異世界で始める人生改革 ~貴族編〜(公爵編→貴族編
第51話 プリムと再会
そしてそれからしばらく馬車に揺られ、次の街バーナーに着く。
そこでアドレと別れる。
最後に
「私はハミリア商会という商会に所属しております!もし何かご入用でしたら是非ともお声がけください!」
と言われた。
正直に言うとオリオン家は公爵家なので当然御用達があり、他の商会に今後頼る可能性があるかと言われればちょっと難しいところだ。
まあ覚えておいて損はないだろう、と心のメモ帳に書いておく。
昨日と同じ様に領主の館に一泊し、次の日にまた街を出る。
今度は従姉妹を紹介された。
だから友人を紹介してほしい。
有り体に言えば男の子を紹介してほしい。
昨日と同じ様に切実な想いを心の中で語りながらハーバー領に行く。
そして昨日と違い、今日は特に何もなくハーバー領に着く。
すると急に馬車が止まる。
(今度はなんじゃい!?)
と心の中で馬鹿な事を言っているとバタン!と急にドアが開かれる。
「うお!?なんじゃい?」
ひょっこりと顔を出したのはプリムだった。
そしてバッと抱きつかれる。
「レイン様!お待ちしておりました!!」
「うお!?プ、プリムさん、お久しぶりです」
(心臓がドキドキする!ま、まさかこれが恋?!)
ただビックリしただけである。
「こ、こ、ここんにちは。
ほ、本日はお招き頂いてありがとうございます」
(今俺なんて言った?いや大丈夫!大丈夫?大丈夫だよな?)
直前に言った事さえ忘れてしまうレインだった。
「会いたかったです!」
ともう一度ギュッとされる。
「ぼぼぼ、僕も!僕もです!!」
とメーターが振り切れそうになる。
そして前を向くとローゼさんが真顔でガン見していた。
「……」
今の俺の気持ちが誰かわかるだろうか?
奇声をあげて逃げ出したい。
「顔、赤い」
と無表情に言った。
「……」
少し落ち着いた。
プリムの背中をトントンと叩いて
「プリムさん、少し離れて下さい」
と言う。
するとプリムもちょっと顔を赤くしながら離れ、恥ずかしそうに笑う。
端的に言うと無茶苦茶可愛かった。
やっとついて安心したのだろう。
次の瞬間目を回してレインは倒れてしまった。
暫くして眼が覚める。
見知らぬ天井が見える。木造りの殆ど装飾のされていない天井だ。
「…ここは?」
「お気づきになりましたか、レイン様」
横を見るとそこにはリサがいた。
「リサさん!お久しぶりです」
「こちらこそお久しぶりでございます」
地元に帰っていたリサとハーバー領で待ち合わせをしていたのだ。
「僕は何故ここに?」
「プリム様の笑顔を見た瞬間目を回して倒れたとお聞きしております。
恐らく長旅の疲れが出たのでしょう。
お休みになられたので恐らくもう大丈夫かと思います」
(あ〜……あれは可愛かった……)
前世でも可愛い子はかなりいたが宏人に向かって微笑んでくれる女の子は当然皆無だったわけで身体がというか精神がビックリしたのだろう。
「プリムさんは?」
「もうすぐおいでになりますよ」
するとすぐにバタン!とドアが開く。
そこには心配そうなプリムがいた。
「レイン様!!」
と言って俺の下までやって来て抱きついてくる。
ウウッと泣き声が聞こえる。
「す、すいません、もう大丈夫です!ご心配をお掛けしました」
それから暫くプリムの背中を撫でていた。
それから暫くしてプリムの両親が来て体の調子を聞かれたりだとかで1日目が終わり、俺も疲れていた為早々に寝る。
筈だった。
(だがしかしここで問題が発生!!)
何とプリムが俺のベットの布団の中に入ってきた。
(こ、これは……S・O・I・N・Eって奴か?俺が?てか俺って誰だ?
俺は宏人?いやレイン?レインだよな?うんレインだな)
と、レインは意味の分からない思考回路にハマってしまった。
横にはプリムがいてこっちをずっと見ている。
ただ見つめている。
「ああああの、どうしました」
すると笑顔になって、
「何でもない!」
と言う。
(さて問題です。俺は一体どうすれば良いのでしょうか?
