超迷宮奇譚伝 『このアイテムは装備できません!』 

チョーカー

12使徒と対戦表?

 双子のアンドリューとインザンギ。
 彼らが幻想の中で見せた12使徒は、現物を参考にモデリングされていたみたいだ。
 実際の12使徒と幻想の12使徒では細部の誤差はあれど、顔も体も、同じように見えた。
 もっとも、僕が知る12使徒は、『牡牛』『牡羊』『魚』『双子』の4人―———いや5人か。
 双子は二人一組だから12使徒と言いながら13人いるわけだ。
 とにかく、残り8人は知らない顔。
 『蟹』『獅子』『乙女』『天秤』『蠍』『射手』『山羊』『水瓶』

 『蟹』は極東の侍らしい恰好。
 30代。 和服。 ちょんまげ。そして、日本刀だ。
 蟹を意識しての戦術だろうか?日本刀をジャグリングのように上に投げながら攻撃を繰り出す四刀流

 『獅子』は金髪のライオンヘア。
 格好は、牡牛と同レベルの露出。上半身裸で腰には白い布を巻いている。
 タックルを狙っているのか? 腰をどっしりと落として微動だにしない。
 その構えから古流格闘技の使い手らしい。

 『乙女』は乙女と言う部分から女性を連想させるが―———
 残念ながら性別不明だ。
 長い黒髪が全身を覆い隠している。
 黒い物体から二本の手が生えているみたいに見える。

 『天秤』はシックな黒スーツに身を固めている。
 だが、服装と本人の性格は反比例しているらしい。
 赤く染め上げた頭髪。 性格は熱血漢らしい。
 「ジャスティス!」とか
 「俺の正義がお前の悪を砕く!」とか
 大声で叫んでいる。

 『蠍』は槍使いらしい。
 口元を黒いマスクで隠しているが、幼さは隠しきれていない。
 おそらく10代前半。体も小柄。 無口で何も喋らない。
 体に見合わない長い槍を前後に動かし、相手を牽制している。

 『射手』は、その名前通りの弓使い。
 両手には弓。背中には矢筒。しかし、矢筒には矢が4本しか入っていない。
 明らかに少ない。4本で勝てる何かがあるのだろうか?
 短く刈り上げられた髪は銀髪。しかし、老人ではない。
 染めているのか? それとも色素が抜け落ちる程の地獄を見たのだろうか?

 『山羊』は、普通だった。
 普通の大剣使い。普通の鎧。普通の戦士姿。
 他が逸脱し過ぎて、逆に浮いてる気がする。
 もはや、説明する所がない。

 『水瓶』は女性だった。
 『乙女』とは違い。ハッキリとわかる。
 およそ戦うには不釣り合いな軽装だが・・・・・・
 巨大な瓶を背負っている。・・・・・・武器なのだろうか? 

 早々に脱落した『牡牛』と『双子』を除き、『牡羊』と『魚』を加えた10人だ。
 それぞれ、相対しているのは―———

 『牡羊』にはクリムが
 『蟹』にはサヲリさんが
 『獅子』にはサンボル先生が
 『乙女』にはミドリさんが
 『天秤』にはケンシが
 『蠍』にはカイムが
 『射手』にはキク先生が
 『山羊』にはオントが
 『水瓶』にはドラゴンが

 それぞれ相対している。

 12使徒で余っているのは『魚』
 どうやら、僕の二戦目の相手になるみたいだ。

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