どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
58
「シルク君はさ、姉上の事どう思ってるの?」 
ラキュはそう言ってソファーにもたれ腕を組んだ、いきなり何を聞くんだ、そう言う疑問は出てくるが此処は素直に答えよう。
「変な奴だなって思ってる」
「ははっ変な奴か……確かにそうだね」
けらけら笑いながら俺を見てくる……なんだろ、聞きたい話と違う気がする。
「姉上は変な奴だけど一途なんだよ…」
「いっいや……それじゃ答えになってない」
少し強めにラキュに話してしまう、つい感情が昂ってしまった……落ち着かないと。
「すまん…」
「いや良いよ、はぐらかした僕が悪い」
そう言ってテーブルに置いてあるグラスを手に取る、中にはトマトジュース、それを一口口に含み味わった後グラスを口から離しゆっくりと口を開く。
「申し訳無いけど、その質問には答えられない」
出た答えは回答不可能……少し頭に来てしまい前のみりぎみにラキュに問い質す。
「なっ何でだ?」
何故はっきりと答えてくれない? そうすれば俺の悩みは解決するのに……。
「何故って……僕はもう既に答えを半分だしたからね、これ以上言うつもりは無いよ」
微笑みながら言うラキュ……その口から出た答えに俺は困惑した、もう答えを半分だした……だと?
「それはどう言う事だ?」
「シルク君が倒れてる時に僕は少し手を貸した、あの時の事を良く思い出してみなよ」
俺が倒れた時……っ!風邪で倒れた時の事か? その時にラキュが何かをしたと言う事になるな……何をしたのか全く検討がつかない。
「物凄く悩んでるみたいだね……」
深いため息をついたラキュは「やれやれ」と言わんばかりに手を広げる。
「俺に何かしたのか?」
寝てる間に何かをした……それは一体なんだ?
「したよ、でもシルク君の質問も含めてそれが何なのかは言わない……だって」
はっきりと「したよ」と言った、すると急に鋭い目付きになるラキュ。
「色恋の話って自分で答えを出すべきじゃない?」
「……っ」
ラキュのその言葉は俺の心に深く突き刺さった。ま、るでナイフで抉られたかの様な心の痛み……それはとても痛くて苦しい物だった。
「僕は姉上の弟だからね、姉上がシルク君の事を好きな理由は勿論知ってる」
「だったら……」
言ってくれ!そう言おうとした時だ、ラキュは、はっきりとこう言った。
「でも言わない……これは大切な事だよ、だから自分で答えを見付けるべきだ」
「……」
自分で答えを見付ける……見付からないからラキュ、お前に聞いたのにか? だが「色恋の話って自分で答えを出すべきじゃない?」その言葉が耳に響く。
これは他人の力を頼ったら駄目なのか? その言葉を聞いて心が痛むと言う事は少なくともラキュの言った言葉は正しい……そう思ってるんだろう。
「取り敢えず深く悩まないで現状を良く見る事かな……」
「現状を見る…か」
現状、つまりロアとの日常の事か……ハードなスキンシップを受けて振り回されてる日常、全く答えが出る気配が無いんだが……。
「うん、そうすれば何時かは分かるんじゃ無いかな?」
「そうか……」
微笑むラキュを見て納得してしまう俺、頭の中で考えても答えが出ないんじゃそうするしか無いよな。
「分かった、そうしてみる」
「以外と納得するのが早いね……まぁいいや、是非そうしてみて」
そうと決まればしっかりやらなければいけない、しっかり現状を見て答えを出す! ロアは何故俺の事を好きなのかを……でも、答えが出てそれからどうする?
ナハトの事もある、また俺は悩んでしまうんじゃないのか? いやその事は一旦置いておこう、まずは目の前の問題の解決からだ!
