どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
407
さて、時間は少し遡り。
ラキュと鬼騎が話し始めた時の事、別の場所では別の人と魔物が話しをしていた。
その人物とは……アヤネとクータンである。
◇
私はいま、クーちゃんの家にいる。
帰りたい私を引き留めて、色々してきてる。
ちょっぴり迷惑、でも感謝してる。
だって倒れてた私を助けてくれたもん。
だけど……迷惑って言う思いの方が強い。
ずっと帰りたいって言ってるのに帰してくれないんだもん。
だったら自分で帰っちゃえば良いんだけど……そしたらまた迷っちゃいそう。
また倒れるのは嫌だ、あの時は疲れたし、お腹へったしで大変だった。
だからクーちゃんが教えてくれないと帰れないの。
いつまでも私がクーちゃんに帰り道を聞いてる理由がそれ。
クーちゃんはあれから色々聞いてくる。
"あっアヤネちゃん。ラキュ君から、聞きました。シルク君に、振られちゃったん……ですね"
そんな事言われなくても分かってる。
もう、言わないで……悲しくなる、涙が出ちゃうよ。
"どうして、家に帰りたいん……ですか?"
帰りたい気分だって……言った。
"そうですか、言いたくありません……か"
そうだよ、言いたくない。
それが分かってるなら、もう……放っておいて、素直に道を教えてよ。
クーちゃんの言葉一つ一つに自分の想いを心の中で吐き出した、そんな私に突然……。
"アヤネちゃん、帰りたい理由は……良く、わっ分からないですけど、そっその……あたいは、今、アヤネちゃんは……帰るべきじゃない……そう、思います"
って言ってきた。
ムッとした、頭に来た。
なんでそんな事言われなきゃダメなの? 私の勝手なのに……帰りたいって言ってるんだから帰らせてよ。
だから「勝手な事言わないで」って言ったの。
でも、最後まで言えなかった……だってクーちゃんがカボチャの被り物取ってたんだもん。
驚いた、本当に驚いた。
今まで見たこと無いんだもん、クーちゃんの素顔。
オレンジ色の髪、ソバージュヘア、鼻の所にソバカスがある。
……可愛い。
眠た眼で私を見てくるクーちゃんを見て、思わずそう思っちゃった。
「あたい、あっアヤネちゃんが……話してくれるまで、こっこのままでいますっ! すっ素顔のままっ、顔を隠さないで待ってて、あっあげますから……はっはっ、話す気になったら、話してくだひゃい!!」 
言葉は噛み噛み、顔は真っ赤っか、ぶるぶる震えてじぃっと私を見てる。
必死だ、私と話しをしたくて……クーちゃんは必死になってる。
ちょっとそれに怯えた私は、ずずっと後ろに下がる。
そしたら、ささっ! と素早い動きでクーちゃんが私の近くまで寄ってきた。
ちっ近い、あっ……なんか、抱き付かれちゃった。
えっえと、うぅぅ……なにこれ、どんな状況? どうしよう軽いパニックだ。
「あ、え、うあ。うぅぅ……とっととっ、とりあっあえじゅっ……はっ話しましょう! しゅっしゅべて……今の想いを出して、吐き出して!」
何言ってるか意味分かんない。
言葉の順序間違ってる、たぶん"今の想いを全て吐き出して"って言いたいんだと思う。
でっでも、本当にクーちゃんにそんな事言ったってどうにもならない。
だから言う意味がない、だから言わな……うわ、すっごい顔が近い。
眼がうるうるしてる、しかも抱き付きの強さがちょっとずつ増してきてる。
いっ痛くなってきた……うぅぅ、これ、言わないと離してくれないっぽい。
だって、こんな必死な顔してるもん。
「おねがいじまずぅぅっ、はっはなじでぇぇぇ……」
ほら、こんな事いってきた。
完全に泣いちゃってる、鼻水まで垂れてる。
こっここまでしつこく聞きに来るなんて……ちょっとビックリ。
「わっ、分かった。話すから……離れて」
だから、そんなクーちゃんに根負けしちゃった。
そしたら、瞬時に明るく笑った。
はぁ……速く帰りたいのに。
ラキュと鬼騎が話し始めた時の事、別の場所では別の人と魔物が話しをしていた。
その人物とは……アヤネとクータンである。
◇
私はいま、クーちゃんの家にいる。
帰りたい私を引き留めて、色々してきてる。
ちょっぴり迷惑、でも感謝してる。
だって倒れてた私を助けてくれたもん。
だけど……迷惑って言う思いの方が強い。
ずっと帰りたいって言ってるのに帰してくれないんだもん。
だったら自分で帰っちゃえば良いんだけど……そしたらまた迷っちゃいそう。
また倒れるのは嫌だ、あの時は疲れたし、お腹へったしで大変だった。
だからクーちゃんが教えてくれないと帰れないの。
いつまでも私がクーちゃんに帰り道を聞いてる理由がそれ。
クーちゃんはあれから色々聞いてくる。
"あっアヤネちゃん。ラキュ君から、聞きました。シルク君に、振られちゃったん……ですね"
そんな事言われなくても分かってる。
もう、言わないで……悲しくなる、涙が出ちゃうよ。
"どうして、家に帰りたいん……ですか?"
