異世界で始める人生改革 ~貴族編〜(公爵編→貴族編
第87話 眠れない
戦後処理も終わり、俺達は進軍を開始した。
俺も馬に乗りながらお父様の横に寄り添う。
「リドル様、先程はお見事でした」
特に何か考えているわけでもなく、揺られるがままに身を任せていたらリサさんが話しかけてきた。
「ありがとうございます」
特に言うこともないので取り敢えずと言った感じで返事をする。
一度戦をやるとなんかもう終わった感というかやりきった感がある。
なんかもうよくね?みたいな気持ちが出てくるのは俺だけ、だろうな。
いや、全然良くないのはもちろん分かっているのだが、結構一戦一戦精神力を使う。
大した事やってないのに無駄にやきもきしていた。神眼も300位しか見えないから的に突っ込まれでもしない限り殆ど敵が見えない。
俺が活躍する場面ってそう考えると結構限られてるよな。
少なくとも戦真っ只中では全然距離が足りないことに気付いた。
しかも上から戦場を見渡せるわけでもない。
砂埃とかで視界が遮られることはないが代わりに見える範囲が一定だ。
まあそれは置いておいて、俺の睡眠問題なのだが、敵地で熟睡出来るほど図太くない。
結果、中途半端な睡眠しか取れず眠いのに眠れないという結構メンタルに優しくない時間を送っている。
「それにしても、この物々しい空気は未だ慣れませんね。
リサさんは大丈夫ですか?」
心の内を素直にそう吐露する。
「そうでしたか。もうお話ししたかと思いますが私は冒険者をやっておりましたから。
ダンジョンで徹夜などはよくありましたしそれ程キツイというわけではありません。
リドル様、キツイようでしたら馬車にお乗りになりますか?」
あーそういえばリサさん元冒険者かー。ダンジョンで徹夜か……。
それ、眠りが浅いのが当たり前になるのは嫌だな。
俺は前世の夜勤で定期的に徹夜するのは当たり前だった。
今はもう治ったが、何もない日でも夜二時くらいになると勝手に眼が覚めるということが多々あった。
それと同じ現象が起こるのは勘弁してほしい。偶にそのまま寝れない日があるからね。
それと気になった事を聞く。
「ダンジョンの中はやはり油断は禁物ですか?」
一日くらいならなんとかなるけど二日や三日とか俺には無理だぞ?
経験から言わせてもらうが、二日徹夜すると目が回って倒れそうにならない?
俺、三徹はしたこと無いな。
身体が二徹でこれ以上はやめろって悲鳴をあげてるのが分かる。
「いえ、場所によるかと思います。
地下型のダンジョンですと魔物が入ってこないセーフティゾーンがあるダンジョンとないダンジョンがありますから。
後は迷いの森などもそうですが地表に浮き出ているダンジョンは基本的にセーフティゾーンはありませんが、人がダンジョン内に拠点を作ったりする事があります。
ない場所では……眠れるかどうかは人それぞれかと」
マジかよ。最後、俺寝れない自信あるわー。
「そうなのですか……。
教えてくれてありがとうございます」
そう言って感謝を告げるとリサさんはこちらを見て、
「いえ。レイン様には一生必要のない知識ですから」
と釘を刺してきた。
それはあれか。
念押ししてるのか。それとも皮肉か。
「そうかもしれませんね。
でも必要のない知識など存在しませんから」
そう返してやったら、リサさんが頷きながら、
「確かにそうですね」
と同意してくれた。
俺も頷きながらそうだそうだと言っていたら最後に、「知識だけで終わってくださるなら」
と更に釘を刺してきた。
「……」
聞かなかった事にしよう。
それから日が経ち、リュミオンの王城へ真っ直ぐ早足で移動していた時、偵察部隊からの報告が入る。
「総帥!ご報告がございます!」
「お前はリュミオンの王城近くへ行かせた者だな?
何かあったんだな?どうした?」
顔を見ただけで何処に行かせたかパッと出るなんてやるな。
もしかしたら重要な場所に行かせた人だけかもしれんが。
「ハッ!リュミオン王城より北の城はほぼ全滅、バドラギア王国とガルレアン帝国の連合軍が遂に王城に攻撃を仕掛けました!」
え?マジか!ヤベーじゃん!
いや先越されるのは仕方ないんだけど。寧ろ今か、って感じだ。
だが、お父様はまるで予想していたかのように落ち着いた様子だ。
「そうか。帝国の準英雄級の目的はそれだったからな。
奴が帝国に帰ったという事はそういう事だろう」
ん?何で?
