どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
503
美味しいキノコを食べながら話をして楽しみ暫く経った頃、食事が終わった。
「火きえた、後処理も完璧」
アヤネは焚き火の処理をしている。
それを横で観察する、うん……見事に灰になってる、確かこの灰も処理しないと、また火がついたりするんだよな? なんかの本で読んだことがある。
「ほんとに完璧か?」
だから確認してみる。
「うん、ちゃんと確認した。ばっちり」
そか、確認したか。
拳つくって親指突き立ててどや顔してる、この自信……大丈夫そうだな。
いや、ほんとに大丈夫か?
「だからだいじょぶ」
「そうか」
「うん」
まぁここは信じる事にした。
さっきまでの手際の良さ、あらなら信用して良いだろう。
そう思った瞬間、アヤネは俺の隣にペタンと座る。
「これからどうしよっか」
「さぁ……どうする?」
え? いや……どうするって言われても困るな。
急に言われてもなんも思い付かないぞ?
「とりあえず、かくれんぼする?」
「あ、いや。それは普通に断る」
そんなんやったら確実にどっちかが迷うわ。
いや、最悪二人とも迷ってしまって終わりだ、と言うか森でやるには危険な遊びだろ。
……って、うぉ。
めっちゃ眼輝いてる、え? まさか本気で言ってるのか? 
「楽しいよ?」
「楽しくてもダメだ」
「……むぅ」
あ、めっちゃ不満そうに見てきた。
と思ったら、直ぐに表情を緩ませる。
「まぁ……いっか」
「いっ良いのか」
「うん、良いの」
おっおぅ……それなら良いんだ。
いやぁ……助かったな、駄々こねだらしたどうしようかと思った。
だがそうはならなかったな、ふぅ……。
「じゃぁ、鬼ごっこなら良い?」
と、安心して矢先まぁたとんでも無い事を言い出したな。
その遊びもダメだからな! と言おうとした時、アヤネがいきなり舌をぺろんっと出した。
「なんて、冗談」
「そっそうか」
くっ、一瞬でも本気にしてしまった俺が恥ずかしい。
無邪気に笑いやがって……。
クスクス笑うアヤネを睨んでやると、笑ったまま。
「じゃ、帰ろ。帰る道は木によじ登って高い所から魔王城目指して行けばだいじょぶ。これは嘘じゃないよ、本気で言ってる」
と、言い出した。
……怪しい、また俺を騙そうとしてるんじゃないのか?
だが、それは本当であって欲しいな。
でも、アヤネは野宿がどうのって言ってたし……嘘っぽい、とりあえず怪しんでおこう。
「そんな顔しないで、ほんとのほんとだよ? シルクは帰りたくないの?」
「それは、帰りたいが……アヤネ。お前、野宿するとか言ってなかったか?」
俺はしっかりと覚えてるからな? 忘れてないぞ。
……あっあれ? なっなんだ、アヤネ急に「ぷふっ」と吹き出した。
「シルク」
「なっなんだよ」
「あれ、冗談」
「え」
なっなんだよ、冗談なのか。
って、それも嘘って事はないよな? いや、流石に疑い過ぎか。
「野宿する準備してない。流石に準備しないで森にとまったりはしない。あ……しまった、私魔王城来る時にしちゃった」
……うっうん。
アヤネにしてはまともな事を言ってるな、確かにその通りだな。
「ぷふふ……。でも、そう言うのは野宿素人でもわかる。シルク、私にアホアホ言うのに自分だってアホ。やーい、アホぉ」
…………。
俺は、無言でアヤネの頭を掴み、力を加えた。
「っ! いっいたい! シルク、いっいたよっ! 暴力ダメ!」
うるさい! 元はと言えば、お前がここに連れてさえ来なければ良かったんだろうが!
と、若干八つ当たり気味に心の中できれておく。
その時だ……。
ドスッーー
「うぐぁっ!?」
暴れたアヤネが、俺の鳩尾に肘鉄をかましてきた。
うっ……うぐっ、こっこれは……きっきく……なぁ。
悶絶した俺はバタンと倒れる。
「もぉ。か弱い乙女に暴力はダメ。反省して」
うっうぐぐ……かっか弱いだと? これまで人間場馴れした動きをしたお前が? それな訳あるわけ無いだろ。
「か、か弱い……?」
だから、突っ込んでやろうと思って言ってみたが……途中で言葉を呑み込んだ。
いま、うつ伏せになってどんな顔をしてるか分からないが……なんか、異様な雰囲気を感じる。
「なにか……言った?」
「いっいや。なに、も……な……い」
痛さに耐えながら色々と言いたい事があったが、アヤネの低い声にビビり誤魔化してしまった、その後、俺はガクリと顔を地面に向け意識を失った。
鳩尾一発で意識を切り取るなんて……絶対にか弱い乙女のやる事じゃ無いだろ、意識を失う際、俺はそう思ったのであった。
「火きえた、後処理も完璧」
アヤネは焚き火の処理をしている。
それを横で観察する、うん……見事に灰になってる、確かこの灰も処理しないと、また火がついたりするんだよな? なんかの本で読んだことがある。
「ほんとに完璧か?」
だから確認してみる。
「うん、ちゃんと確認した。ばっちり」
そか、確認したか。
拳つくって親指突き立ててどや顔してる、この自信……大丈夫そうだな。
いや、ほんとに大丈夫か?