帰りたい気分だって……言った。
"そうですか、言いたくありません……か"
そうだよ、言いたくない。
それが分かってるなら、もう……放っておいて、素直に道を教えてよ。
クーちゃんの言葉一つ一つに自分の想いを心の中で吐き出した、そんな私に突然……。
"アヤネちゃん、帰りたい理由は……良く、わっ分からないですけど、そっその……あたいは、今、アヤネちゃんは……帰るべきじゃない……そう、思います"
って言ってきた。
ムッとした、頭に来た。
なんでそんな事言われなきゃダメなの? 私の勝手なのに……帰りたいって言ってるんだから帰らせてよ。
だから「勝手な事言わないで」って言ったの。
でも、最後まで言えなかった……だってクーちゃんがカボチャの被り物取ってたんだもん。
驚いた、本当に驚いた。
今まで見たこと無いんだもん、クーちゃんの素顔。
オレンジ色の髪、ソバージュヘア、鼻の所にソバカスがある。
……可愛い。
眠た眼で私を見てくるクーちゃんを見て、思わずそう思っちゃった。
「あたい、あっアヤネちゃんが……話してくれるまで、こっこのままでいますっ! すっ素顔のままっ、顔を隠さないで待ってて、あっあげますから……はっはっ、話す気になったら、話してくだひゃい!!」 
言葉は噛み噛み、顔は真っ赤っか、ぶるぶる震えてじぃっと私を見てる。
必死だ、私と話しをしたくて……クーちゃんは必死になってる。
ちょっとそれに怯えた私は、ずずっと後ろに下がる。
そしたら、ささっ! と素早い動きでクーちゃんが私の近くまで寄ってきた。
ちっ近い、あっ……なんか、抱き付かれちゃった。
えっえと、うぅぅ……なにこれ、どんな状況? どうしよう軽いパニックだ。
「あ、え、うあ。うぅぅ……とっととっ、とりあっあえじゅっ……はっ話しましょう! しゅっしゅべて……今の想いを出して、吐き出して!」
何言ってるか意味分かんない。
言葉の順序間違ってる、たぶん"今の想いを全て吐き出して"って言いたいんだと思う。
でっでも、本当にクーちゃんにそんな事言ったってどうにもならない。
だから言う意味がない、だから言わな……うわ、すっごい顔が近い。
眼がうるうるしてる、しかも抱き付きの強さがちょっとずつ増してきてる。
いっ痛くなってきた……うぅぅ、これ、言わないと離してくれないっぽい。
だって、こんな必死な顔してるもん。
「おねがいじまずぅぅっ、はっはなじでぇぇぇ……」
ほら、こんな事いってきた。
完全に泣いちゃってる、鼻水まで垂れてる。
こっここまでしつこく聞きに来るなんて……ちょっとビックリ。
「わっ、分かった。話すから……離れて」
だから、そんなクーちゃんに根負けしちゃった。
そしたら、瞬時に明るく笑った。
はぁ……速く帰りたいのに。
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