どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
436
アヤネの一件が終わって数日経ったある日、秋に入って寒くなったから暖かい格好をして、ロアの部屋で夜明けの外の様子を見ながらぼぉっとしていた。
「……ふぅ」
意味もなく、ため息が出てしまった。
それから、ふと最近の事を思い出す。
アヤネがフドウさんとシズハさんに連れられて何処かへ行ってしまった時の事だ。
その事を、帰って来たアヤネに聞いた。
どうやら、覚悟を問われたらしい。
だいぶ大それた話をしたらしい、だから聞いてみた。
「覚悟って……なにをきかれたんだよ」ってな、そしたら直ぐに「ひみつ」って言われた。
即答だった……。
直ぐに察したよ、聞いても絶対に答えない奴だってな。
だから変わりに別の事を聞いてみた、それは"フドウさんとシズハさんは何処に行ったんだ?"だ。
それはしっかり答えてくれた、それに対する問いは「帰った」だ。
直ぐに突っ込んだよ「え!? 飯も食べずに? 折角作ってくれたのに?」と……。
そしたらアヤネの奴、「あ、そうだね。せっかちだね」と返した。
「せっかちだね、じゃ無いだろう」
その事を思い出して、またため息をついてしまう。
俺、あの2人には改めてお礼とかしたかったのに……出来なかったじゃないか。
と言うか、結局あの2人はなにをしにきたんだ? いや、それはあれか……アヤネを家に帰らせる為に来たのか。
でも、アヤネは今も魔王城にいる。
……それに関しては、色々あって残る事を許された、そう考えるのが正しいだろう。
「よし、ぼぉっとするのは止めだ」
パンっ! と手を叩いた後、俺は扉の方へと歩く。
そろそろ鬼騎の所へ行こう、今日は寒いからな……暖かい物が出てくれると嬉しい。
そう思って、扉をガチャリと開けると……。
そこに、ロアがいた。
そう言えば、起きた時にはロアはいなかった、多分トイレに行った帰りなんだろう。
急に出会ったから、ビックリして見つめてると、向こうも見つめてきた。
そして、ロアの身体がぶるっと震える。
そしたら長い紫髪がふわっと靡いた。
……顔が紅い、目線も定まって無い。
何か言いたいのか、口をパクパクさせている、そんな様子に戸惑っていると「ぐぬっ」と呟いて、素早く俺を通り過ぎ、ベットにダイブし、布団をかぶってしまった。
「……おれ、なんかしたか?」
小声で呟いて、カリカリと頭をかく。
全く身に覚えがない。
顔を真っ赤にして、身体を震わせて俺を見る? なにか言いたければ言えば良いのに、普段のロアなら俺の気にしてる事でもズバズバ言うのに……。
変だ、すっごく変だ。
まぁ、この変なロアは今に限った事じゃ無いけどな。
実は、こう言う風な事はフドウさんとシズハさんが帰ってから何度かあったのだ。
さっきみたいに、顔を真っ赤にしてぷるぷる震えて何も言わない。
そんな状態で見られるから正直困る、だから「なにか用か?」と問ったんだが……「なっななっ! なんでもないのじゃ!」と言い放って俺から離れて言ってしまう。
本当に訳が分からない。
なにがしたいんだろうなぁ……そう思いながら、俺は部屋を出た。
まぁ……そのうち、話してくれるだろう。
気になるけど、話してくれないんなら仕方無い。
気にしないようにしよう。
「……さむ」
部屋はそうでもなかったが、廊下に出ると寒い。
秋なのに寒いってどういう事だ、いや、これは単純に俺が寒さに弱いだけなのか……。
体力も無ければ、寒さにも弱いのか。
なんか悲しくなってくるぞ……そんな悲壮感を感じていた時だ。
「寒いなら、暖めてあげる」
ふと、そんな声が聞こえた。
振り返ろうと後ろを向こうとすると、その前に抱き付かれた……。
「あっアヤネ!?」
その正体は、俺の言った通りの人物である。
にっと笑うアヤネは身体を押し付けながら……。
「おはよシルク」
そう言って来た。
さて、早速能天気におはよと抜かす幼馴染みに言ってやらなければならないらしい。
「あぁ、おはよ。離れろ」
抱き付いてきたから言ってやった。
だが、アヤネは首を横に振るう。
「やだ。私と付き合うって言うなら離れるの考えたげる」
「そんな事を引き合いに出すなよ……。それと、考えるだけなんだな」
「えへへ……」
「えへへ、じゃないからな」
俺の気も知らないで陽気に笑ってる。
アヤネもロアと同じく、最近はこんな感じだ、普段の2倍ひっつく様になった。
隙あらば付き合えと言って、スキンシップを仕掛けてくる、昨日も「一緒に寝る」と言ってきたが、ロアに「ダメじゃ!」と言われて喧嘩してた。
あぁ、喧嘩と言ってもあれだぞ? 口喧嘩だ。
それが続いた後、じゃん拳で決める事になって……ロアが勝った。
だから昨日はロアと一緒に寝た。
どうやら2人には、俺を1人で寝かせると言う考えは無いらしい……自分勝手な奴だよな。
まぁ、今更って感じだけどな……はぁ、ロアが2人になった気分だよ。
「どしたの? 疲れた顔してる」
「だったら、気持ちを察して離れてくれると嬉しいんだが?」
「それとこれとは話が別」
別じゃないぞ。
お前が抱き付いてくるから精神的に疲れてるんだぞ、それを察しろ。
「と言う訳で、ごはん食べに行こ」
「……相変わらず、話がブッ飛ぶな」
どう言う訳だよ! って突っ込む気にもならない。