「だからだいじょぶ」
「そうか」
「うん」
まぁここは信じる事にした。
さっきまでの手際の良さ、あらなら信用して良いだろう。
そう思った瞬間、アヤネは俺の隣にペタンと座る。
「これからどうしよっか」
「さぁ……どうする?」
え? いや……どうするって言われても困るな。
急に言われてもなんも思い付かないぞ?
「とりあえず、かくれんぼする?」
「あ、いや。それは普通に断る」
そんなんやったら確実にどっちかが迷うわ。
いや、最悪二人とも迷ってしまって終わりだ、と言うか森でやるには危険な遊びだろ。
……って、うぉ。
めっちゃ眼輝いてる、え? まさか本気で言ってるのか? 
「楽しいよ?」
「楽しくてもダメだ」
「……むぅ」
あ、めっちゃ不満そうに見てきた。
と思ったら、直ぐに表情を緩ませる。
「まぁ……いっか」
「いっ良いのか」
「うん、良いの」
おっおぅ……それなら良いんだ。
いやぁ……助かったな、駄々こねだらしたどうしようかと思った。
だがそうはならなかったな、ふぅ……。
「じゃぁ、鬼ごっこなら良い?」
と、安心して矢先まぁたとんでも無い事を言い出したな。
その遊びもダメだからな! と言おうとした時、アヤネがいきなり舌をぺろんっと出した。
「なんて、冗談」
「そっそうか」
くっ、一瞬でも本気にしてしまった俺が恥ずかしい。
無邪気に笑いやがって……。
クスクス笑うアヤネを睨んでやると、笑ったまま。
「じゃ、帰ろ。帰る道は木によじ登って高い所から魔王城目指して行けばだいじょぶ。これは嘘じゃないよ、本気で言ってる」
と、言い出した。
……怪しい、また俺を騙そうとしてるんじゃないのか?
だが、それは本当であって欲しいな。
でも、アヤネは野宿がどうのって言ってたし……嘘っぽい、とりあえず怪しんでおこう。
「そんな顔しないで、ほんとのほんとだよ? シルクは帰りたくないの?」
「それは、帰りたいが……アヤネ。お前、野宿するとか言ってなかったか?」
俺はしっかりと覚えてるからな? 忘れてないぞ。
……あっあれ? なっなんだ、アヤネ急に「ぷふっ」と吹き出した。
「シルク」
「なっなんだよ」
「あれ、冗談」
「え」
なっなんだよ、冗談なのか。
って、それも嘘って事はないよな? いや、流石に疑い過ぎか。
「野宿する準備してない。流石に準備しないで森にとまったりはしない。あ……しまった、私魔王城来る時にしちゃった」
……うっうん。
アヤネにしてはまともな事を言ってるな、確かにその通りだな。
「ぷふふ……。でも、そう言うのは野宿素人でもわかる。シルク、私にアホアホ言うのに自分だってアホ。やーい、アホぉ」
…………。
俺は、無言でアヤネの頭を掴み、力を加えた。
「っ! いっいたい! シルク、いっいたよっ! 暴力ダメ!」
うるさい! 元はと言えば、お前がここに連れてさえ来なければ良かったんだろうが!
と、若干八つ当たり気味に心の中できれておく。
その時だ……。
ドスッーー
「うぐぁっ!?」
暴れたアヤネが、俺の鳩尾に肘鉄をかましてきた。
うっ……うぐっ、こっこれは……きっきく……なぁ。
悶絶した俺はバタンと倒れる。
「もぉ。か弱い乙女に暴力はダメ。反省して」
うっうぐぐ……かっか弱いだと? これまで人間場馴れした動きをしたお前が? それな訳あるわけ無いだろ。
「か、か弱い……?」
だから、突っ込んでやろうと思って言ってみたが……途中で言葉を呑み込んだ。
いま、うつ伏せになってどんな顔をしてるか分からないが……なんか、異様な雰囲気を感じる。
「なにか……言った?」
「いっいや。なに、も……な……い」
痛さに耐えながら色々と言いたい事があったが、アヤネの低い声にビビり誤魔化してしまった、その後、俺はガクリと顔を地面に向け意識を失った。
鳩尾一発で意識を切り取るなんて……絶対にか弱い乙女のやる事じゃ無いだろ、意識を失う際、俺はそう思ったのであった。
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