どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
284
 僕は手を差し出したまま硬直してしまう。
正直に言うよ、とっても気まずい! そして、やってしまった感が半端じゃないよ。
「あぁ……えと、大丈夫?」
苦笑いしながら話し掛ける。
そしたら……その娘は案の定、がくがくぷるぷる震え出す。
うん、分かっていたよ分かっていたさ、そんな反応されるのはね……。
そりゃそうだよ、見ず知らずの人に馴れ馴れしく話し掛けられた相手に手を差し伸ばされてるもんね、震えるのも仕方無いよ。
「あ……う……」
その娘は顔を真っ赤にして僕を見てる、そして小さな声で何か喋ったね。
しばらくじぃっと見てて何かに気づいたのか「あ」と小さく呟く。
「っ……」
そして、ささっと顔を背けた。
うわぁ……更に気まずくなったぁ、逃げたい、物凄く逃げたい。
だって、最近の事があるから逃げ出したいよ……でも、ぶつかって転ばせたからねぇ。
「立てる……よね?」
「……」
こくんっ。
あ、頷いたね……良かった、立てるみたいだね。
ほっとしていると、その娘は僕の手をじぃっ凝視した後……がしぃっ! と掴んで来た。
そりゃもう力強くだ。
握り方で君の緊張が伝わってくるよ、と言うかこの娘……結構力強いね。
と、そんな事考えてないで立ち上がらせよう。
腕に力を加えて引き起こす……その娘は立ち上がった。
なので、手を離す。
「あ、あり……っ」
そしたら、その娘が何かを言おうとした。
その言葉から察するに「ありがとう」って言いたいのかな?
……今更思ったけど、この娘話しベタだね。
でも、言えてないね……手をぎゅっと握ってモジモジしてる、それに下を向いちゃってる。
相変わらず顔は見せてくれないんだね……。
「あっあり……ありあり……」
……うん、すっごい噛みまくってるね。
伝えたい事は分かるから返事しようかな。
「あ、気にしなくて良いよ?」
「っ、あっうっ……」
そしたら一瞬だけ僕を見た。
「じゃ、気を付けて帰ってね」
これ以上話す事も無いし、この娘とは別れよう。
僕がそう言ったのを聞くと、その娘はぶんって音がなる位素早く頭を下げた後、後ろを向いた。
動作が一々素早い……すっごく緊張してる。
「……いっ」
って、あれ? 急にうずくまったね……。
どうかしたのかな? って、あ!
「……ぅぅ」
彼女は黒のローブを捲った、白くて綺麗な脚だね……って、あっ足を怪我している!?
脛の辺りが真っ赤になってるじゃないか。
「ごっごめん! それ、ぶつかった時に出来た怪我だよね?」
「え、あっ、へ?」
慌てる僕は、素早く頭を下げて謝る。
やらかした、盛大にやらかしたよ僕!
……て、あれ? さっきあの娘、「怪我してないよね?」って聞いたとき首を縦に振ったよね?
あぁ分かった、言い出せなかったんだ。
この娘の今までの行動から見て分かる、恥ずかしくて言い出せなかったんだ!
って、そんな事はどうでも良いんだよ、早いとこ治療しないといけないね。
 
「治療魔法は得意じゃないんだけど……その怪我なら治せるよ、じっとしててね」
その娘の方に近寄って屈む。
そしたら、またその娘がびくっと震えたけど気にしない。
今は治療が先だ!
焦って震える手を落ち着けながら、その娘が怪我してる部分に手をかざす。
しゅぱぁぁ……。
淡い光がその娘の脛に当たる、よし……この回復魔法で怪我が治る。
「はい、治ったよ。ごめんねぶつかって……じゃぁね」
本当はもっと謝るべきなんだけど、居心地の悪さからか去る。
「え……」
そしたらだ、その娘は小さな声をあげる。
はぁ……もうあれだね、もうこの娘と顔合わせるだけで気まずくなるね。
ガシッ……。
ん? 誰かに手を握られたね……バッと後ろを向いてみる。
あ、さっきの娘が握ってきてる。
え、なに? 凄い見た来るんだけど……ちょっと怖い。
「あっ……うっ、くぅぅ」
???
なっなに? 何を伝えたいの? 流石にこれは分からな……って、うぉっ!?
突然、グイッと手を引っ張られる。
すっ凄い力だ、って……なに? 急に引っ張って……何のつもりなの?
「…………っっ」
今回は、僕をじぃっと見て黙ったまま。
余計にこの娘が何を考えてるのか分からない……。
だけど、なんだろ……気のせいだろうけど「こっちに来て」と伝えている気がする。
……まぁそれは確認すれば良い事か。
「もしかして、そっちに着いて来て欲しいの?」
なので聞いてみた。
そしたら、ブンブンと首を振ってくる。
うん、予想通りそうみたいだったね……。
そうか、着いて来て欲しいんだね?
