自己犠牲錬装術師の冒険記
第2話「能力を貰っていざ、新世界!」
「冬樹さん、どうですか?自分の死んだ理由、死んだという事、理解してもらえましたか?」
「…はい、ついでに自分が凄く恥ずかしいことを言っていたのも思い出しました…」
恥ずかしい!その手を離せとかラノベの読み過ぎだって!しかも可愛い顔が…とかもう鳥肌越えて死にたくなってきたよ!
悶え始めた俺を見た女神さまは最初は驚いていたけれど、直ぐに笑顔に戻って
「確かに話し方こそ少し格好付けていましたが、貴方のしたことはとても立派な事でした。そして今回の件について、ある人物からの希望があり貴方の天界への召還が認められました。」
「うぐっ…ん、ある人物?天界への召還??えーと、すみません。内容が全く理解できないんですが…」
「あっ、すみません!こういう事に余り慣れていないので説明するのを忘れてしまいました・・・」
しょんぼりと俯くその姿を見て、俺は「女神さまカワイイ」などと言う失礼極まりない事を思ってしまった。すみません…
「っこほん!それでは、まずこの世の仕組みを軽くですがご説明させていただきますね。」
女神さまが手を振ると数冊の本が本棚の至る所から一人でに抜き出されて、目の前の机に並べられる
女神さまはその内の1冊を開きながら話を続ける
「まず、世界は大きく神界・天界・人界の3つに分けられます。
細かく分けるともっとありますが…取りあえずこの3つを覚えてもらえれば結構ですね。
次に各界に所属している者についてです。神界には神と呼ばれる者たちが居て、大きな問題が起きた時に対策を取ったり天界の部下に指示をしたりしています。
そして各神ごとに天界を持っていて、上神から支持を受けた天上人・・・いわゆる天使が人界に降りて、実際に人界の原理に介入します。ここまでは良いですか?」
これで軽くって、流石女神様。としか言いようがない
「なんとか、それで俺が召還?されるのがその天界。と言う事ですか?」
女神様は次の本を開きながら笑顔で返してくれる
「はい、天上人は私たち神と同じで基本的には老いることも無ければ、死ぬこともありません。
ですが自らの意思によっては老いたり若返ったり、子を成すことも出来ます。なので人界から天界に魂が召還される事は殆どありません。」
ふむふむ、不老不死だけど意思次第で年齢を変えたり子供も作れるのか…そりゃ人材不足が無いから当然新しく連れてくる必要も無い…と。
「ですが、冬樹さんの場合は例外です。貴方の生前の行いとある人物の強い希望で召還が許可されました。」
俺は日ごろの行いが良かったから例外で天上人の仲間入りをさせてくれると
「ですが、召還するかどうかは貴方の上位神である私に委ねられています。
なので、私は貴方に試練を与えます。」
「うんうん、それで俺は試練を受けなくちゃならない…って、え!?ただで天上人にしてもらえるんじゃないんですか!?」
「はい、推薦があって素行が良くても実際に部下として力を見せてもらわないといけませんから。勿論、私の加護は与えますから死んだりはしないので、安心してください。」
「え、あ、はい…」
それしか言えなかった、まぁ不老不死なんだし大丈夫…だよね?
