超迷宮奇譚伝 『このアイテムは装備できません!』
エピローグ その3
僕に笑顔を向けてくる女性。 誰なのか? やっぱり……僕には心当たりがない。
ただ、彼女が少女の保護者であるという事は一目瞭然だった。
少女がそのまま成長したかのような容姿。
白髪に褐色の肌……
おそらく、踊り子なのだろう。水着のように露出が高い服を着ている。
たぶん、年齢は僕等より少し上くらいだろうか?
だから意外だった。 彼女に対して少女が――――
「ママっ!ママっ!」と必死に手を振って迎えているのが―――――
「いやぁ、こんな人ごみで娘が迷子になるとか、焦りまくりですよ。見つけてくれたのがサクラさんだったからこそよかったけど、気を付けないと!メッ!ですよ!」
そんな感じで、僕らと話しながら、同時に娘?と叱る女性に対して、僕は「? ? ?」ちと疑問符を浮かべた。
それと同時に凍てついたような視線を感じる。
アリスはもちろんの事、オントとサヲリも視線で「どういう事だ?」と問い詰めてくる。
「えっと……失礼ですがどちら様でしたか?」
僕は、思い切って聞いてみた。すると――――
「ええええええ? 何を言ってるのですが? サクラさん?私ですよ!私!」
その驚きぷりって、僕はたじろぐ。
その隙を逃さないと彼女は、か細い腕を僕の頭に巻き付けた。
いわゆるヘッドロックというやつだ。 見た目と違って、あまり力を込めていない。
そのまま、僕を連れてオントたちから距離を取っていく。
どうやら、聞かれたくない話がしたい……みたいだ。
「やだなぁ、サクラさん。私ですよ?私!いい加減に気がついてくださいね」
彼女は、僕だけに聞こえるよう囁く。
「そう言われても、貴方が誰なのか? って心当たりが、全く……」
「私です。此間ダンジョンでお会いした」
「此間? ダンジョンで?」
「はい、一緒に最深部で戦ったじゃないですか」
!?
僕は驚きを表現すらできなかった。 僕がダンジョンの最深部に到達した事は、誰にも話していない。
なぜ、彼女が知っている? そして、一緒に戦った???
僕が最深部でドラゴンと戦ったのは1人での事だ。そこに記憶間違いや勘違いが起きる余地がない。
だとすると……
暫く無言だった僕の様子に彼女は飽きてきたのか?
自身の正体をあっさりと白状した。
「やだなぁサクラさん。私ですよ。ドラゴンです!」
僕は、心の中で絶叫していた。
なにぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?
心が落ち着くのに若干の時間が必要だった。 その時間が経過したあと――――
「……おい」
「はい?」
「どうして、ドラゴンが、こんな町中に出歩いている?それも人間のフリをして?」
「どうしてと言われましても、わりと暇なんで、週に2度くらいは外に出て娘とショッピングを楽しんでいるのですよ」
「え?」
一瞬、背筋が凍る。
魔物が、魔物の総大将と言われるボスが、週に2度くらい、ダンジョンの外にでて、人に紛れている???
誰が、そんな事を想像できるだろうか?
コイツが、コイツだけが特別なのか? それとも、もしかして――――
ダンジョンの外には、最深部の鎮座しているはずのラスボス達が、人知れず町中を散策している?
そんな恐怖に全身が貫かれた。
どのくらい、時間が経過していたのだろうか? 呆けていた僕を正気にもどしたのは――――
「お~い サクラ。 いつまで、そうしてるんだ?」
というオントの声だった。
「あっあぁ……」と僕はオント達の元へもどる。
「それで、どなただったのですか?」とアリス。
「え?あぁ……彼女か」か、ドラゴンの方を向くと、ドラゴンは僕の背後にいた。
(こいつ、僕についてくるつもりだな!)