「ラキュ……」
「ん?」
その前にやらないといけない事がある。
「その……怒鳴って悪かったな」
ラキュへの謝罪だ、深く頭を下げて俺は謝った。感、情のまま怒ってしまったからな……悪い事をしてしまった。
「気にしないでよ、誰だって深く悩めばそうなるさ」
ラキュは気にしていない様だ。
「そっそうか……」
「あぁもうっ!本当に気にしてないからそんな難しい顔しないでよ、スマイルスマイルっ」
ラキュは、にこっと笑って見せる、明らかな作り笑顔……何か可笑しいな。
「ははっ何だよその顔」
「えっ何か可笑しいかな?」
「あぁ……明らかに作り笑顔って分かる」
「えぇーそうかな?」と呟きぺたぺたと頬を触る、何時の間にか場の空気が緩くなった……今までのが嘘みたいだ。
「さて、話しは終わりで良いかな?」
「あぁ……」
何か直ぐ終わってしまった感がするが気にしない、ラキュは何だかんだで答えを出してくれた。
自分で考えろって言った割りには優しい行動だと思う、その行動に報いる為に俺は行動しよう、そう決心した時だ。
ぐぅぅっーー
と腹の底から音が鳴った、その音源は俺の腹からだ……恥ずかしい。
「どうやらお腹が空いたみたいだね」
「確かに……空いたな」
空は茜色に染まっていたし、もう夕飯時だ、お腹が空くのも無理も無いだろう。
「じゃ、あの脳筋の所に行こうか」
「脳筋?」
「鬼騎の事だよ……」
ラキュは脳筋って呼んでるのか……本人が聞いたら怒るぞ? まぁラキュも本人の前では言わないだろう。
「じゃぁそこに行こう、もしかしたらロアは既にそこにいるかも知れないな」
そしたらあの食堂に入った瞬間抱きつかれるんだろうな……正直少し迷惑だが、今を見ると決めたんだ少しは我慢するとしよう。
「そうだね、姉上ならきっと…」
ん……どうしたんだ? 話してる途中で黙ってしまった。
「シルク君もそうだけど姉上も姉上で問題なんだよね……」
……良く聞こえなかった、小さな声で何を言ったんだ?
「ん、何か言ったか?」
「何でもないよ、只の一人言さ……じゃ早く行こうか」
はぐらかされてしまった……まぁ良いか、俺とラキュはソファーから立ち上がる、するとラキュはグラスを魔法で消失させ、変わりにあの棺桶を出現させた。
「行こうか」
「あぁ」
ラキュは棺桶の取っ手を掴み開ける、中は黒い空間が広がっている……棺桶ワープか、これ何度やっても慣れそうに無いんだよな……そう思う俺を他所にラキュは先に前に進んでしまった、慌てて追い掛ける様に意を決して中に入る、うっ……この、ぐにゃっーーって視界が歪むのがが嫌なんだよな……でもこれも数秒で終わる、これが終わったら目の前にロアがいて抵抗される間もなく抱きつかれるに違いない。
「もう着くよ」
「あぁ」
さぁロア、どうくる! 現状を見る為に俺は多少だがお前のハードなスキンシップを受け入れてやるぞ、多少だけどな!
ラキュはそう言ってソファーにもたれ腕を組んだ、いきなり何を聞くんだ、そう言う疑問は出てくるが此処は素直に答えよう。
「変な奴だなって思ってる」
「ははっ変な奴か……確かにそうだね」
けらけら笑いながら俺を見てくる……なんだろ、聞きたい話と違う気がする。
「姉上は変な奴だけど一途なんだよ…」
「いっいや……それじゃ答えになってない」
少し強めにラキュに話してしまう、つい感情が昂ってしまった……落ち着かないと。
「すまん…」
「いや良いよ、はぐらかした僕が悪い」
そう言ってテーブルに置いてあるグラスを手に取る、中にはトマトジュース、それを一口口に含み味わった後グラスを口から離しゆっくりと口を開く。
「申し訳無いけど、その質問には答えられない」
出た答えは回答不可能……少し頭に来てしまい前のみりぎみにラキュに問い質す。
「なっ何でだ?」
何故はっきりと答えてくれない? そうすれば俺の悩みは解決するのに……。
「何故って……僕はもう既に答えを半分だしたからね、これ以上言うつもりは無いよ」
微笑みながら言うラキュ……その口から出た答えに俺は困惑した、もう答えを半分だした……だと?
「それはどう言う事だ?」
「シルク君が倒れてる時に僕は少し手を貸した、あの時の事を良く思い出してみなよ」
俺が倒れた時……っ!風邪で倒れた時の事か? その時にラキュが何かをしたと言う事になるな……何をしたのか全く検討がつかない。
「物凄く悩んでるみたいだね……」
深いため息をついたラキュは「やれやれ」と言わんばかりに手を広げる。
「俺に何かしたのか?」
寝てる間に何かをした……それは一体なんだ?
