どうやら魔王は俺と結婚したいらしい

わいず

428

すぅ……すぅ……。
そんな風な寝息をたてながらシルク、アヤネ、ラキュは眠っている。

そんな静かな空間、時間にして……と言いたい所だが何時かは分からない。
だが、夜が明けて太陽が昇った朝なのは確実だ、そんな朝……。

「おりゃぁぁぁあぁあっ!」

誰かの大声と、けたたましい爆音と共に、それは打ち消された。

なんだ? いま、すっごい音がしたが気のせいか?
少しだけ身体を動かす、確認しようかな? そう思ったんだが……気だるさがそうさせてくれなかった。

眠いし確認するのは面倒くさい。
今のは気のせいだ、そう言う事にしておこう。
そう決めつけて、無かった事にした。

「……っ!……っ!!」

うるさい、何を話してるか分からんが、すっごくうるさい。
あと、身体が重い……誰だよ、俺の上に乗ってるのは。
今寝てるんだから、静かにしてくれよ。

「っ!? っ、っ!! ……っ!!」

ほんっと騒がしいな、1人でそんなに騒いでなにが楽しんだ。
まったく、朝からうるさい奴だな。

「っ!! ……のじゃ!」

……のじゃ? 今のじゃって言ったな。
この喋り方は……ロアか、そうか、今煩く喋ってるのはロアか。

「……っ、……!! ……じゃぁぁっ」

まぁ、それが分かった所で俺は何もしないけどな。
今は眠たくてどうでも良い、という訳で、寝続けよう。

ぐぅぅっ、と寝息を出す、そしたらロアがよりいっそう騒いだ。
ダンッダンっ! と地団駄を踏んでるのが、なんなくだが分かる。

「むきぃぃぃっ!!」

…………。
ダメだな、全く寝付けない。
重いまぶたを少しだけ開けると……顔を真っ赤にしたロアが俺を見ていた。
怒ってる……俺も少し怒ってるよ、眠たいのに騒いでるからな……。
と言うか他の2人は良く起きないな、こんなに騒がしいのに。

「シ……クっ! 目を……ぬかっ!」

眠たさが上回って良く聞こえないが……起きろって言ってるんだろうなぁ。
だけど、俺は起きてやらない、なんの反応もせずにしていると……身体を揺らしてきた。

「お……ろっ、おき……っ!! おき……のじゃ!!」
「んっ……んんっ」

凄く揺らしてくるから、落ちない様に寝返りをうってやった。
そしたら揺らすのを止めてくれた、ふぅ……諦めてくれたか、これでゆっくり眠れるな。

……いや、まて。
このパターン、ヤバイ気がする。
過去の記憶で似た様な事があった……気がする。
その時、俺はロアに……キスをされたんだった!

だから、直ぐ様ロアの方に寝返りをうち、眠たさで重いまぶたを何とか開け、シュバッ! と前に手を出す。

「ぬぁっ!?」

そこには、ロアの顔が間近にあった。
やはりそう来たか、眠たさを跳ね退けて無理矢理起きたのは正解だったな。

急に俺が起きた事に驚きくロア、そんなロアに向けて俺は……奴の頬目掛けて、ばちんっ! と両手で押さえ付けてやった。

「……あさっぱらから、なにしようと……してんだよ」

眠気混じりの声、思わず欠伸が出てしまった。
ロアはと言うと……おちょぼ口になっていた。
まぁ、俺がほっぺた押さえ付けてるからそうなってるだが……面白い顔だ。

だから俺は、くすっと笑った。
その時だ……まだ眠たさが寝け切れて無いのか、また眠気が襲ってきた。

「にゃっにゃにをわりゃっておりゅのじゃぁぁっ!!」

訳の分からない事を言うロア、そんなロアに構わず俺は二度寝してしまった。
その直ぐ後、ロアが叫び声をあげた、だけど気にしないでおいた。

だって凄く眠いんだもの、このままゆっくり寝させてもらうぞ、そのまま俺は二度寝を開始した。

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