どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
308
あの後、シズハさんはハロウィンの知識を披露した後、突然「話すの飽きましたぁ」と言って部屋を飛び出していった。
ぽかーんと口を開けていたロアは暫くしてから「なっなんじゃあの勝手なやつは! やはり好きになれんっ」とか言って追い掛けていった。
残された俺とアヤネは顔を見合わせ、俺が……「久々に2人でゆっくるするか」と言った。
そしたら「うん」と返ってきた。
シズハさんの行動は謎が多すぎる。
それは昔から分かっていたが、改めて思ったよ。
で……今アヤネとゆっくりしている。
2人して、ソファーに座ってぽけぇっとする。
「なぁ、聞きたい事があるんだが……良いか?」
「なぁに?」
このまま黙ってるのもあれなので話し掛けてみた。
「シズハさん、このままここで暮らすのか?」
さっきまで好き勝手話して何処かに言ったが……あのままどうするんだ?
「分かんない」
「……だよな」
多分だが「楽しそうだからぁ、ここに暮らしまぁす」とか言いそうだ。
……そうなったら、俺の苦労の種が増えそうだ。
なんか、ここに長く住むに連れて苦労の種が増えてる気がする。
「ママに聞いてみよっか?」
「あぁ……それは任せる」
「ん、任された」
ぐっと手を握るアヤネ、ふんすーと鼻息して気合いを入れる。
なんか、気合いを入れてる様だが……そこまで入れなくても良いんじゃないか?
「ね、シルク……」
なんて疑問を感じてたら、俺の裾をちょいちょい引っ張ってくる。
「どうした?」
「あのね、大丈夫?」
「……え?」
大丈夫? なんの事だ? んー……と考えてみる、しかし思い付かない、アヤネは何に対して俺に「大丈夫?」と言ったんだ?
「さっき息切らしてたよ、もう大丈夫?」
「ん? あぁ……その事か」
一体なんの事かと思った、そうか……その心配だ。
「その事なら大丈夫だ」
「そう……良かった」
気遣ってくれてたのか……これは素直に嬉しいな。
「シルク、よわよわだから心配だったの」
「よっよわよわ……」
さりげに酷い……ほっ本当に心配してくれてるのか?
まぁ、にこっとしてるから本当なんだろうが……良く分からなくなってきたな。
「もっと体力つけないとダメ」
「それは常々自分でもそう思ってる」
特にヴァームに追われてる時は特にな……。
「そう。だったら鍛えてあげよっか?」
ん? アヤネが俺を鍛える……なるほど、それは良いかも知れない。
アヤネは強い、それに昔からの知り合いで身が入りやすい。
だから頼んで見ようかな……と思った時だ、アヤネが先に喋ってきた。
「毎日地獄の特訓してあげる」
「あ、いや……自分でするから大丈夫だ」
即答だ、地獄の……の辺りから反応して直ぐに言ってやった。
ここでも地獄に近いものを見せられてるのに、鍛えるのまで地獄だなんて断る!
それに、アヤネの言う地獄って表現が俺の想像を遥かに越えてそうで恐い、だから断った。
そしたら、一気にしゅんっ……と落ち込んだ。
「……どうしても?」
「どうしてもだ」
「私、シルクをムキムキに出来るよ」
「いや、そこまでなりたく無いんだ。軽く筋肉付ける程度で良いんだ」
「そこの所も上手くやれるよ? 私賢いから」
「きっ気持ちは嬉しいが……こう言うのは自分1人でやった方が良いだろ?」
偉くぐいぐい頼んでくる……どうしても俺を鍛えたいらしい。
だが……良いのだ、俺は地獄を見たくないんだ!
