どうやら魔王は俺と結婚したいらしい

わいず

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混沌とした状況が暫く続いたけど、時間と共に落ち着いた頃。

これじゃぁいけない、何とかしようと思い立ちました。
でっでも、何すれば良いのかな? じっくり悩んだ後、そうだ、お茶を振る舞おうと考え付いて、今行動に移してます。

「どっどうぞ、飲むと、おっ落ち着きます……よ」

ティーポットで紅茶を抽出し、ティーカップに注ぎ、アヤネちゃんの前に置きます。
この紅茶、バラの香りが良い紅茶なんです、実はこれ、さっき買ってきた茶葉を早速使ったものなんです、あたいも好きな紅茶だったりします。

「……」

じぃっとティーカップを凝視した後、ぐすっと鼻を啜りながらティーカップを両手で持ってくぴくぴ飲みました。

よっ良かったぁ、呑んでくれたぁ。
これで落ち着く筈……だよね、紅茶には心を落ち着かせる効果があるんだから。

「……お砂糖、ほしぃ」
「え、あっ、はいぃっ!」

掠れた声で訴えて来ました。そっそうですか、お砂糖欲しいんですか、でっでも、この紅茶、元々甘いテイストだからお砂糖入れたら甘過ぎなんじゃ……なんて思ったけど、本人がそう言うので直ぐに角砂糖を用意しました。

「どっどうぞ」
「ぁりがと」

ずずっと鼻をすすり、あたいが持ってきたシュガーポットから角砂糖を4個入れました。
おっ多すぎないですか? なんて思いましたが、黙って見てました。

「…………ん、ぁまぃ」

カラカラカラっーーとスプーンで混ぜた後、カップを持ってくぴくぴ呑む。
そっそりゃ、それだけお砂糖入れれば甘くなりますよ。

「あ、えと……おっお代わり、いっいります……か?」
「だぃじょぶ」

目をグシグシ擦るアヤネちゃん、そうした後、コトンっとカップをテーブルに置きました。
その後、黙っちゃいました、どっどうしよう、また気まずくなってきました、こっこの後なんて話しましょうか。
あっ明るい話なんてしますか? いやいや、そんな話なんてありませんし、今の状態で言う話じゃないです。

でっでも、そんな話をしない限り、この雰囲気から抜け出せ無い気がする。
しっしてみますか? 明るい話……むっ無理矢理考えて話してみますか? いっいや、止めましょう……きっともっと雰囲気が悪くなります。

なので、あたいも黙っちゃいました。
そうなって、またまた沈黙の時間が始まりました……。
でも、あたいは察しました、アヤネちゃん……お城で泣く程の何かあって出て来たんだ。
それと、これは推測なんだけど……きっと、お城はややこしい事になってる気がします。

うつ向き沈黙するあたいはそんな考察をするのでした。



……と、こんな風な事があったんです。
実は、それからアヤネちゃんに何が起きたのかは全く知らないんです、だって…何も聞いてないし、喋ってくれないから…。
以上、これがアヤネちゃんとの久々の出会でした。

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