どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
473
シュパァァンッ!!!
乾いた音と共に、淡い光が広大な緑の草原に放たれ……その光の中からロアが現れた。
「ふぅ。ここが人間界。綺麗な場所じゃな」
人間界は魔界と同じく夜だった。
しかし、魔界の大地とは違い緑が豊富……それに感動しほっこりするロア。
無事に人間界に来ることに成功した。
「あぁぁ……なぁんかあれじゃのぅ。勢いでやっておいてなんじゃが、ものっすごい後ろめたさを感じるのじゃ」
ここまで来ておいて何を言ってるのか? そう言うのであれば、今すぐに魔界に帰ることをオススメする。
「じゃがしかし、わらわはそんな事には屈せぬ。拝んでやるのじゃ、シルクの姿をのぅ」
後ろめたさを感じる、とか言ってたのにそんな事を言い放ち、一瞬で気持ちを切り替えてシルクの家へと歩いていく。
日頃の観察のお陰で家が何処にあるのか分かっている、ただ今は夜なので確実に鍵を閉めている。
さて、ロアは一体どうするのか?
「……ふむ、心地よい良い風じゃ。魔界の風とはまったく違うのぅ。やはり実際に体感するのは大切じゃな」
うんうんと頷いて、とことこ歩く。
チラリと後ろを向くと、街が見える。
シルクの家は街には無い、街の外れにポツリと建ってるだ。
だからロアはそこに向かった。
「あれ……じゃの」
何度も鏡で見た時の記憶を頼りに、シルクの家を発見する。
ごく普通の家、ここに今……シルクがいるのだ。
ごくっ……と唾をのみ込み、ふつふつと興奮し始めるロア。
それを落ち着ける様に、何度も胸をトントンと叩く。
「ふぅ……ふぅ……。落ち着け、落ち着くのじゃ」
自分自身に言い聞かせる様に家に近付くロア。
それをしている内に近くまで来た。
「めっ、目の前まで来ると……きっ、緊張するの」
ゾクッ……ゾクッ……と心臓が強く鼓動する。
緊張ってあんた、ここまで誰にも内緒で来ておいてここで緊張するなんて、変だなぁ。
「だっ、大丈夫じゃ。落ち着いて行動すれば大丈夫……落ち着け、わらわ」
ぽんっ……と胸を叩いた後、扉の方へと歩いていく。
そして、ゆっくりと手を伸ばしドアノブに手を掛ける。
が、しかし。
今は夜……当然鍵が掛かっていて開かない。
それはロアにとっては想定内、なら何故やったのか? と言うと……。
「やはり鍵はしまってるか。もしや? と思ってやってみたが……ダメじゃったな、じゃがある意味安心したの」
と言う事らしい。
どうやら、ハーベスト家は防犯の方はしっかりしているらしい。
まぁ……当たり前だが。
しっかりと防犯してるなぁ、と安心した後……ロアは次に窓の方へと歩いていく。
「……えと、確かこの窓からシルクの部屋が見れた筈じゃ」
そして、さらっと危ない事を言っている。
ストーカーと間違われても仕方ない。
「むっ。カーテンが邪魔じゃな」
おっと、どうやらカーテンがしてあって見れない。
だが、ロアにとっては何の問題も無い。
「魔法でちょちょいとやれば大丈夫じゃ」
そう、ロアには魔法がある。
だから早速「ちょえぃ」と掛け声をして使う。
すると、ふわりっ……とカーテンが靡いて、しゃらしゃらしゃら……と開いていく。
「……いた。ふむ、予想通り寝ているのぅ」
ここから見た感じ、ベットの上で安らかに眠っている。
可愛いのぅとか思いながら、ペタぁっと窓に張り付く。
端から見れば犯罪者そのものだ。
「じゃが、遠くから見るだけじゃつまらん。接近を試みるかのぅ、わらわの魔法でな」
キリッ! とまたまた犯罪発言をしてキメ顔をするロア。
全く決まってないのは、勿論ロアは知らない。
そんなロアの観察はまだ始まったばかり、これから危ない観察会が始まる。
乾いた音と共に、淡い光が広大な緑の草原に放たれ……その光の中からロアが現れた。
「ふぅ。ここが人間界。綺麗な場所じゃな」
人間界は魔界と同じく夜だった。
しかし、魔界の大地とは違い緑が豊富……それに感動しほっこりするロア。
無事に人間界に来ることに成功した。
「あぁぁ……なぁんかあれじゃのぅ。勢いでやっておいてなんじゃが、ものっすごい後ろめたさを感じるのじゃ」
ここまで来ておいて何を言ってるのか? そう言うのであれば、今すぐに魔界に帰ることをオススメする。
「じゃがしかし、わらわはそんな事には屈せぬ。拝んでやるのじゃ、シルクの姿をのぅ」
後ろめたさを感じる、とか言ってたのにそんな事を言い放ち、一瞬で気持ちを切り替えてシルクの家へと歩いていく。
日頃の観察のお陰で家が何処にあるのか分かっている、ただ今は夜なので確実に鍵を閉めている。
さて、ロアは一体どうするのか?