「そだね、シルクの言う通りかも」
「だろ?」
「うん」
ふぅ……なんとか折れてくれた。
だが、アヤネは俺にどう言う風に鍛えようとしてたんだ? 気になるが聞くと後悔しそうだから聞かないでおこう。
「あ」
と、考えてたら……何か思い出したのか俺の肩をがしっ! の掴んできた。
「ハロウィン……楽しみだね、実はそれを言いたかったの」
おっおぉ……そうなのか、だったらそれを言えば良かったのに。
あ、そうか……俺が先に話したから話す機会が無かったんだな。
「そっそうなのか、何時も通り唐突に言ってきたな」
「そんなに褒めちゃダメ」
「いや、褒めてないぞ」
「……そうなの?」
くりゃって小首を傾げるアヤネ、そしたら黒髪がふわりと揺れる。
可愛い……って思ってしまった。
顔が紅くなるのを隠しつつ黙っていると。
「ハロウィン……するのかな?」
話しを変えてきた。
ここは突っ込まずに話しに乗るか。
「あぁ、そんな話ししてたからな。するんじゃないか?」
「そうだったら嬉しい……」
にへぇって笑うアヤネ、本当に嬉しそうだ。 
「ねぇ」
「ん?」
アヤネは爛々と目を輝かしてる。
そのまま俺の手を掴んでくる……どきぃってなった俺は「ひゃっ」て声を上げてしまった。
「ハロウィンやるなら……私が楽しましてあげる」
「……そっそうか」
手を握られたままだから、キョドった感じで返事してしまった。
「私、頑張るね」 
「おっおぉ……頑張ってくれ」
何を頑張るのか知らないが……うっうん、頑張るなら頑張ってくれ。
恐らく俺だけが変に緊張したまま、こんな時間は暫く続く。
この時、俺は気付いていなかった。
アヤネが何を思って「私、頑張るね」と喋っていたのかを……。
ぽかーんと口を開けていたロアは暫くしてから「なっなんじゃあの勝手なやつは! やはり好きになれんっ」とか言って追い掛けていった。
残された俺とアヤネは顔を見合わせ、俺が……「久々に2人でゆっくるするか」と言った。
そしたら「うん」と返ってきた。
シズハさんの行動は謎が多すぎる。
それは昔から分かっていたが、改めて思ったよ。
で……今アヤネとゆっくりしている。
2人して、ソファーに座ってぽけぇっとする。
「なぁ、聞きたい事があるんだが……良いか?」
「なぁに?」
このまま黙ってるのもあれなので話し掛けてみた。
「シズハさん、このままここで暮らすのか?」
さっきまで好き勝手話して何処かに言ったが……あのままどうするんだ?
「分かんない」
「……だよな」
多分だが「楽しそうだからぁ、ここに暮らしまぁす」とか言いそうだ。
……そうなったら、俺の苦労の種が増えそうだ。
なんか、ここに長く住むに連れて苦労の種が増えてる気がする。
「ママに聞いてみよっか?」
「あぁ……それは任せる」
「ん、任された」
ぐっと手を握るアヤネ、ふんすーと鼻息して気合いを入れる。
なんか、気合いを入れてる様だが……そこまで入れなくても良いんじゃないか?
「ね、シルク……」
なんて疑問を感じてたら、俺の裾をちょいちょい引っ張ってくる。
「どうした?」
「あのね、大丈夫?」
「……え?」
大丈夫? なんの事だ? んー……と考えてみる、しかし思い付かない、アヤネは何に対して俺に「大丈夫?」と言ったんだ?
「さっき息切らしてたよ、もう大丈夫?」
「ん? あぁ……その事か」
一体なんの事かと思った、そうか……その心配だ。
「その事なら大丈夫だ」
「そう……良かった」
気遣ってくれてたのか……これは素直に嬉しいな。
「シルク、よわよわだから心配だったの」
「よっよわよわ……」
さりげに酷い……ほっ本当に心配してくれてるのか?
まぁ、にこっとしてるから本当なんだろうが……良く分からなくなってきたな。
「もっと体力つけないとダメ」
「それは常々自分でもそう思ってる」
特にヴァームに追われてる時は特にな……。
「そう。だったら鍛えてあげよっか?」
ん? アヤネが俺を鍛える……なるほど、それは良いかも知れない。
アヤネは強い、それに昔からの知り合いで身が入りやすい。
だから頼んで見ようかな……と思った時だ、アヤネが先に喋ってきた。
「毎日地獄の特訓してあげる」
「あ、いや……自分でするから大丈夫だ」
即答だ、地獄の……の辺りから反応して直ぐに言ってやった。
ここでも地獄に近いものを見せられてるのに、鍛えるのまで地獄だなんて断る!
