どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
54
此処は城下町の地下……満点に広がる綺麗な星と淡く優しく輝く三日月が美しい、なんて悠長に言ってる場合じゃない!
「走れシルク君っ風の様に!」
ラキュの必死の叫び声が聞こえる、その声に俺は……。
「ぜぇ…ぜぇ……」
満身創痍の状態で必死に走りながら聞いていた。
「あぁもうっ!」
堪り兼ねたラキュは俺を肩に背負う……本当にごめんな、そろそろ今の状況を伝えなければいけないな。
それはクータンの家を出て暫く経った時の事である。
「ここは結構広くて出入り口か多いんだよ、そこには姉上が知らない通路も存在するんだ……」
「へぇ、そうなのか…」
「クータンならそう言う事詳しいかな? って思ったんだけど……」
城下町地下を歩きながらそんな会話をする、そうかそれを聞き出していたら魔物達を避けて城下町を出られたかも知れないんだな。
「彼女、良い魔物なんだけど自分に自信が無いらしく直ぐに滅入っちゃうんだよ」
「もっと自分に自信持てば良いのにな……」
それでクータンはあんな事になってしまったと…あれ、子供が見たら泣くレベルだぞ、本当に放っておいて良かったのか?
「さて、どうしようか…」
立ち止まって考えるラキュ、すると聞き覚えのある声が響く。
「此処に男なのに女の格好をしている2人組の男の娘がいる筈ですの!」
まるで演説の様に大きな声でそれは響いた、この声はラムだな……!
不味い! ラキュと俺はそう思った、彼女が此処に来た理由は1つしかない。
「ん?」
「なんだ、どうした?」
ラムの声で騒ぎ出す街の魔物……因みに魔物達は腐っていたり、頭にボルトが刺さっていたりしていて何処かホラーな感じな奴等だった。
「なんて思ってる場合じゃない!」
「逃げるよシルク君!」
逃げるが勝ち!そんな訳で事が起きる前に早めに逃げる事にした。
「その男の娘を捕まえた人に……1週間コスプレし放題の権利を差し上げますわ!」
今……物凄く不愉快な事が聞こえて来た気がする、きっきききっ気のせいだよな?
「なん……だと!」
「だにぃぃ!」
「こいつぁ……やべぇやばすぎるぜ!」
その言葉を聞いて周りの奴等が昂る様子を見せる、言うのは2回目だが此処はホラーな奴が多いから勢いつかれると非情に恐い。
「あぁぁ……」って言う低い唸りだとか「こふぅぅ……」と言うくぐもった息遣いを聞いて、俺の恐怖ゲージはMaxだ。
さっさと逃げよう! 前にいるラキュに追い付く様に加速する、その矢先に次のラムの声が響いてくる。
「さらにオプション付きですの! 大変お得ですわよっ、さぁ早い者勝ちですわぁ!」
その声が聞こえた瞬間、一気に周りの視線が俺に集まる。
「ふっ……身体は腐ってるが足だけは腐らせてねぇ、可愛い奴をナンパする為になぁ!」
そう叫んで腐った男がいきなり走ってくる!
「うぉわぁぁぁっ! おっおっおってきたぁぁぉ!」
「シルク君、落ち着いて!」
俺は体力が無い……にも関わらずいきなりトップギアで走る! だってあれゾンビじゃん! 本気で追い掛けられたら恐いだろうがぁっ!
怖さからかラキュを追い越す俺……ラキュが止めてくるがそんなの関係あるか! 全力で逃げさせてもらう!
「はやっ! 今まで一番じゃない?」
ラキュが驚くのは無理もない……走ってて自分でも思うよ、俺今風になってる! この状態ならきっと逃げられる!
「ラキュ! 後ろから道案内頼むぞ!」
「わっ分かったよ、任せて!」
気合いの入った声が聞こえる、ラキュの方も本気で逃げている……だったら逃げ切って見せる! 今なら逃げ切る確率は……100%だ!
と、思っていた時期が俺にもありました。
「ごめん……ほんっと…ごめん」
「分かったっ分かったから、シルク君までネガティブにならないでよ!」
あれから直ぐ様息切れを起こしてすっかりお荷物になってしまう、己を知る大切さを身に染みて分かった数分間だった。
「あそこですわ! 皆様っ頑張ってくださいまし!」
まだラキュの肩に担がれてる俺は後ろを見ている事になる、ラムが魔物達を先導しているのが分かる、液体なのに素早い奴だな……。
「うぉぉぉっ全速前進だぁぁ!!」
それにラムの直ぐ後ろを走る骨も速い……成る程、骨だけだから軽いから速く走れる訳か……因みに追って来る奴等の大半はホラーな奴等だ、なんか怖すぎて可笑しくなってくる。
「ちっ……もう、ここを出るしかないね」
ため息まじりにラキュが呟く。
「えっ……それ、大丈夫か?」
「かなりの賭けになると思う……」
うっ……そんな事聞かされたらもの凄く心配になってきた。
「あそこ……あの出口から此処から出るよ!」
と、ラキュがそう言って地面を蹴る、上を見ると木漏れ日が射している、あれは地上の光が漏れてるんだろう。
「ごめん……此処に来たのは失敗だったかもしれない」
「あっ謝らないでくれ……俺なんか何の戦力もなっていない」
こんな事言って滅入ってる場合じゃない……そんなのは分かってる、だが思うんだ……これから地上を出たらどうするのかって、くっ……弱気になるな俺! 俺達は絶対に逃げ切るんだ! 俺は心からそう強く願った、絶対にこの地獄の鬼ごっこから逃げ切る為に!
