異世界リベンジャー
VS荻原みどり
俺は地面と強めに踏みつける。
まるで噴水のような勢いで水柱が立ち上がる。
「ここまで緑が茂り、若葉が萌える場所ならば、地下に大量の水分があるはずだ」
俺は、地下水を操り、食虫植物の根っこに送り込んだ。
血管に入り込んだ針が体内を循環するように、水分は植物のキャパシティを超えて……
「まぁ、要するに強制的に寝腐らしを引き起こしたわけだが―――そろそろ、出てきたらどうだ?」
枯れているのは食虫植物だけではない。視界を妨げていた周囲の森林も腐り倒れていく。
つまり、彼女の身を隠していた場所が消えたということだ。
そして彼女―――荻原みどりは姿を現す。
「よく言うよ。ただの水で私の操る植物が腐る?何か手を加えただろ?」
「そりゃ、魔力を微調整して作った不純物を含ませたけどね」
彼女は愉快そうに笑う。……その不自然なほどの余裕は、俺が警戒を強める理由に足りる。
彼女の姿は、まるでアマゾネスだ。胸元は頼りなさげな布で覆われ、下半身は水着のパレオを腰に巻きつけている。
およそ、森の中で戦闘するには、相応しくない装備ではある。
もっとも、地面と自然を操る魔法が主力なら、肌を露出したところで怪我はしないのだろう。
それよりも気になる事は―――
「おや?こいつが、私の相棒が気になるのかい?」
彼女は自分の武器を自慢するかのように見せ付けてくる。実際に自慢しいるのだろうけど……
彼女の武器は木刀。いや、正確には違うのかもしれない。
長さで言えば木刀。しかし、その形状だけならば、棍棒のような鈍器に近い。
一番、近いのは野球のバットか?
その武器を右手でつかみ、左の手のひらでポンポンと軽く叩いている。
「おや?コイツが!私の、わ た しの相棒が気になるのかい!?」
余程、自慢したいのか?口調を強調しながら、さっきと同じせりふを繰り返す彼女に俺は
「いや、この展開で姿を見せた理由が気になったから考えてただけだが……」
正直に答えた。
「よし。殺そう。殺すとき、殺せねば、ぶっころ!」
次の瞬間―――
荻原みどりは目前に迫っていた。
しゃがみこんだ俺の頭上を低い風きり音が通過しいく。
ぎりぎりで彼女の鈍器を回避した。しかし―――次の攻撃は避けられなかった。
しゃがみ込んだ俺の顔面に、彼女の蹴りが入る。
体が跳ね上がり、後ろに倒れそうになるも、何とか踏みとどまる。
が、浮遊感。
いつの間にか、腰の手が回され体をロックされている。
視界は加速していく。
最初は自然の緑。それが空の青に変わり、再び緑。
そして、視界を覆ったのは土の色。
その技の名前は岩石落とし。
かつて、ルーテーズというレスラーが世界に広めた投げ技。
別名 バックドロップ
まるで噴水のような勢いで水柱が立ち上がる。
「ここまで緑が茂り、若葉が萌える場所ならば、地下に大量の水分があるはずだ」
俺は、地下水を操り、食虫植物の根っこに送り込んだ。
血管に入り込んだ針が体内を循環するように、水分は植物のキャパシティを超えて……
「まぁ、要するに強制的に寝腐らしを引き起こしたわけだが―――そろそろ、出てきたらどうだ?」
枯れているのは食虫植物だけではない。視界を妨げていた周囲の森林も腐り倒れていく。
つまり、彼女の身を隠していた場所が消えたということだ。
そして彼女―――荻原みどりは姿を現す。
「よく言うよ。ただの水で私の操る植物が腐る?何か手を加えただろ?」
「そりゃ、魔力を微調整して作った不純物を含ませたけどね」
彼女は愉快そうに笑う。……その不自然なほどの余裕は、俺が警戒を強める理由に足りる。
彼女の姿は、まるでアマゾネスだ。胸元は頼りなさげな布で覆われ、下半身は水着のパレオを腰に巻きつけている。
およそ、森の中で戦闘するには、相応しくない装備ではある。
もっとも、地面と自然を操る魔法が主力なら、肌を露出したところで怪我はしないのだろう。
それよりも気になる事は―――
「おや?こいつが、私の相棒が気になるのかい?」
彼女は自分の武器を自慢するかのように見せ付けてくる。実際に自慢しいるのだろうけど……
彼女の武器は木刀。いや、正確には違うのかもしれない。
長さで言えば木刀。しかし、その形状だけならば、棍棒のような鈍器に近い。
一番、近いのは野球のバットか?
その武器を右手でつかみ、左の手のひらでポンポンと軽く叩いている。
「おや?コイツが!私の、わ た しの相棒が気になるのかい!?」
余程、自慢したいのか?口調を強調しながら、さっきと同じせりふを繰り返す彼女に俺は
「いや、この展開で姿を見せた理由が気になったから考えてただけだが……」
正直に答えた。
「よし。殺そう。殺すとき、殺せねば、ぶっころ!」
次の瞬間―――
荻原みどりは目前に迫っていた。
しゃがみこんだ俺の頭上を低い風きり音が通過しいく。
ぎりぎりで彼女の鈍器を回避した。しかし―――次の攻撃は避けられなかった。
しゃがみ込んだ俺の顔面に、彼女の蹴りが入る。
体が跳ね上がり、後ろに倒れそうになるも、何とか踏みとどまる。
が、浮遊感。
いつの間にか、腰の手が回され体をロックされている。
視界は加速していく。
最初は自然の緑。それが空の青に変わり、再び緑。
そして、視界を覆ったのは土の色。
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