A.どうしようもない)
どうしようもないのはレインの頭である。
考えに考えた末、前世でこれ位の女の子が好きそうな話を思い出す。
「あ、あ〜と、で、では、シン◯レラと言うお話をお聞かせしますね」
と何とか答えを絞り出す。
「うん」
そして俺はつっかえつっかえシン◯レラの話を聞かせるのだった。
~大人たちの会話~
「オリオン夫人、本日はよくぞおいでくださいました。
長旅でお疲れでしょう。
このような時期にもかかわらずありがとうございます」
「……別にいい」
それと、呟いて、
「ローゼでいい」
と言った。
「畏まりました。ローゼ夫人。
それともしお嫌でなければ少し今回の戦争についての情勢についてお聞きしたいと思っておるのですが、今お時間大丈夫ですか?
お疲れでしたら明日でも構いませんが」
ハーバー家も一応今回の戦争の概要は知っているのだが、どこの派閥にも所属していないハーバー家が手にしている情報など高が知れている。
折角の機会なので公爵家が手に入れている情報の一部でもほしいのだ。
「別にかまわない」
という言葉を聞き胸を撫で下ろす。
「ありがとうございます」
とお礼を言って早速話を始める。
「では今回バドラギアがリュミオンに攻め込みましたがやはり裏には帝国が?」
「ほぼ間違いない」
と、固定の意を示す。
「やはりそうでしたか……。帝国は10年程前に飢饉に見舞われましたがやはり最終目標は北の森エルフでしょうか?」
森エルフの国には豊かな土地と災害などに強い森エルフの国固有の木や作物が数多くある。
「ロンドは間違いないと言っている。土地を繋げるのが狙いだろうって」
「やはりそうですか……。
では次に今回我が国から援軍を送るそうですが、大丈夫なのでしょうか?」
「?」
内容が端折りすぎてて理解できずローゼは首をかしげる。
「失礼。まずは今回は何万人ぐらい徴兵されるのでしょうか?」
「わからない。だけどたぶん前回よりも多い」
「前回が確か4万でしたな……。
それと最も重要なのが今回の戦争で将軍として軍を率いるのが誰なのか、ということです」
するとローゼは顔を少し険しくしてハーバー士爵を睨みながら、
「ロンドが行くことはありえない」
と珍しく怒ったように言った。
予想外のローゼの変化に驚き焦りながら、
「わ、わかっております!それは分かっておりますとも!
ただ、私が心配しているのは他の将軍で今回の大事をこなせるのだろうか?という事です。
どなたが将軍を務めるのか聞いておりませんか?」
と言い繕った。
ハーバー士爵の本心はロンドが将軍であってほしいと思っている。
だが、オリオン公爵は今まともに跡を継げる後継者がいないため今回は間違いなく参戦しないだろうと言われている。
「そう……。はやとちりした。申し訳ありません」
ローゼはペコリと頭を下げる。
「いえこちらこそ誤解させるような言い方をして申し訳ない」
といってハーバーも頭を下げる。
「構わない。
たぶん将軍はルドガー様かピノルド様のどちらか」
「おお、そうでしたか。私もお名前は存じ上げているのですが……、実際はどうなのでしょうか?」
と決定的な発言はせず少しぼかしていう。
自国の将軍の悪口はあまりいうものではないからだ。
これだけで伝わるか?とハーバーは思ったがちゃんと伝わったようでローゼはコクリと頷き、
「ルドガー様は現役で前線にいる。
ピノルド様は、策略家。二人ともロンドには劣るけど強い」
と、間にロンドプッシュをいれながらいた。
「おお!そうでしたか!それは心強いですな。
戦況が厳しくなれば援軍もありえますからな。
貴族の端くれとして戦争に行くことは構わないのですが、まだ幼いプリムを置いていきたくはありませんのでな。
お二方には是非とも頑張っていただきたいものです」
「同感」
とローゼも同意したところで話は終わる。
「本日はお疲れのところ非常に有意義なお話をお聞かせくださり誠に感謝につきません。部屋までお送りいたしましょう」
「一人で構わない」
そういってローゼは立ち上がり部屋を出ようとドアノブに手をかけようとして立ち止まる。
ドアが少し開いていることに気が付いた。
「??」
「どうされました?」
「なんでもない」
そういって部屋を出る。
そこでアドレと別れる。
最後に
「私はハミリア商会という商会に所属しております!もし何かご入用でしたら是非ともお声がけください!」
と言われた。
正直に言うとオリオン家は公爵家なので当然御用達があり、他の商会に今後頼る可能性があるかと言われればちょっと難しいところだ。
まあ覚えておいて損はないだろう、と心のメモ帳に書いておく。
昨日と同じ様に領主の館に一泊し、次の日にまた街を出る。
今度は従姉妹を紹介された。
だから友人を紹介してほしい。
有り体に言えば男の子を紹介してほしい。
昨日と同じ様に切実な想いを心の中で語りながらハーバー領に行く。
そして昨日と違い、今日は特に何もなくハーバー領に着く。
すると急に馬車が止まる。
(今度はなんじゃい!?)