「それと、冬樹さんは人界から来たので何か能力を1つ、差し上げます。こちらの中から選んでください。」
女神様がまた手を振り本の内1冊がこちらに差し出さる
「あの、凄く厚いんですが…こんなにあるんですか?」
この本だが、すっごく分厚い。どれくらい分厚いかと言うと六法全書と同じくらいある。
ちらりと女神様を伺うと満面の笑みでこちらを見ていた…
「ご心配は要りません!時間はたっぷりとありますから、ゆっくりと選んでくださいね。」
「あ、はい…ありがとうございます。」
そして俺の能力選びが始まった…
・・・・・・
女神様が出してくれた、いくら飲んでも冷めも無くなりもしない紅茶を飲みながら、表紙をめくる
目次が数頁並んでから、各能力の頁が現れる。
やっぱり分厚いだけに結構色んな能力があるな
例えば、
【普遍の境地】
〈特性〉何事においても普通。
普通過ぎてどんなに怪しい恰好をしていても一般人に紛れることが出来る。
〈ボーナス〉社交性が上がる。
【物語の刻み手】
〈特性〉物語を書いて運命を変える。
運命を一つの物語として書き換える事で干渉することが出来る。
〈ボーナス〉知力が上がる。
【掃除屋の心得】
〈特性〉物質を異次元の穴に仕舞うことが出来る。
視界に入っている生命を持たない物質に限り収納可能。収容限界があり、定期的に取り出して処分しなければならない。
〈〉
等々…
「普遍の境地って何!こんなの取る人居る!?」
思わず突っ込んでしまった俺に、女神様は少し苦笑いをしながら
「たまに居るんですよ、生前に勇者や王などをしていたから次の人生は平凡な物がいいと言う方たちが…そういう方たちに差し上げています。」
「あぁ、確かにそういうテンプレありますもんね!」
「テンプレ…と言うのが何か分かりませんが、生きているうちに成し遂げた功績によっても差し上げていますからね。それなりに人気はあるんですよ?それ。」
へぇ、隣の芝生はなんとやらって奴なのかな?まぁ覚えている限り平々凡々な人生を送ってきた俺には無縁だろうけどね
そんなことを考えながらぺらぺらとめくっていると、ある能力に目を惹かれた
【物質創造の秘術】
〈特性〉複数の物質が持つ特性を合わせて一つの物質にすることが出来る。
新しい物質を作るほか、形等もイメージさえできれば作り変える事も可能、制限あり
こういうのってたまにあるよね、例えば本屋で表紙を見た瞬間にレジに持って行ってしまうとか…え?分かるよね?
「これだっ!女神様、これにします!」
「物質創造…使いこなせれば便利な能力ですね。それで構いませんか?」
「はい!大丈夫です!これで良いです!」
「ふふ、フィーリングも大事ですからね。それでは、能力の付与を行います。多少痛みますが、我慢してくださいね?」
そうそう!フィーリングは大事だよね!ん?今なんか言わなかった?
微笑んでいる女神様、そして本の頁が光り始めて…
ズキッとした痛みと共に沢山の知識が入って来る。これだけの情報を一度に入れられて…
俺の頭大丈夫か、心配になってきたぞ?
「これで付与は完了です、後は体が覚えているのでうまく使いこなしてくださいね?」
「体が覚えてる…まぁひとまず置いておいて、さっき言ってた試練?って何でしょうか?」
「少し気になってたんですが、もしかして座禅とか瞑想とかするんですか…?」
神様とか仏様って聞いて出てくるのが一日の大半を瞑想したり滝行したり断食するイメージなあたり、知識偏ってるなぁ…俺
「一部の神達はその形式ですが、私は違います。私は調和を司る女神なので、事務的な仕事よりも現場仕事の方が多いんです。」
「女神様の仕事にも事務とかあるんだ…ん?現場仕事って何をするんですか?」
「例えば、研究熱心なあまりに触れてはいけない禁忌に手を染めてしまった人や、人界のバランスを崩すような大罪を犯した人にお仕置きをしたり。色んな事から生じた歪みを片付ける…等です。」
あぁ、なんかわかった気がする…つまり警察官みたいなものかな
「そして、試験は実際にある世界に行ってもらい、ある程度の実績を積んだと判断したら貴方は晴れて天上人の1人になれます。」
「つまり、新人研修の様なものですか…どうなるかは分かりませんが、頑張ります!」
「その意気ですよ。それではこちらの準備も出来たので、転生させますね?少しの間目を瞑っていて下さい。」
俺は言われた通り目を閉じると少しの間をおいて、水中に沈むような感覚に包まれる
そして俺はチート異世界冒険がついに始まる!という希望を持って意識を沈めていく…
「…はい、ついでに自分が凄く恥ずかしいことを言っていたのも思い出しました…」
恥ずかしい!その手を離せとかラノベの読み過ぎだって!しかも可愛い顔が…とかもう鳥肌越えて死にたくなってきたよ!