「したよ、でもシルク君の質問も含めてそれが何なのかは言わない……だって」
はっきりと「したよ」と言った、すると急に鋭い目付きになるラキュ。
「色恋の話って自分で答えを出すべきじゃない?」
「……っ」
ラキュのその言葉は俺の心に深く突き刺さった。ま、るでナイフで抉られたかの様な心の痛み……それはとても痛くて苦しい物だった。
「僕は姉上の弟だからね、姉上がシルク君の事を好きな理由は勿論知ってる」
「だったら……」
言ってくれ!そう言おうとした時だ、ラキュは、はっきりとこう言った。
「でも言わない……これは大切な事だよ、だから自分で答えを見付けるべきだ」
「……」
自分で答えを見付ける……見付からないからラキュ、お前に聞いたのにか? だが「色恋の話って自分で答えを出すべきじゃない?」その言葉が耳に響く。
これは他人の力を頼ったら駄目なのか? その言葉を聞いて心が痛むと言う事は少なくともラキュの言った言葉は正しい……そう思ってるんだろう。
「取り敢えず深く悩まないで現状を良く見る事かな……」
「現状を見る…か」
現状、つまりロアとの日常の事か……ハードなスキンシップを受けて振り回されてる日常、全く答えが出る気配が無いんだが……。
「うん、そうすれば何時かは分かるんじゃ無いかな?」
「そうか……」
微笑むラキュを見て納得してしまう俺、頭の中で考えても答えが出ないんじゃそうするしか無いよな。
「分かった、そうしてみる」
「以外と納得するのが早いね……まぁいいや、是非そうしてみて」
そうと決まればしっかりやらなければいけない、しっかり現状を見て答えを出す! ロアは何故俺の事を好きなのかを……でも、答えが出てそれからどうする?
ナハトの事もある、また俺は悩んでしまうんじゃないのか? いやその事は一旦置いておこう、まずは目の前の問題の解決からだ!
「ラキュ……」
「ん?」
その前にやらないといけない事がある。
「その……怒鳴って悪かったな」
ラキュへの謝罪だ、深く頭を下げて俺は謝った。感、情のまま怒ってしまったからな……悪い事をしてしまった。
「気にしないでよ、誰だって深く悩めばそうなるさ」
ラキュは気にしていない様だ。
「そっそうか……」
「あぁもうっ!本当に気にしてないからそんな難しい顔しないでよ、スマイルスマイルっ」
ラキュは、にこっと笑って見せる、明らかな作り笑顔……何か可笑しいな。
「ははっ何だよその顔」
「えっ何か可笑しいかな?」
「あぁ……明らかに作り笑顔って分かる」
「えぇーそうかな?」と呟きぺたぺたと頬を触る、何時の間にか場の空気が緩くなった……今までのが嘘みたいだ。
「さて、話しは終わりで良いかな?」
「あぁ……」
何か直ぐ終わってしまった感がするが気にしない、ラキュは何だかんだで答えを出してくれた。
自分で考えろって言った割りには優しい行動だと思う、その行動に報いる為に俺は行動しよう、そう決心した時だ。
ぐぅぅっーー
と腹の底から音が鳴った、その音源は俺の腹からだ……恥ずかしい。
「どうやらお腹が空いたみたいだね」
「確かに……空いたな」
空は茜色に染まっていたし、もう夕飯時だ、お腹が空くのも無理も無いだろう。
「じゃ、あの脳筋の所に行こうか」
「脳筋?」
「鬼騎の事だよ……」
ラキュは脳筋って呼んでるのか……本人が聞いたら怒るぞ? まぁラキュも本人の前では言わないだろう。
「じゃぁそこに行こう、もしかしたらロアは既にそこにいるかも知れないな」
そしたらあの食堂に入った瞬間抱きつかれるんだろうな……正直少し迷惑だが、今を見ると決めたんだ少しは我慢するとしよう。
「そうだね、姉上ならきっと…」
ん……どうしたんだ? 話してる途中で黙ってしまった。
「シルク君もそうだけど姉上も姉上で問題なんだよね……」
……良く聞こえなかった、小さな声で何を言ったんだ?
「ん、何か言ったか?」
「何でもないよ、只の一人言さ……じゃ早く行こうか」
はぐらかされてしまった……まぁ良いか、俺とラキュはソファーから立ち上がる、するとラキュはグラスを魔法で消失させ、変わりにあの棺桶を出現させた。
「行こうか」
「あぁ」
ラキュは棺桶の取っ手を掴み開ける、中は黒い空間が広がっている……棺桶ワープか、これ何度やっても慣れそうに無いんだよな……そう思う俺を他所にラキュは先に前に進んでしまった、慌てて追い掛ける様に意を決して中に入る、うっ……この、ぐにゃっーーって視界が歪むのがが嫌なんだよな……でもこれも数秒で終わる、これが終わったら目の前にロアがいて抵抗される間もなく抱きつかれるに違いない。
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