この夏俺は世界を守る巫女に生まれ変わりました
第5話とある水の姫巫女の初日-全裸と出会い 前編-
結局その日中にセリーナが見せたいものは見ることができず、お腹も特に減っていなかったので、そのまま部屋に戻って寝ることにした。
「それではおやすみなさい、巫女様」
「おやすみなさい」
気がつけば日付が変わる時間。俺の睡眠も限界が来ていたので、目を閉じればすぐに眠れると思っていたが、やはりそこは当然というべきか布団に入ってから一時間は経つのに、全くもって眠れない。
(こんな体で寝れるわけないよな……)
初めて女性の体で眠る夜。心地としては大して変わり無いのだが、色々考えてしまって眠ろうにも寝れない。
(というか本当に俺は、この先もこの体で生活しなければいけないのかな……)
横になっていても拉致があかないので、一度起き上がりガラスの外の海を眺める。そこに広がっていたのは最初に見た空間とは違い、夜の海はまた違った幻想的な空間が広がっていた。
(夜の海って、こんなにすごかったんだな……)
この部屋があまり海深くの場所にないのもあるのか、海を照らす月の光が更に幻想的な空間を生み出している、俺はその光景に思わず見とれてしまっていた。
(綺麗だな……)
これから俺はこの景色を何度見ることになるのだろうか? 願わくば女の体としてではなく、男として見てみたいものだけれど……。
(もうそれは無理なんだよな)
どう願ったってそれは叶わない。
「はぁ……」
ため息をつくが、これも当然女の声だし、俺はこれからどう生きていけばいいのだろうか?
(セリーナはああ言っていたけど、俺は今の現実を受けいることすらできないから、姫巫女なんて無理なんだよ……)
俺は結局この夜は、一度も眠りにつくことができず、気がつけば朝を迎えてしまっていた。
■□■□■□
憂鬱な気分が抜けないまま朝を迎えた俺は、朝早くに向かいに来たセリーナに連れられてどこかへ向かっていた。
「えっと、セリーナさん。こんな朝早くからどちらへ向かうのですか?」
「どこへ向かうもなにも、巫女様の朝の仕事ですよ」
「こんな朝からやるんですか?」
「はい。これをやらないと巫女としての一日が始まらないらしいので」
「ちょっと理解しかねます」
というか朝早く起きる必要があるなら、昨日の時点で教えてほしかった。そしたら少しは早く起きなければならないという考えが生まれたかもしれない(まあ、多分それも生まれなかっただろうけど)。
五分後
俺が連れてこられたのは何と開けた先が湖の中へと繋がっている扉。
「セリーナさん、もしかしてと思いますけど……」
「はい。巫女様はこれからこちらに着替えていただき、湖の中に潜っていただきます」
そう言って渡されたのは、ただの巫女服。
「あの、これってただの巫女服ではないでしょうか」
「見た目は何の変哲もない巫女服ですが、実はこれを着ると水中でも呼吸ができるようになるんです」
「そんな嘘みたいな話、信じられないですよ。つまりそれって死ねってことですよね?」
「そんなに疑うなら試してみましょう。ちなみに命の保証はしますから」
「でも……」
(そうは言われても、流石に怖いものは怖いよな)
そんな嘘パッチ信じるほうがおかしい。でもよく考えてみると、こいつらは俺を巫女として慕っているのだから、そんな安易な考えで殺すはずがない。それにここは異世界だ。そういう技術があってもおかしい話ではない。
(それに一度死んでいる身だし、何が起きてもきっと大丈夫だ)
「にわかには信じ難いですが、とりあえず着てみます。それでその後この湖の中で何をやるんですか?」
「それは中に入ってから説明します。では着替えてきてください」
セリーナにその巫女服を渡され、近くにあった部屋に入る。
(そういえばこれ脱ぐの初めてだな)
昨日は何だかんだこの服のまま一日を終えたわけで、一度も裸になっていない。だから自分の裸の姿を見るのも今日が初めてだ。
(あ、というかこれどうやって着ればいいんだ?)