「えぇっと彼女は――――」
なんて紹介したらいいのか? そんな思考の隙をドラゴンでついてきた。
「私の事はドラゴンと呼んでください!」
「うっ!おい!」と今度は、僕がドラゴンの頭部をヘッドロックして、オント達から距離を取った。
「痛い!痛いですよサクラさん」
そんなドラゴンの抗議を「嘘をつけ!僕程度の腕力が利くはずないだろ!」と一刀両断にした。
そして――――
「なに、普通に名乗ってるの! お前、正体がばれたらどうすんだよ!」
「ハっ!失念していました!」
「……どうするんだよ? この状況?」
「ご安心を!完璧なリカバーというものをサクラさんにお見せしましょう!」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「と言う、わけで私の名前は、ドラ子と言います。フルネームはドラ子・オブ・スピリットファイアです」
ドラ子・オブ・スピリットファイア……
ただ、彼女が少女の保護者であるという事は一目瞭然だった。
少女がそのまま成長したかのような容姿。
白髪に褐色の肌……
おそらく、踊り子なのだろう。水着のように露出が高い服を着ている。
たぶん、年齢は僕等より少し上くらいだろうか?
だから意外だった。 彼女に対して少女が――――
「ママっ!ママっ!」と必死に手を振って迎えているのが―――――
「いやぁ、こんな人ごみで娘が迷子になるとか、焦りまくりですよ。見つけてくれたのがサクラさんだったからこそよかったけど、気を付けないと!メッ!ですよ!」
そんな感じで、僕らと話しながら、同時に娘?と叱る女性に対して、僕は「? ? ?」ちと疑問符を浮かべた。
それと同時に凍てついたような視線を感じる。
アリスはもちろんの事、オントとサヲリも視線で「どういう事だ?」と問い詰めてくる。
「えっと……失礼ですがどちら様でしたか?」
僕は、思い切って聞いてみた。すると――――
「ええええええ? 何を言ってるのですが? サクラさん?私ですよ!私!」
その驚きぷりって、僕はたじろぐ。
その隙を逃さないと彼女は、か細い腕を僕の頭に巻き付けた。
いわゆるヘッドロックというやつだ。 見た目と違って、あまり力を込めていない。
そのまま、僕を連れてオントたちから距離を取っていく。
どうやら、聞かれたくない話がしたい……みたいだ。
「やだなぁ、サクラさん。私ですよ?私!いい加減に気がついてくださいね」
彼女は、僕だけに聞こえるよう囁く。
「そう言われても、貴方が誰なのか? って心当たりが、全く……」
「私です。此間ダンジョンでお会いした」
「此間? ダンジョンで?」
「はい、一緒に最深部で戦ったじゃないですか」
!?
僕は驚きを表現すらできなかった。 僕がダンジョンの最深部に到達した事は、誰にも話していない。
なぜ、彼女が知っている? そして、一緒に戦った???
僕が最深部でドラゴンと戦ったのは1人での事だ。そこに記憶間違いや勘違いが起きる余地がない。
だとすると……
暫く無言だった僕の様子に彼女は飽きてきたのか?
自身の正体をあっさりと白状した。
「やだなぁサクラさん。私ですよ。ドラゴンです!」
僕は、心の中で絶叫していた。
なにぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?
心が落ち着くのに若干の時間が必要だった。 その時間が経過したあと――――
「……おい」
「はい?」
「どうして、ドラゴンが、こんな町中に出歩いている?それも人間のフリをして?」
「どうしてと言われましても、わりと暇なんで、週に2度くらいは外に出て娘とショッピングを楽しんでいるのですよ」
「え?」
一瞬、背筋が凍る。
魔物が、魔物の総大将と言われるボスが、週に2度くらい、ダンジョンの外にでて、人に紛れている???
誰が、そんな事を想像できるだろうか?
コイツが、コイツだけが特別なのか? それとも、もしかして――――
ダンジョンの外には、最深部の鎮座しているはずのラスボス達が、人知れず町中を散策している?
そんな恐怖に全身が貫かれた。
どのくらい、時間が経過していたのだろうか? 呆けていた僕を正気にもどしたのは――――
「お~い サクラ。 いつまで、そうしてるんだ?」
というオントの声だった。
「あっあぁ……」と僕はオント達の元へもどる。
「それで、どなただったのですか?」とアリス。
「え?あぁ……彼女か」か、ドラゴンの方を向くと、ドラゴンは僕の背後にいた。
(こいつ、僕についてくるつもりだな!)
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なんて紹介したらいいのか? そんな思考の隙をドラゴンでついてきた。
「私の事はドラゴンと呼んでください!」
「うっ!おい!」と今度は、僕がドラゴンの頭部をヘッドロックして、オント達から距離を取った。
「痛い!痛いですよサクラさん」
そんなドラゴンの抗議を「嘘をつけ!僕程度の腕力が利くはずないだろ!」と一刀両断にした。
そして――――
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