と心の中で馬鹿な事を言っているとバタン!と急にドアが開かれる。
「うお!?なんじゃい?」
ひょっこりと顔を出したのはプリムだった。
そしてバッと抱きつかれる。
「レイン様!お待ちしておりました!!」
「うお!?プ、プリムさん、お久しぶりです」
(心臓がドキドキする!ま、まさかこれが恋?!)
ただビックリしただけである。
「こ、こ、ここんにちは。
ほ、本日はお招き頂いてありがとうございます」
(今俺なんて言った?いや大丈夫!大丈夫?大丈夫だよな?)
直前に言った事さえ忘れてしまうレインだった。
「会いたかったです!」
ともう一度ギュッとされる。
「ぼぼぼ、僕も!僕もです!!」
とメーターが振り切れそうになる。
そして前を向くとローゼさんが真顔でガン見していた。
「……」
今の俺の気持ちが誰かわかるだろうか?
奇声をあげて逃げ出したい。
「顔、赤い」
と無表情に言った。
「……」
少し落ち着いた。
プリムの背中をトントンと叩いて
「プリムさん、少し離れて下さい」
と言う。
するとプリムもちょっと顔を赤くしながら離れ、恥ずかしそうに笑う。
端的に言うと無茶苦茶可愛かった。
やっとついて安心したのだろう。
次の瞬間目を回してレインは倒れてしまった。
暫くして眼が覚める。
見知らぬ天井が見える。木造りの殆ど装飾のされていない天井だ。
「…ここは?」
「お気づきになりましたか、レイン様」
横を見るとそこにはリサがいた。
「リサさん!お久しぶりです」
「こちらこそお久しぶりでございます」
地元に帰っていたリサとハーバー領で待ち合わせをしていたのだ。
「僕は何故ここに?」
「プリム様の笑顔を見た瞬間目を回して倒れたとお聞きしております。
恐らく長旅の疲れが出たのでしょう。
お休みになられたので恐らくもう大丈夫かと思います」
(あ〜……あれは可愛かった……)
前世でも可愛い子はかなりいたが宏人に向かって微笑んでくれる女の子は当然皆無だったわけで身体がというか精神がビックリしたのだろう。
「プリムさんは?」
「もうすぐおいでになりますよ」
するとすぐにバタン!とドアが開く。
そこには心配そうなプリムがいた。
「レイン様!!」
と言って俺の下までやって来て抱きついてくる。
ウウッと泣き声が聞こえる。
「す、すいません、もう大丈夫です!ご心配をお掛けしました」
それから暫くプリムの背中を撫でていた。
それから暫くしてプリムの両親が来て体の調子を聞かれたりだとかで1日目が終わり、俺も疲れていた為早々に寝る。
筈だった。
(だがしかしここで問題が発生!!)
何とプリムが俺のベットの布団の中に入ってきた。
(こ、これは……S・O・I・N・Eって奴か?俺が?てか俺って誰だ?
俺は宏人?いやレイン?レインだよな?うんレインだな)
と、レインは意味の分からない思考回路にハマってしまった。
横にはプリムがいてこっちをずっと見ている。
ただ見つめている。
「ああああの、どうしました」
すると笑顔になって、
「何でもない!」
と言う。
(さて問題です。俺は一体どうすれば良いのでしょうか?