適当に巫女服を全て脱ぎ終えたあとでふと気がつく。生前コスプレやアニメとかそういうのに全くもって興味がなかった俺は、巫女服とは疎遠だった。というか大半の男はこんなものを着る機会なんてあるはずがない。だから部屋に入る前に言わなければならなかったのだ。着つけ方を教えてくれって。渡されたのは一般的な巫女服なので、どれがどの部分にあたるかは分かるが、流石にこれの着付け方なんて分からない。
(仕方がない、聞きに行くか)
全裸のまま歩き、扉をほんの少しだけ開けてそこから声を出す。
「セリーナさん、そこにいますか?」
だが返事が返ってこない。どうやら俺が着替えている間に、一旦その場を離れてしまっているらしい。
(困ったなこれ……)
扉を閉めてため息をつく。このままだと俺は彼女が帰ってくるまでの間、全裸で過ごす羽目になる。それは別に構わないのだが、この部屋が何かに使われていて、も誰かが来て全裸の状態の俺を見られたら……。
(同性だとしても間違いなく変態に思われるよな)
本来着替えで使うべきではない場所に、全裸の女性が一人。確実に変態だと思われる。
(まあ、こんな朝から使う人なんて早々……)
ガラガラ
「さて、今日も仕事しご……」
こんな朝早くにこの部屋を使う人いました。
「と?」
「あ、えっと、ど、どうも」
「それではおやすみなさい、巫女様」
「おやすみなさい」
気がつけば日付が変わる時間。俺の睡眠も限界が来ていたので、目を閉じればすぐに眠れると思っていたが、やはりそこは当然というべきか布団に入ってから一時間は経つのに、全くもって眠れない。
(こんな体で寝れるわけないよな……)
初めて女性の体で眠る夜。心地としては大して変わり無いのだが、色々考えてしまって眠ろうにも寝れない。
(というか本当に俺は、この先もこの体で生活しなければいけないのかな……)
横になっていても拉致があかないので、一度起き上がりガラスの外の海を眺める。そこに広がっていたのは最初に見た空間とは違い、夜の海はまた違った幻想的な空間が広がっていた。
(夜の海って、こんなにすごかったんだな……)
この部屋があまり海深くの場所にないのもあるのか、海を照らす月の光が更に幻想的な空間を生み出している、俺はその光景に思わず見とれてしまっていた。
(綺麗だな……)
これから俺はこの景色を何度見ることになるのだろうか? 願わくば女の体としてではなく、男として見てみたいものだけれど……。
(もうそれは無理なんだよな)
どう願ったってそれは叶わない。
「はぁ……」
ため息をつくが、これも当然女の声だし、俺はこれからどう生きていけばいいのだろうか?
(セリーナはああ言っていたけど、俺は今の現実を受けいることすらできないから、姫巫女なんて無理なんだよ……)
俺は結局この夜は、一度も眠りにつくことができず、気がつけば朝を迎えてしまっていた。
■□■□■□
憂鬱な気分が抜けないまま朝を迎えた俺は、朝早くに向かいに来たセリーナに連れられてどこかへ向かっていた。
「えっと、セリーナさん。こんな朝早くからどちらへ向かうのですか?」
「どこへ向かうもなにも、巫女様の朝の仕事ですよ」
「こんな朝からやるんですか?」
「はい。これをやらないと巫女としての一日が始まらないらしいので」
「ちょっと理解しかねます」
というか朝早く起きる必要があるなら、昨日の時点で教えてほしかった。そしたら少しは早く起きなければならないという考えが生まれたかもしれない(まあ、多分それも生まれなかっただろうけど)。
五分後
俺が連れてこられたのは何と開けた先が湖の中へと繋がっている扉。
「セリーナさん、もしかしてと思いますけど……」
「はい。巫女様はこれからこちらに着替えていただき、湖の中に潜っていただきます」
そう言って渡されたのは、ただの巫女服。
「あの、これってただの巫女服ではないでしょうか」
「見た目は何の変哲もない巫女服ですが、実はこれを着ると水中でも呼吸ができるようになるんです」
「そんな嘘みたいな話、信じられないですよ。つまりそれって死ねってことですよね?」
「そんなに疑うなら試してみましょう。ちなみに命の保証はしますから」
「でも……」
(そうは言われても、流石に怖いものは怖いよな)
そんな嘘パッチ信じるほうがおかしい。でもよく考えてみると、こいつらは俺を巫女として慕っているのだから、そんな安易な考えで殺すはずがない。それにここは異世界だ。そういう技術があってもおかしい話ではない。
(それに一度死んでいる身だし、何が起きてもきっと大丈夫だ)
「にわかには信じ難いですが、とりあえず着てみます。それでその後この湖の中で何をやるんですか?」
「それは中に入ってから説明します。では着替えてきてください」
セリーナにその巫女服を渡され、近くにあった部屋に入る。
(そういえばこれ脱ぐの初めてだな)
昨日は何だかんだこの服のまま一日を終えたわけで、一度も裸になっていない。だから自分の裸の姿を見るのも今日が初めてだ。
(あ、というかこれどうやって着ればいいんだ?)
適当に巫女服を全て脱ぎ終えたあとでふと気がつく。生前コスプレやアニメとかそういうのに全くもって興味がなかった俺は、巫女服とは疎遠だった。というか大半の男はこんなものを着る機会なんてあるはずがない。だから部屋に入る前に言わなければならなかったのだ。着つけ方を教えてくれって。渡されたのは一般的な巫女服なので、どれがどの部分にあたるかは分かるが、流石にこれの着付け方なんて分からない。
(仕方がない、聞きに行くか)
全裸のまま歩き、扉をほんの少しだけ開けてそこから声を出す。
「セリーナさん、そこにいますか?」
だが返事が返ってこない。どうやら俺が着替えている間に、一旦その場を離れてしまっているらしい。
(困ったなこれ……)
扉を閉めてため息をつく。このままだと俺は彼女が帰ってくるまでの間、全裸で過ごす羽目になる。それは別に構わないのだが、この部屋が何かに使われていて、も誰かが来て全裸の状態の俺を見られたら……。
(同性だとしても間違いなく変態に思われるよな)
本来着替えで使うべきではない場所に、全裸の女性が一人。確実に変態だと思われる。
(まあ、こんな朝から使う人なんて早々……)
ガラガラ
「さて、今日も仕事しご……」
こんな朝早くにこの部屋を使う人いました。
「と?」
「あ、えっと、ど、どうも」
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