「走れシルク君っ風の様に!」
ラキュの必死の叫び声が聞こえる、その声に俺は……。
「ぜぇ…ぜぇ……」
満身創痍の状態で必死に走りながら聞いていた。
「あぁもうっ!」
堪り兼ねたラキュは俺を肩に背負う……本当にごめんな、そろそろ今の状況を伝えなければいけないな。
それはクータンの家を出て暫く経った時の事である。
「ここは結構広くて出入り口か多いんだよ、そこには姉上が知らない通路も存在するんだ……」
「へぇ、そうなのか…」
「クータンならそう言う事詳しいかな? って思ったんだけど……」
城下町地下を歩きながらそんな会話をする、そうかそれを聞き出していたら魔物達を避けて城下町を出られたかも知れないんだな。
「彼女、良い魔物なんだけど自分に自信が無いらしく直ぐに滅入っちゃうんだよ」
「もっと自分に自信持てば良いのにな……」
それでクータンはあんな事になってしまったと…あれ、子供が見たら泣くレベルだぞ、本当に放っておいて良かったのか?
「さて、どうしようか…」
立ち止まって考えるラキュ、すると聞き覚えのある声が響く。
「此処に男なのに女の格好をしている2人組の男の娘がいる筈ですの!」
まるで演説の様に大きな声でそれは響いた、この声はラムだな……!
不味い! ラキュと俺はそう思った、彼女が此処に来た理由は1つしかない。
「ん?」
「なんだ、どうした?」
ラムの声で騒ぎ出す街の魔物……因みに魔物達は腐っていたり、頭にボルトが刺さっていたりしていて何処かホラーな感じな奴等だった。
「なんて思ってる場合じゃない!」
「逃げるよシルク君!」
逃げるが勝ち!そんな訳で事が起きる前に早めに逃げる事にした。
「その男の娘を捕まえた人に……1週間コスプレし放題の権利を差し上げますわ!」
今……物凄く不愉快な事が聞こえて来た気がする、きっきききっ気のせいだよな?
「なん……だと!」
「だにぃぃ!」
「こいつぁ……やべぇやばすぎるぜ!」
その言葉を聞いて周りの奴等が昂る様子を見せる、言うのは2回目だが此処はホラーな奴が多いから勢いつかれると非情に恐い。
「あぁぁ……」って言う低い唸りだとか「こふぅぅ……」と言うくぐもった息遣いを聞いて、俺の恐怖ゲージはMaxだ。
さっさと逃げよう! 前にいるラキュに追い付く様に加速する、その矢先に次のラムの声が響いてくる。
「さらにオプション付きですの! 大変お得ですわよっ、さぁ早い者勝ちですわぁ!」
その声が聞こえた瞬間、一気に周りの視線が俺に集まる。
「ふっ……身体は腐ってるが足だけは腐らせてねぇ、可愛い奴をナンパする為になぁ!」
そう叫んで腐った男がいきなり走ってくる!
「うぉわぁぁぁっ! おっおっおってきたぁぁぉ!」
「シルク君、落ち着いて!」
俺は体力が無い……にも関わらずいきなりトップギアで走る! だってあれゾンビじゃん! 本気で追い掛けられたら恐いだろうがぁっ!
怖さからかラキュを追い越す俺……ラキュが止めてくるがそんなの関係あるか! 全力で逃げさせてもらう!
「はやっ! 今まで一番じゃない?」
ラキュが驚くのは無理もない……走ってて自分でも思うよ、俺今風になってる! この状態ならきっと逃げられる!
「ラキュ! 後ろから道案内頼むぞ!」
「わっ分かったよ、任せて!」
気合いの入った声が聞こえる、ラキュの方も本気で逃げている……だったら逃げ切って見せる! 今なら逃げ切る確率は……100%だ!
と、思っていた時期が俺にもありました。
「ごめん……ほんっと…ごめん」
「分かったっ分かったから、シルク君までネガティブにならないでよ!」
あれから直ぐ様息切れを起こしてすっかりお荷物になってしまう、己を知る大切さを身に染みて分かった数分間だった。
「あそこですわ! 皆様っ頑張ってくださいまし!」
まだラキュの肩に担がれてる俺は後ろを見ている事になる、ラムが魔物達を先導しているのが分かる、液体なのに素早い奴だな……。
「うぉぉぉっ全速前進だぁぁ!!」
それにラムの直ぐ後ろを走る骨も速い……成る程、骨だけだから軽いから速く走れる訳か……因みに追って来る奴等の大半はホラーな奴等だ、なんか怖すぎて可笑しくなってくる。
「ちっ……もう、ここを出るしかないね」
ため息まじりにラキュが呟く。
「えっ……それ、大丈夫か?」
「かなりの賭けになると思う……」
うっ……そんな事聞かされたらもの凄く心配になってきた。
「あそこ……あの出口から此処から出るよ!」
と、ラキュがそう言って地面を蹴る、上を見ると木漏れ日が射している、あれは地上の光が漏れてるんだろう。
「ごめん……此処に来たのは失敗だったかもしれない」
「あっ謝らないでくれ……俺なんか何の戦力もなっていない」
こんな事言って滅入ってる場合じゃない……そんなのは分かってる、だが思うんだ……これから地上を出たらどうするのかって、くっ……弱気になるな俺! 俺達は絶対に逃げ切るんだ! 俺は心からそう強く願った、絶対にこの地獄の鬼ごっこから逃げ切る為に!
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