この後に聞いて知ったのだが、並の城ならば準英雄級の攻撃には耐えられないが王城ともなるとレベル8の魔法でも城門は破れないらしい。
つまり、並の城を落としまくり、王城への道を作る兼リュミオン王国を早々に諦めさせる為の準英雄級という事か。
「ここから王城までは急げばおよそ二日で行ける距離だ。まさか二日で城が落ちるという事はあるまい。
ご苦労だったな。
引き続きよろしく頼むぞ」
「ハッ!ありがたきお言葉!」
と、俺達ポルネシア軍は進軍を開始する。
そして……。
「おい……まさか……」
それから二日後の王城が見える丘の上。
そこで俺達が見た物は。
俺も馬に乗りながらお父様の横に寄り添う。
「リドル様、先程はお見事でした」
特に何か考えているわけでもなく、揺られるがままに身を任せていたらリサさんが話しかけてきた。
「ありがとうございます」
特に言うこともないので取り敢えずと言った感じで返事をする。
一度戦をやるとなんかもう終わった感というかやりきった感がある。
なんかもうよくね?みたいな気持ちが出てくるのは俺だけ、だろうな。
いや、全然良くないのはもちろん分かっているのだが、結構一戦一戦精神力を使う。
大した事やってないのに無駄にやきもきしていた。神眼も300位しか見えないから的に突っ込まれでもしない限り殆ど敵が見えない。
俺が活躍する場面ってそう考えると結構限られてるよな。
少なくとも戦真っ只中では全然距離が足りないことに気付いた。
しかも上から戦場を見渡せるわけでもない。
砂埃とかで視界が遮られることはないが代わりに見える範囲が一定だ。
まあそれは置いておいて、俺の睡眠問題なのだが、敵地で熟睡出来るほど図太くない。
結果、中途半端な睡眠しか取れず眠いのに眠れないという結構メンタルに優しくない時間を送っている。
「それにしても、この物々しい空気は未だ慣れませんね。
リサさんは大丈夫ですか?」
心の内を素直にそう吐露する。
「そうでしたか。もうお話ししたかと思いますが私は冒険者をやっておりましたから。
ダンジョンで徹夜などはよくありましたしそれ程キツイというわけではありません。
リドル様、キツイようでしたら馬車にお乗りになりますか?」
あーそういえばリサさん元冒険者かー。ダンジョンで徹夜か……。
それ、眠りが浅いのが当たり前になるのは嫌だな。
俺は前世の夜勤で定期的に徹夜するのは当たり前だった。
今はもう治ったが、何もない日でも夜二時くらいになると勝手に眼が覚めるということが多々あった。
それと同じ現象が起こるのは勘弁してほしい。偶にそのまま寝れない日があるからね。
それと気になった事を聞く。
「ダンジョンの中はやはり油断は禁物ですか?」
一日くらいならなんとかなるけど二日や三日とか俺には無理だぞ?
経験から言わせてもらうが、二日徹夜すると目が回って倒れそうにならない?
俺、三徹はしたこと無いな。
身体が二徹でこれ以上はやめろって悲鳴をあげてるのが分かる。
「いえ、場所によるかと思います。
地下型のダンジョンですと魔物が入ってこないセーフティゾーンがあるダンジョンとないダンジョンがありますから。
後は迷いの森などもそうですが地表に浮き出ているダンジョンは基本的にセーフティゾーンはありませんが、人がダンジョン内に拠点を作ったりする事があります。
ない場所では……眠れるかどうかは人それぞれかと」
マジかよ。最後、俺寝れない自信あるわー。
「そうなのですか……。
教えてくれてありがとうございます」
そう言って感謝を告げるとリサさんはこちらを見て、
「いえ。レイン様には一生必要のない知識ですから」
と釘を刺してきた。
それはあれか。
念押ししてるのか。それとも皮肉か。
「そうかもしれませんね。
でも必要のない知識など存在しませんから」
そう返してやったら、リサさんが頷きながら、
「確かにそうですね」
と同意してくれた。
俺も頷きながらそうだそうだと言っていたら最後に、「知識だけで終わってくださるなら」
と更に釘を刺してきた。
「……」
聞かなかった事にしよう。
それから日が経ち、リュミオンの王城へ真っ直ぐ早足で移動していた時、偵察部隊からの報告が入る。
「総帥!ご報告がございます!」
「お前はリュミオンの王城近くへ行かせた者だな?
何かあったんだな?どうした?」
顔を見ただけで何処に行かせたかパッと出るなんてやるな。
もしかしたら重要な場所に行かせた人だけかもしれんが。
「ハッ!リュミオン王城より北の城はほぼ全滅、バドラギア王国とガルレアン帝国の連合軍が遂に王城に攻撃を仕掛けました!」
え?マジか!ヤベーじゃん!
いや先越されるのは仕方ないんだけど。寧ろ今か、って感じだ。
だが、お父様はまるで予想していたかのように落ち着いた様子だ。
「そうか。帝国の準英雄級の目的はそれだったからな。
奴が帝国に帰ったという事はそういう事だろう」
ん?何で?
この後に聞いて知ったのだが、並の城ならば準英雄級の攻撃には耐えられないが王城ともなるとレベル8の魔法でも城門は破れないらしい。
つまり、並の城を落としまくり、王城への道を作る兼リュミオン王国を早々に諦めさせる為の準英雄級という事か。
「ここから王城までは急げばおよそ二日で行ける距離だ。まさか二日で城が落ちるという事はあるまい。
ご苦労だったな。
引き続きよろしく頼むぞ」
「ハッ!ありがたきお言葉!」
と、俺達ポルネシア軍は進軍を開始する。
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