どうしよう、着いていこうかな? っと言っても選択肢は1つしかない。
この娘……物凄い必至の形相で見てくるんだもん、よっぽど着いて来て欲しいみたいだ。
だったら着いて行こうかな? 何があるかは分からなくて怖い部分があるけど……多分大丈夫。
と言う訳で、僕はその娘に手を引かれるまま連れていかれた。
何処に連れていかれるんだろうねぇ。
正直に言うよ、とっても気まずい! そして、やってしまった感が半端じゃないよ。
「あぁ……えと、大丈夫?」
苦笑いしながら話し掛ける。
そしたら……その娘は案の定、がくがくぷるぷる震え出す。
うん、分かっていたよ分かっていたさ、そんな反応されるのはね……。
そりゃそうだよ、見ず知らずの人に馴れ馴れしく話し掛けられた相手に手を差し伸ばされてるもんね、震えるのも仕方無いよ。
「あ……う……」
その娘は顔を真っ赤にして僕を見てる、そして小さな声で何か喋ったね。
しばらくじぃっと見てて何かに気づいたのか「あ」と小さく呟く。
「っ……」
そして、ささっと顔を背けた。
うわぁ……更に気まずくなったぁ、逃げたい、物凄く逃げたい。
だって、最近の事があるから逃げ出したいよ……でも、ぶつかって転ばせたからねぇ。
「立てる……よね?」
「……」
こくんっ。
あ、頷いたね……良かった、立てるみたいだね。
ほっとしていると、その娘は僕の手をじぃっ凝視した後……がしぃっ! と掴んで来た。
そりゃもう力強くだ。
握り方で君の緊張が伝わってくるよ、と言うかこの娘……結構力強いね。
と、そんな事考えてないで立ち上がらせよう。
腕に力を加えて引き起こす……その娘は立ち上がった。
なので、手を離す。
「あ、あり……っ」
そしたら、その娘が何かを言おうとした。
その言葉から察するに「ありがとう」って言いたいのかな?
……今更思ったけど、この娘話しベタだね。
でも、言えてないね……手をぎゅっと握ってモジモジしてる、それに下を向いちゃってる。
相変わらず顔は見せてくれないんだね……。
「あっあり……ありあり……」
……うん、すっごい噛みまくってるね。
伝えたい事は分かるから返事しようかな。
「あ、気にしなくて良いよ?」
「っ、あっうっ……」
そしたら一瞬だけ僕を見た。
「じゃ、気を付けて帰ってね」
これ以上話す事も無いし、この娘とは別れよう。
僕がそう言ったのを聞くと、その娘はぶんって音がなる位素早く頭を下げた後、後ろを向いた。
動作が一々素早い……すっごく緊張してる。
「……いっ」
って、あれ? 急にうずくまったね……。
どうかしたのかな? って、あ!
「……ぅぅ」
彼女は黒のローブを捲った、白くて綺麗な脚だね……って、あっ足を怪我している!?
脛の辺りが真っ赤になってるじゃないか。
「ごっごめん! それ、ぶつかった時に出来た怪我だよね?」
「え、あっ、へ?」
慌てる僕は、素早く頭を下げて謝る。
やらかした、盛大にやらかしたよ僕!
……て、あれ? さっきあの娘、「怪我してないよね?」って聞いたとき首を縦に振ったよね?
あぁ分かった、言い出せなかったんだ。
この娘の今までの行動から見て分かる、恥ずかしくて言い出せなかったんだ!
って、そんな事はどうでも良いんだよ、早いとこ治療しないといけないね。
 
「治療魔法は得意じゃないんだけど……その怪我なら治せるよ、じっとしててね」
その娘の方に近寄って屈む。
そしたら、またその娘がびくっと震えたけど気にしない。
今は治療が先だ!
焦って震える手を落ち着けながら、その娘が怪我してる部分に手をかざす。
しゅぱぁぁ……。
淡い光がその娘の脛に当たる、よし……この回復魔法で怪我が治る。
「はい、治ったよ。ごめんねぶつかって……じゃぁね」
本当はもっと謝るべきなんだけど、居心地の悪さからか去る。
「え……」
そしたらだ、その娘は小さな声をあげる。
はぁ……もうあれだね、もうこの娘と顔合わせるだけで気まずくなるね。
ガシッ……。
ん? 誰かに手を握られたね……バッと後ろを向いてみる。
あ、さっきの娘が握ってきてる。
え、なに? 凄い見た来るんだけど……ちょっと怖い。
「あっ……うっ、くぅぅ」
???
なっなに? 何を伝えたいの? 流石にこれは分からな……って、うぉっ!?
突然、グイッと手を引っ張られる。
すっ凄い力だ、って……なに? 急に引っ張って……何のつもりなの?
「…………っっ」
今回は、僕をじぃっと見て黙ったまま。
余計にこの娘が何を考えてるのか分からない……。
だけど、なんだろ……気のせいだろうけど「こっちに来て」と伝えている気がする。
……まぁそれは確認すれば良い事か。
「もしかして、そっちに着いて来て欲しいの?」
なので聞いてみた。
そしたら、ブンブンと首を振ってくる。
うん、予想通りそうみたいだったね……。
そうか、着いて来て欲しいんだね?
どうしよう、着いていこうかな? っと言っても選択肢は1つしかない。
この娘……物凄い必至の形相で見てくるんだもん、よっぽど着いて来て欲しいみたいだ。
だったら着いて行こうかな? 何があるかは分からなくて怖い部分があるけど……多分大丈夫。
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