それに、アヤネの言う地獄って表現が俺の想像を遥かに越えてそうで恐い、だから断った。
そしたら、一気にしゅんっ……と落ち込んだ。
「……どうしても?」
「どうしてもだ」
「私、シルクをムキムキに出来るよ」
「いや、そこまでなりたく無いんだ。軽く筋肉付ける程度で良いんだ」
「そこの所も上手くやれるよ? 私賢いから」
「きっ気持ちは嬉しいが……こう言うのは自分1人でやった方が良いだろ?」
偉くぐいぐい頼んでくる……どうしても俺を鍛えたいらしい。
だが……良いのだ、俺は地獄を見たくないんだ!
「そだね、シルクの言う通りかも」
「だろ?」
「うん」
ふぅ……なんとか折れてくれた。
だが、アヤネは俺にどう言う風に鍛えようとしてたんだ? 気になるが聞くと後悔しそうだから聞かないでおこう。
「あ」
と、考えてたら……何か思い出したのか俺の肩をがしっ! の掴んできた。
「ハロウィン……楽しみだね、実はそれを言いたかったの」
おっおぉ……そうなのか、だったらそれを言えば良かったのに。
あ、そうか……俺が先に話したから話す機会が無かったんだな。
「そっそうなのか、何時も通り唐突に言ってきたな」
「そんなに褒めちゃダメ」
「いや、褒めてないぞ」
「……そうなの?」
くりゃって小首を傾げるアヤネ、そしたら黒髪がふわりと揺れる。
可愛い……って思ってしまった。
顔が紅くなるのを隠しつつ黙っていると。
「ハロウィン……するのかな?」
話しを変えてきた。
ここは突っ込まずに話しに乗るか。
「あぁ、そんな話ししてたからな。するんじゃないか?」
「そうだったら嬉しい……」
にへぇって笑うアヤネ、本当に嬉しそうだ。 
「ねぇ」
「ん?」
アヤネは爛々と目を輝かしてる。
そのまま俺の手を掴んでくる……どきぃってなった俺は「ひゃっ」て声を上げてしまった。
「ハロウィンやるなら……私が楽しましてあげる」
「……そっそうか」
手を握られたままだから、キョドった感じで返事してしまった。
「私、頑張るね」 
「おっおぉ……頑張ってくれ」
何を頑張るのか知らないが……うっうん、頑張るなら頑張ってくれ。
恐らく俺だけが変に緊張したまま、こんな時間は暫く続く。
この時、俺は気付いていなかった。
アヤネが何を思って「私、頑張るね」と喋っていたのかを……。
「どうやら魔王は俺と結婚したいらしい」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
5,217
-
2.6万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
6,681
-
2.9万
-
-
3万
-
4.9万
-
-
8,191
-
5.5万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
265
-
1,847
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
23
-
3
-
-
14
-
8
-
-
62
-
89
-
-
2,534
-
6,825
-
-
213
-
937
-
-
6,044
-
2.9万
-
-
6,199
-
2.6万
-
-
65
-
390
-
-
2,860
-
4,949
-
-
29
-
52
-
-
2,629
-
7,284
-
-
614
-
1,144
-
-
187
-
610
-
-
450
-
727
-
-
3
-
2
-
-
6,237
-
3.1万
-
-
3,653
-
9,436
-
-
1,000
-
1,512
-
-
89
-
139
-
-
62
-
89
-
-
3,224
-
1.5万
-
-
86
-
288
-
-
71
-
63
-
-
477
-
3,004
-
-
33
-
48
-
-
86
-
893
-
-
47
-
515
-
-
83
-
250
-
-
10
-
46
-
-
398
-
3,087
-
-
10
-
72
-
-
218
-
165
-
-
3,548
-
5,228
-
-
7
-
10
-
-
17
-
14
-
-
27
-
2
-
-
9
-
23
-
-
614
-
221
-
-
2,799
-
1万
-
-
18
-
60
-
-
183
-
157
-
-
116
-
17
-
-
104
-
158
-
-
164
-
253
-
-
34
-
83
-
-
51
-
163
-
-
42
-
14
-
-
1,391
-
1,159
-
-
4,922
-
1.7万
-
-
1,658
-
2,771
-
-
1,301
-
8,782
-
-
220
-
516
-
-
215
-
969
-
-
7,474
-
1.5万
-
-
408
-
439
コメント