どうやら魔王は俺と結婚したいらしい

わいず

311

真っ暗な空間に俺はいた……そこは妙に暖かくて居心地が良い場所だ。
なんでこんな所にいるんだ? なんて思ってたら突然声が響いた。

「シルク様」

この声は……ヴァームか?  しかし姿は見当たらない。
なんだ? と、俺は返事をした……。

そしたら、遠くからとっても嬉しそうな顔をしながら服をもって俺の方に駆け寄って来るのが見えた。

「新しい服が出来ました。着ないと泣かせますよー」

え? 泣かせる?
一体なにを……って、なんだその服は!? やっやめろっ、こっちに来るな!
その服を俺に近づけるなっ、やっやめっやめろぉぉぉぉぉぉっ!!! 


「はぅぁッ!?」

ガバァっ!!
全身に鳥肌が立ち、俺は目を覚ましてしまう……。

はぁ……はぁ……いっ今のは、ゆっ夢か? 夢なんだよな?
それを確認する為に服を確認してみる……よし、服はいつもの可愛いパジャマだ、だったらあれは夢だ。

「はぁぁ、良かった……」

安堵のため息をはき、胸を押さえる。
いやぁ……おっそろしい夢を見てしまった、ここに来て一番の悪夢だな、あれは。

苦笑いしつつ、ふと時計を見ると……午前2時を指していた、ずいぶん早い時間に目が覚めたな。

だっだが、悪夢を見たたんだ仕方ないだろう。
それに悪寒的な物も感じた……それもとびっきり大木な物をな。

なんと言うか、このまま寝ていては危険だ! って言う感じんだったんだ。

なっなんだったんだあの夢は? これは何かの予兆か?
いやいやまさかそんな事は無いよな? 昨日シズハさんが突然出現して来たばかりだぞ?

そんなにポンポンと何かあって貰っては困る、ひっじょうに困る。
そう思いたいんだが、やばい……胸騒ぎが止まらない。

「ははは……なんなんだろうな、これは」

ポツリと喋った後、寝直す。
俺が勢い良く起きたのにも関わらず、ロアは何事も無かったかの様にすやすや眠ったままだ。

「寝て、忘れよう」

さっき事はきっと気のせいだ。
それか、今日はシズハさんが来たから妙に疲れて変な何かを感じたんだ、そうだ……きっとそうに違いない。

ゆっくりと目を閉じて深呼吸……。
妙な焦りがつのるなか、俺は落ち着いて眠りについた、だが眠れない。

心の奥底から沸き上がってくる何かが邪魔をして眠れない。
なんでだ? 再び目を開ける……すると、汗をかいている事に気が付いた。

手汗凄いな……。
それに、心臓がバクバク鳴ってる、正直痛い位だ。

「うぅ、むふぅ……しぃるくぅぅ」

と、ここでロアの寝言。
朝早く起きた時、いつもこんな感じの寝言を耳にするが……ロアの夢の中に俺が出てきてるのか?

「うぅぅ、うぁぁ……。しょこはらめぇぇ」

もぞっ……もぞもぞっ。
おい、夢の中の俺は何をしてるんだ? ロアがにへぇって微笑んで身をよじってるぞ。

それに、若干顔も紅い。
と言うか、俺が寝てる時こんな事隣で言ってたんだな……。

「俺を勝手に夢に出すな」

こつっ、とロアの額にデコピンしてやった。

「あぅっ、んん……」

少し身体がピクンッと跳ね、ぎゅぅっと身体をまるくする。
……その体制だと朝起きた時、身体が痛いぞ?

なんて思いつつ、今度こそ寝ることにした。
こんな時間に二度寝したら、きっと朝を通り越して昼に眼が覚めるだろうな。

その考えにクスっと笑った後……俺は目を閉じた。
そしたら、急に眠気が襲ってきた。
さっきの悪夢で眠気なんて吹き飛んだと思ったのに……不思議な物だ、なんか奇妙さを感じるな。

まぁはやく寝付けるのはありがたいか……じゃぁ、この眠気に身を任せよう。
きっと今日も大変な1日になる、だったらしっかり休まないとな……。

そう考えたと同時に俺は意識を手放した、そうして泥のように眠るのであった……。

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