悶え始めた俺を見た女神さまは最初は驚いていたけれど、直ぐに笑顔に戻って
「確かに話し方こそ少し格好付けていましたが、貴方のしたことはとても立派な事でした。そして今回の件について、ある人物からの希望があり貴方の天界への召還が認められました。」
「うぐっ…ん、ある人物?天界への召還??えーと、すみません。内容が全く理解できないんですが…」
「あっ、すみません!こういう事に余り慣れていないので説明するのを忘れてしまいました・・・」
しょんぼりと俯くその姿を見て、俺は「女神さまカワイイ」などと言う失礼極まりない事を思ってしまった。すみません…
「っこほん!それでは、まずこの世の仕組みを軽くですがご説明させていただきますね。」
女神さまが手を振ると数冊の本が本棚の至る所から一人でに抜き出されて、目の前の机に並べられる
女神さまはその内の1冊を開きながら話を続ける
「まず、世界は大きく神界・天界・人界の3つに分けられます。
細かく分けるともっとありますが…取りあえずこの3つを覚えてもらえれば結構ですね。
次に各界に所属している者についてです。神界には神と呼ばれる者たちが居て、大きな問題が起きた時に対策を取ったり天界の部下に指示をしたりしています。
そして各神ごとに天界を持っていて、上神から支持を受けた天上人・・・いわゆる天使が人界に降りて、実際に人界の原理に介入します。ここまでは良いですか?」
これで軽くって、流石女神様。としか言いようがない
「なんとか、それで俺が召還?されるのがその天界。と言う事ですか?」
女神様は次の本を開きながら笑顔で返してくれる
「はい、天上人は私たち神と同じで基本的には老いることも無ければ、死ぬこともありません。
ですが自らの意思によっては老いたり若返ったり、子を成すことも出来ます。なので人界から天界に魂が召還される事は殆どありません。」
ふむふむ、不老不死だけど意思次第で年齢を変えたり子供も作れるのか…そりゃ人材不足が無いから当然新しく連れてくる必要も無い…と。
「ですが、冬樹さんの場合は例外です。貴方の生前の行いとある人物の強い希望で召還が許可されました。」
俺は日ごろの行いが良かったから例外で天上人の仲間入りをさせてくれると
「ですが、召還するかどうかは貴方の上位神である私に委ねられています。
なので、私は貴方に試練を与えます。」
「うんうん、それで俺は試練を受けなくちゃならない…って、え!?ただで天上人にしてもらえるんじゃないんですか!?」
「はい、推薦があって素行が良くても実際に部下として力を見せてもらわないといけませんから。勿論、私の加護は与えますから死んだりはしないので、安心してください。」
「え、あ、はい…」
それしか言えなかった、まぁ不老不死なんだし大丈夫…だよね?