「……ふむ、心地よい良い風じゃ。魔界の風とはまったく違うのぅ。やはり実際に体感するのは大切じゃな」
うんうんと頷いて、とことこ歩く。
チラリと後ろを向くと、街が見える。
シルクの家は街には無い、街の外れにポツリと建ってるだ。
だからロアはそこに向かった。
「あれ……じゃの」
何度も鏡で見た時の記憶を頼りに、シルクの家を発見する。
ごく普通の家、ここに今……シルクがいるのだ。
ごくっ……と唾をのみ込み、ふつふつと興奮し始めるロア。
それを落ち着ける様に、何度も胸をトントンと叩く。
「ふぅ……ふぅ……。落ち着け、落ち着くのじゃ」
自分自身に言い聞かせる様に家に近付くロア。
それをしている内に近くまで来た。
「めっ、目の前まで来ると……きっ、緊張するの」
ゾクッ……ゾクッ……と心臓が強く鼓動する。
緊張ってあんた、ここまで誰にも内緒で来ておいてここで緊張するなんて、変だなぁ。
「だっ、大丈夫じゃ。落ち着いて行動すれば大丈夫……落ち着け、わらわ」
ぽんっ……と胸を叩いた後、扉の方へと歩いていく。
そして、ゆっくりと手を伸ばしドアノブに手を掛ける。
が、しかし。
今は夜……当然鍵が掛かっていて開かない。
それはロアにとっては想定内、なら何故やったのか? と言うと……。
「やはり鍵はしまってるか。もしや? と思ってやってみたが……ダメじゃったな、じゃがある意味安心したの」
と言う事らしい。
どうやら、ハーベスト家は防犯の方はしっかりしているらしい。
まぁ……当たり前だが。
しっかりと防犯してるなぁ、と安心した後……ロアは次に窓の方へと歩いていく。
「……えと、確かこの窓からシルクの部屋が見れた筈じゃ」
そして、さらっと危ない事を言っている。
ストーカーと間違われても仕方ない。
「むっ。カーテンが邪魔じゃな」
おっと、どうやらカーテンがしてあって見れない。
だが、ロアにとっては何の問題も無い。
「魔法でちょちょいとやれば大丈夫じゃ」
そう、ロアには魔法がある。
だから早速「ちょえぃ」と掛け声をして使う。
すると、ふわりっ……とカーテンが靡いて、しゃらしゃらしゃら……と開いていく。
「……いた。ふむ、予想通り寝ているのぅ」
ここから見た感じ、ベットの上で安らかに眠っている。
可愛いのぅとか思いながら、ペタぁっと窓に張り付く。
端から見れば犯罪者そのものだ。
「じゃが、遠くから見るだけじゃつまらん。接近を試みるかのぅ、わらわの魔法でな」
キリッ! とまたまた犯罪発言をしてキメ顔をするロア。
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