A.どうしようもない)
どうしようもないのはレインの頭である。
考えに考えた末、前世でこれ位の女の子が好きそうな話を思い出す。
「あ、あ〜と、で、では、シン◯レラと言うお話をお聞かせしますね」
と何とか答えを絞り出す。
「うん」
そして俺はつっかえつっかえシン◯レラの話を聞かせるのだった。
~大人たちの会話~
「オリオン夫人、本日はよくぞおいでくださいました。
長旅でお疲れでしょう。
このような時期にもかかわらずありがとうございます」
「……別にいい」
それと、呟いて、
「ローゼでいい」
と言った。
「畏まりました。ローゼ夫人。
それともしお嫌でなければ少し今回の戦争についての情勢についてお聞きしたいと思っておるのですが、今お時間大丈夫ですか?
お疲れでしたら明日でも構いませんが」
ハーバー家も一応今回の戦争の概要は知っているのだが、どこの派閥にも所属していないハーバー家が手にしている情報など高が知れている。
折角の機会なので公爵家が手に入れている情報の一部でもほしいのだ。
「別にかまわない」
という言葉を聞き胸を撫で下ろす。
「ありがとうございます」
とお礼を言って早速話を始める。
「では今回バドラギアがリュミオンに攻め込みましたがやはり裏には帝国が?」
「ほぼ間違いない」
と、固定の意を示す。
「やはりそうでしたか……。帝国は10年程前に飢饉に見舞われましたがやはり最終目標は北の森エルフでしょうか?」
森エルフの国には豊かな土地と災害などに強い森エルフの国固有の木や作物が数多くある。
「ロンドは間違いないと言っている。土地を繋げるのが狙いだろうって」
「やはりそうですか……。
では次に今回我が国から援軍を送るそうですが、大丈夫なのでしょうか?」
「?」
内容が端折りすぎてて理解できずローゼは首をかしげる。
「失礼。まずは今回は何万人ぐらい徴兵されるのでしょうか?」
「わからない。だけどたぶん前回よりも多い」
「前回が確か4万でしたな……。
それと最も重要なのが今回の戦争で将軍として軍を率いるのが誰なのか、ということです」
するとローゼは顔を少し険しくしてハーバー士爵を睨みながら、
「ロンドが行くことはありえない」
と珍しく怒ったように言った。
予想外のローゼの変化に驚き焦りながら、
「わ、わかっております!それは分かっておりますとも!
ただ、私が心配しているのは他の将軍で今回の大事をこなせるのだろうか?という事です。
どなたが将軍を務めるのか聞いておりませんか?」
と言い繕った。
ハーバー士爵の本心はロンドが将軍であってほしいと思っている。
だが、オリオン公爵は今まともに跡を継げる後継者がいないため今回は間違いなく参戦しないだろうと言われている。
「そう……。はやとちりした。申し訳ありません」
ローゼはペコリと頭を下げる。
「いえこちらこそ誤解させるような言い方をして申し訳ない」
といってハーバーも頭を下げる。
「構わない。
たぶん将軍はルドガー様かピノルド様のどちらか」
「おお、そうでしたか。私もお名前は存じ上げているのですが……、実際はどうなのでしょうか?」
と決定的な発言はせず少しぼかしていう。
自国の将軍の悪口はあまりいうものではないからだ。
これだけで伝わるか?とハーバーは思ったがちゃんと伝わったようでローゼはコクリと頷き、
「ルドガー様は現役で前線にいる。
ピノルド様は、策略家。二人ともロンドには劣るけど強い」
と、間にロンドプッシュをいれながらいた。
「おお!そうでしたか!それは心強いですな。
戦況が厳しくなれば援軍もありえますからな。
貴族の端くれとして戦争に行くことは構わないのですが、まだ幼いプリムを置いていきたくはありませんのでな。
お二方には是非とも頑張っていただきたいものです」
「同感」
とローゼも同意したところで話は終わる。
「本日はお疲れのところ非常に有意義なお話をお聞かせくださり誠に感謝につきません。部屋までお送りいたしましょう」
「一人で構わない」
そういってローゼは立ち上がり部屋を出ようとドアノブに手をかけようとして立ち止まる。
ドアが少し開いていることに気が付いた。
「??」
「どうされました?」
「なんでもない」
そういって部屋を出る。
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