本日3回目のため息を漏らした後、俺はアヤネをひっつけながら、ゆっくりと食堂へと歩いていった。
まったく、これが毎日続くんだろうなぁ。
そう思うと、胃が痛くなるぞ……。
「……ふぅ」
意味もなく、ため息が出てしまった。
それから、ふと最近の事を思い出す。
アヤネがフドウさんとシズハさんに連れられて何処かへ行ってしまった時の事だ。
その事を、帰って来たアヤネに聞いた。
どうやら、覚悟を問われたらしい。
だいぶ大それた話をしたらしい、だから聞いてみた。
「覚悟って……なにをきかれたんだよ」ってな、そしたら直ぐに「ひみつ」って言われた。
即答だった……。
直ぐに察したよ、聞いても絶対に答えない奴だってな。
だから変わりに別の事を聞いてみた、それは"フドウさんとシズハさんは何処に行ったんだ?"だ。
それはしっかり答えてくれた、それに対する問いは「帰った」だ。
直ぐに突っ込んだよ「え!? 飯も食べずに? 折角作ってくれたのに?」と……。
そしたらアヤネの奴、「あ、そうだね。せっかちだね」と返した。
「せっかちだね、じゃ無いだろう」
その事を思い出して、またため息をついてしまう。
俺、あの2人には改めてお礼とかしたかったのに……出来なかったじゃないか。
と言うか、結局あの2人はなにをしにきたんだ? いや、それはあれか……アヤネを家に帰らせる為に来たのか。
でも、アヤネは今も魔王城にいる。
……それに関しては、色々あって残る事を許された、そう考えるのが正しいだろう。
「よし、ぼぉっとするのは止めだ」
パンっ! と手を叩いた後、俺は扉の方へと歩く。
そろそろ鬼騎の所へ行こう、今日は寒いからな……暖かい物が出てくれると嬉しい。
そう思って、扉をガチャリと開けると……。
そこに、ロアがいた。
そう言えば、起きた時にはロアはいなかった、多分トイレに行った帰りなんだろう。
急に出会ったから、ビックリして見つめてると、向こうも見つめてきた。
そして、ロアの身体がぶるっと震える。
そしたら長い紫髪がふわっと靡いた。
……顔が紅い、目線も定まって無い。
何か言いたいのか、口をパクパクさせている、そんな様子に戸惑っていると「ぐぬっ」と呟いて、素早く俺を通り過ぎ、ベットにダイブし、布団をかぶってしまった。
「……おれ、なんかしたか?」
小声で呟いて、カリカリと頭をかく。
全く身に覚えがない。
顔を真っ赤にして、身体を震わせて俺を見る? なにか言いたければ言えば良いのに、普段のロアなら俺の気にしてる事でもズバズバ言うのに……。
変だ、すっごく変だ。
まぁ、この変なロアは今に限った事じゃ無いけどな。
実は、こう言う風な事はフドウさんとシズハさんが帰ってから何度かあったのだ。
さっきみたいに、顔を真っ赤にしてぷるぷる震えて何も言わない。
そんな状態で見られるから正直困る、だから「なにか用か?」と問ったんだが……「なっななっ! なんでもないのじゃ!」と言い放って俺から離れて言ってしまう。
本当に訳が分からない。
なにがしたいんだろうなぁ……そう思いながら、俺は部屋を出た。
まぁ……そのうち、話してくれるだろう。
気になるけど、話してくれないんなら仕方無い。
気にしないようにしよう。
「……さむ」
部屋はそうでもなかったが、廊下に出ると寒い。
秋なのに寒いってどういう事だ、いや、これは単純に俺が寒さに弱いだけなのか……。
体力も無ければ、寒さにも弱いのか。
なんか悲しくなってくるぞ……そんな悲壮感を感じていた時だ。
「寒いなら、暖めてあげる」
ふと、そんな声が聞こえた。
振り返ろうと後ろを向こうとすると、その前に抱き付かれた……。
「あっアヤネ!?」
その正体は、俺の言った通りの人物である。
にっと笑うアヤネは身体を押し付けながら……。
「おはよシルク」
そう言って来た。
さて、早速能天気におはよと抜かす幼馴染みに言ってやらなければならないらしい。
「あぁ、おはよ。離れろ」
抱き付いてきたから言ってやった。
だが、アヤネは首を横に振るう。
「やだ。私と付き合うって言うなら離れるの考えたげる」
「そんな事を引き合いに出すなよ……。それと、考えるだけなんだな」
「えへへ……」
「えへへ、じゃないからな」
俺の気も知らないで陽気に笑ってる。
アヤネもロアと同じく、最近はこんな感じだ、普段の2倍ひっつく様になった。
隙あらば付き合えと言って、スキンシップを仕掛けてくる、昨日も「一緒に寝る」と言ってきたが、ロアに「ダメじゃ!」と言われて喧嘩してた。
あぁ、喧嘩と言ってもあれだぞ? 口喧嘩だ。
それが続いた後、じゃん拳で決める事になって……ロアが勝った。
だから昨日はロアと一緒に寝た。
どうやら2人には、俺を1人で寝かせると言う考えは無いらしい……自分勝手な奴だよな。
まぁ、今更って感じだけどな……はぁ、ロアが2人になった気分だよ。
「どしたの? 疲れた顔してる」
「だったら、気持ちを察して離れてくれると嬉しいんだが?」
「それとこれとは話が別」
別じゃないぞ。
お前が抱き付いてくるから精神的に疲れてるんだぞ、それを察しろ。
「と言う訳で、ごはん食べに行こ」
「……相変わらず、話がブッ飛ぶな」
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