「それと、冬樹さんは人界から来たので何か能力を1つ、差し上げます。こちらの中から選んでください。」
女神様がまた手を振り本の内1冊がこちらに差し出さる
「あの、凄く厚いんですが…こんなにあるんですか?」
この本だが、すっごく分厚い。どれくらい分厚いかと言うと六法全書と同じくらいある。
ちらりと女神様を伺うと満面の笑みでこちらを見ていた…
「ご心配は要りません!時間はたっぷりとありますから、ゆっくりと選んでくださいね。」
「あ、はい…ありがとうございます。」
そして俺の能力選びが始まった…
・・・・・・
女神様が出してくれた、いくら飲んでも冷めも無くなりもしない紅茶を飲みながら、表紙をめくる
目次が数頁並んでから、各能力の頁が現れる。
やっぱり分厚いだけに結構色んな能力があるな
例えば、
【普遍の境地】
〈特性〉何事においても普通。
普通過ぎてどんなに怪しい恰好をしていても一般人に紛れることが出来る。
〈ボーナス〉社交性が上がる。
【物語の刻み手】
〈特性〉物語を書いて運命を変える。
運命を一つの物語として書き換える事で干渉することが出来る。
〈ボーナス〉知力が上がる。
【掃除屋の心得】
〈特性〉物質を異次元の穴に仕舞うことが出来る。
視界に入っている生命を持たない物質に限り収納可能。収容限界があり、定期的に取り出して処分しなければならない。
〈〉
等々…
「普遍の境地って何!こんなの取る人居る!?」
思わず突っ込んでしまった俺に、女神様は少し苦笑いをしながら
「たまに居るんですよ、生前に勇者や王などをしていたから次の人生は平凡な物がいいと言う方たちが…そういう方たちに差し上げています。」
「あぁ、確かにそういうテンプレありますもんね!」
「テンプレ…と言うのが何か分かりませんが、生きているうちに成し遂げた功績によっても差し上げていますからね。それなりに人気はあるんですよ?それ。」
へぇ、隣の芝生はなんとやらって奴なのかな?まぁ覚えている限り平々凡々な人生を送ってきた俺には無縁だろうけどね
そんなことを考えながらぺらぺらとめくっていると、ある能力に目を惹かれた
【物質創造の秘術】
〈特性〉複数の物質が持つ特性を合わせて一つの物質にすることが出来る。
新しい物質を作るほか、形等もイメージさえできれば作り変える事も可能、制限あり
こういうのってたまにあるよね、例えば本屋で表紙を見た瞬間にレジに持って行ってしまうとか…え?分かるよね?
「これだっ!女神様、これにします!」
「物質創造…使いこなせれば便利な能力ですね。それで構いませんか?」
「はい!大丈夫です!これで良いです!」
「ふふ、フィーリングも大事ですからね。それでは、能力の付与を行います。多少痛みますが、我慢してくださいね?」
そうそう!フィーリングは大事だよね!ん?今なんか言わなかった?
微笑んでいる女神様、そして本の頁が光り始めて…
ズキッとした痛みと共に沢山の知識が入って来る。これだけの情報を一度に入れられて…
俺の頭大丈夫か、心配になってきたぞ?
「これで付与は完了です、後は体が覚えているのでうまく使いこなしてくださいね?」
「体が覚えてる…まぁひとまず置いておいて、さっき言ってた試練?って何でしょうか?」
「少し気になってたんですが、もしかして座禅とか瞑想とかするんですか…?」
神様とか仏様って聞いて出てくるのが一日の大半を瞑想したり滝行したり断食するイメージなあたり、知識偏ってるなぁ…俺
「一部の神達はその形式ですが、私は違います。私は調和を司る女神なので、事務的な仕事よりも現場仕事の方が多いんです。」
「女神様の仕事にも事務とかあるんだ…ん?現場仕事って何をするんですか?」
「例えば、研究熱心なあまりに触れてはいけない禁忌に手を染めてしまった人や、人界のバランスを崩すような大罪を犯した人にお仕置きをしたり。色んな事から生じた歪みを片付ける…等です。」
あぁ、なんかわかった気がする…つまり警察官みたいなものかな
「そして、試験は実際にある世界に行ってもらい、ある程度の実績を積んだと判断したら貴方は晴れて天上人の1人になれます。」
「つまり、新人研修の様なものですか…どうなるかは分かりませんが、頑張ります!」
「その意気ですよ。それではこちらの準備も出来たので、転生させますね?少しの間目を瞑っていて下さい。」
俺は言われた通り目を閉じると少しの間をおいて、水中に沈むような感覚に包まれる
そして俺はチート異世界冒険がついに始まる!という希望を持って意識を沈めていく…
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