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「はぁ……はぁ……ふぅ……」

必死に廊下を走る。
くぅ、横腹が痛い…いっいや、そんな事思っていられない。
侵入者が来たんだ、さっさと報告しないと……何かあったらダメだからな。

ひぃ…ひぃ…っと息を切らしながら俺は先を急いだ。
脚が痛いのを我慢して、いつもの数倍早く走っていた、その時だ……。

ゴガシャァァァンッ！！

空気を震わす程の轟音が鳴り響いた。
その性で、軽く城が揺れる。

「うぉっ……くっ、うぁっ」

その揺れに耐えきれず、転んでしまった。
やっやばい……あいつは本当に襲撃に来たんだ、だから暴れてるんだ。
でっでも、なんで此処に襲撃になんて来るんだ？ って、そんな事悩んでる暇はないか。

ドンッ！ ボンッ！ ゴシャァァンッ！ ズガァァァンッ！！

「っ！！」

まっまた空気が震えた。
同時に異様な雰囲気が辺りを覆った。
やっやばい、もう空気が張り摘めてくのが分かる……くっ、重苦しいな。

その事実に全身が震えていくのを感じる。
くっ、こっ恐い…だっだが、恐がってもいられない。
俺はそんな恐怖をはね除ける為、唇をぎゅっと噛み、ゆっくりと立ち上がって震えでよろめきながらも走り出した。
俺の中で不安がどんどん募っていく…頼む皆、無事でいてくれ！ そう思いながら前に見える曲がり角を曲がった。

そしたら……ドンッーーと誰かにぶつかった。

「ぐぁっ！？」

その衝撃で俺は、弾き飛ばされてしまう。
多分1、2メートルは吹き飛ばされた気がする、そう思う程の衝撃だった。
いっいたぃ…分厚い壁にでもぶち当たったかの様な衝撃だ。
くぅぅっ、かっ身体が痺れる、ジンジンするぅ。
そんな痛さに悶えながら、ゆっくりと顔をあげ前を見てみると……。

「っ！？」

そこには、きょとんとした顔付きの鬼騎がいた。
どうやら、ぶつかった相手は鬼騎らしい…一瞬本当に壁にぶつかったのかと思ってしまったんだが……鬼にぶつかったのか。

あ、良く見れば後ろにメェもいるな。
さっきの衝撃音が原因なのか酷く怯えている……はっ！ まさか、この2人もさっきの音を聞き付けてロアに伝えに来たのか？

「しっしぃ坊！？」

どうやらそうらしいな。
鬼騎の焦せる様子を見て確信がついた、そうと分かれば話が早い、一緒に報告しにいこう。
そう思って、その意向を伝えようとした……。

「なにしとる！ はよう部屋に戻っとけ！」

のだが……部屋に戻ってろと言われた。
しかも凄い剣幕でだ、えぇ……そんなキツく言わなくてもいいじゃん。
とっと言うか…おっ怒ってないか？ 俺、鬼騎に何かしたか？ してない気がするんだがなぁ。

しっしかし、部屋に戻っとけか……そんな事が浮かんだものの「え？ なんでだ？」なんて疑問を口に出来る筈もなく、俺は鬼騎の迫力に負け、震えながら頷いた。

「あ、あぁ…分かった」
「よしっ、んじゃぁ…寄り道せんと戻っとけ。メェさんはしぃ坊を見ててくれ、俺は魔王さんとヴァームの様子を見てくる！」
「了解したです！」

しゅびっ！ とメェが敬礼したのを見た鬼騎は大きな巨体に見会わず、凄い速さで走り去って行った。
……なっなんだか良くわからないが、率先してロアに今の現状を伝えに行ったって所か？ さっき怒った様に見えたのは、ただ緊迫してただけ、部屋に戻っとけと言ったのは、俺を安全な所へ避難させる為…なのかもしれない。

まぁ、そう考えれば納得がいく。
だったら、言われた通り部屋に戻ろう……そう思って、部屋に戻ろうとすると。

「じゃ、行くですよ！」

メェがそう言って、俺の前を歩いていく、俺はそれに着いて行った。