高校生は蛇になる

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2話 初めて会う生き物

  俺の目の前には人間がいる。生きかえってから初めて会う生き物だ。

  それだけなら嬉しいことなのだが、その人間達は自分よりも小さい。自分が大きいのかこいつらが小さいのかは分からない。
だが、厨二病らしい服装をしている。

  4人いる内の3人は黄金の鎧を身に纏っている。いかにも騎士って感じだ。顔が見えないが、おそらくこいつらは男だろう。
最後の1人は、漆黒のローブを纏っている。
こいつは顔が見える。女だ。

  この時点で俺は、あるひとつの可能性に気が付いていた。それは、自分が異世界転生したことだ。
面白いことを求めてweb小説をあさったことがあるからそのぐらいの知識はある。
むしろ今まで何で気が付かなかったって感じだが、俺は異世界転生してしまったのだろう。

  それならば今の状況にも説明がつく。
俺の前にいるこいつらはこの洞窟を探索しているのだろう。
そして、こいつらにとって俺は倒すべき凶悪な大蛇って訳だ。

……これってやばくない?
  逃げようにも今いる所までギリギリ通れる通路通って来たから横幅足りないし、蛇の体だからバックも出来ない。
おまけに、騎士の1人が持っている剣が白く輝き出している。

  やばい、避けられん。

  先頭の騎士が振りかざした白く輝く剣が、俺の眉間に当たる。
その瞬間、この場にいる誰もが想像していなかったことが起きた。
俺の眉間に当たった剣がより一層輝きを増したかと思うと、その剣が半ばからへし折れたのだ。
唯一顔の見える女が驚愕に満ちた顔をしている。
俺だって驚きだわ。頭が真っ二つになるかと思ったわ。

  よほどありえないことだったのか、みんな後ろを向いて一目散に逃げ出していく。

殺される心配はないと分かったからとりあえず追いかけることにした。
そして、待ってくれと言おうとした。
しかし、俺の口から出た声は「ギャッギュグュグェー」と言う不協和音。
しかもそれだけではなく、紫色の毒々しい見た目の霧が自分の口からから吹き出た。
その霧は、離れた場所にいた女を除いて騎士達に纏わりつく。

  霧が晴れるとにそこには、プシューと音をたて溶け崩れる壁と床。それと、溶けた床の上に転がる赤と金色の元が何か分からない物体があった。
女の顔は青ざめている。
もうびっくりでは済ませられない光景がそこにはあった。

  俺は女に話しかけようとした。
「グフッ」
紫色の霧が少し出た。
女は急いで水色の宝石らしき物を取り出すと、何かを一言呟いた。
すると、宝石が砕けちり、女の姿が消えてしまった。

  音をたてて溶けている通路とそこに1人残された俺。

俺が初めてこの世界を異世界だと実感した瞬間だった。

コメント

  • ノベルバユーザー601400

    蛇はゃだぁぁ〜

    0
  • nonono

    ほんとに蛇になった笑
    程よいボリュームなのでサクサク読めちゃいます。続きが気になります!

    0
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