかなっているらしいから、ちゃんと着付けはしてもらった。
髪も、神気で伸ばしてもらって結って、薄くお化粧もしてもらって……。
にまにましてる九十九会長はじっと僕のことを見てる。にやけた顔の中でも、目だけは本気の目だ。
「あの、着物を着て女装は……その、わかりました。でも、ここで脱ぐのはちょっと……」
「グダグダ言ってねェで早く脱げ」
「はっ、はひっ」
なぜか九十九さんの凄みが増した気がする。あれっ、敬語はどこいったんでしょうか。あの時折とってつけたようになる敬語は?
というより、なんで僕が九十九さんの前でストリップショーをしなければならないんだ……。
と、言いつつ怖いから制服をさらさらと脱いでいった。恥ずかしいから背を向けてだけど。
後ろではおおよそ神様にふさわしくない、下卑た笑い声が……。
(ほおおおお。なんと綺麗な体ですか。なるほど、女の子のような容姿もここまでくれば……。肌の綺麗さはさておいても、腰つきとかお尻とかメスのそれではないですか。ふむ、伊代に溺愛され、あまつさえあの銀狼すらたらしこむ魅力は伊達ではねェということですか)
あの……何を思われているかはわからないけど……もうボクサーパンツ一枚なんだけど。僕はいつ着物を着せてもらえるのだろうか。
「あの……九十九会長?」
「ハッ!? あ、ちょいと待ってくださいな。んしょ……」
僕の後ろで、するするという衣擦れの音が聞こえてきた。何かを脱いでいるみたいな……?
とにかく、ハッ!? とかいう放心していたような仕草を想像させるのはやめてください九十九さん……。
「これを着用していただけますか? これで男性特有の匂いをごまかすことができますので」
「ん……はい」
しゃがみながら後手に、九十九さんから差し出されたであろうそれを受け取った。
薄手の絹生地だ。それに、そんなに大きくない。なんだろうこれ……。
「あの……これ」
「私の脱ぎたて下着ですが?」
「百歩譲って女性用下着はわかります。脱ぎたてである必要って……」
「女性の匂いを纏ったものでないと、誤魔化せねーでしょう。いいからさっさとそのパンツ脱いで、履いてくださいな」
「……ぬ、ぬぅ……!!」
脱いで履くとはこれいかに……。ぐ、これはなんだ。どういう状況なんだ……いや、九十九さんってけっこう大人っぽい下着はくんだな……黒の。
こんな状況、銀露や伊代姉に見られたら恥ずかしくて死んじゃうよ。
と、こんなことを考えてグダグダしていると……。
「早くしないと芙蓉をけしかけますよ」
「は……はぃぃ…………」
もうほとんど半泣きになりながら、ボクサーパンツを脱いで……。
(……)
九十九さんが無心で僕のお尻を見つめてるような気がする。自意識過剰とかそんなんじゃなくて。リアルに穴があきそうなほどの視線を感じる……ような気がする。
「……芙蓉、お着物を持ってきてください」
と、九十九さんが言うと、瞬時に僕の後ろからふわりと着物と思わしき、そこそこ重量を感じる布をかけられた。
「九尾様。少々お戯れが過ぎるのではないでしょうか」
「くふふふふ。ああ、堪能しましたですよ。今宵のオカ」「九十九さん? 僕、泣いちゃってもいいですか?」
「ああ! 泣かないでくださいな! 少し意地悪しすぎたのは謝りますから!!」
「……じゃあ、その尻尾もふもふさせてください」
「お、お安い御用じゃねーですか! いくらでももふっていいのでこのことはご内密に」
「何本までですか?」
「……え?」
「その尻尾、何本までモフっていいんですか」
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