どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
277
道中、話ながらクーの家に向かって……今辿り着いた。
「……っと。ふぅ、やっと着いたよ」
「そっそうですね」
ほっと一息ついた後、薄暗い部屋を歩いて、どさっと荷物をキッチンの横にあるスペースに乗せる。
はぁ……少し疲れたね。
荷物が重かったのか知らないけど、クーの家に着くまで時間が掛かった気がするね。
「あっあり、ありがとう。助かりました……」
「気にしなくて良いよ、付き合い長いんだからさ」
かるーく話してくれたら良いよ、もっと肩の力抜きなよ。
「あっうぅ……はい」
と、言ったんだけどクーはガチガチになっちゃってる、あぁ……何時も通りだなぁ。
「……じゃ、僕は帰るよ。また何時か会おうか」
にっ、とクーに笑いかけた後、僕は帰る事にした。
荷物も運んだし、此処でやる事は無い。
だから出ていこうと思ったんだけど……クーが、ばっ! と僕の方を見て来た。
「あっあの!」
「っ」
びっくりした……急に大きな声出さないでよ。
何事だと思ってクーを見てると、ぷるぷる震えていた。
あ、これ……クーが何か言おうとしてる時だ。
だけど、黙ったまま何も喋らない。
ここで普通の人なら「何も無いなら行くよ」と言う所だが……僕は違う。
言うまで待つよ、そしたらクーは話してくれるよ。
多分今、話す内容を頭にまとめてる所だね、それか話すの恥ずかしいから気持ちを落ち着けてるかのどちらかだ。
まぁ理由はどうあれ話してくれるまで待とう。
ここに来れば早く帰る理由は無いからね。
と言うわけで待つ、およそ10秒くらいかな? クーがすぅぅっと息を吸い込んだ。
あ、この仕草……これから言う所だね。
「もっももっもし良かったら……おっお茶、しっしていきき、まっままっませんか?」
軽いお誘いを物凄く緊張しながら言ってきた。
すっごい噛みまくりな上に震え声、どこどの脳筋ヘタレ鬼と良い勝負だね。
そんな事を思ってしまって、くすっと笑ってしまう。
「うっ、わっ笑わないでよ……頑張って言ったのに」
「くふふ、ごめんごめん。じゃ……ゆっくりしていこっかな」
そう言って、僕はソファーの方へ歩く。
ちらっと後ろを振り向くと、クーがキッチンでお茶の準備をしてた。
「手伝おっか?」
「だっ大丈夫ですっ!」
悪いけど、全く大丈夫に聞こえないんだよね……。
でもまぁ、クーの場合は本当に大丈夫だから問題ない筈だ。
だから、僕はソファーに座った。
よっと……ふぅぅ、いつ座ってもふかふかだねぇ、今度僕の部屋にも置こうかな?
それにしても、ここは薄暗い。
クーは明るい所苦手だからわざと薄暗くしてるらしいんだけど……もうちょっと明るくした方が良いと思う。
なんて事をクーに言ったら「ほっ放っておいてよ」と言われるだろうね。
「ラキュ君、のっ飲み物はトマトジュースでいっ良いです……よね?」
「うん、良いよー」
どうやら、僕が手伝う前に飲み物の準備は出来たみたいだ。
クーの方を見てみると、両手でトレイを持っていた、上にはトマトジュースの入ったコップとティーカップが置いてある。
中に入れてるのは紅茶かな? そんな匂いがするよ。
かたっ……かたっかたっ。
あぶなかっしい足取りで僕の所へたどり着き、それをテーブルに置いた。
「どっどうぞ」
「うん、頂くよ」
そう言って、コップにてを伸ばす。
その途中で僕は手を止めた、クーが立ったまま僕を見てるからだ。
「えと……座ったら?」
「へっ、あっ……はい」
僕の言葉にすぐ反応して、ささっと座る。
なにその、友達の部屋に初めて来た時の様な反応は……自分の家なんだから、変な遠慮なんてしなくて良いのに。
「……クー」
「はっはい?」
「相変わらず常時緊張してるね。肩の力抜きなよ」
「っ、しっしてないよ! こっこれがあたいの……いっ何時も通りだもんっ!」
「あ……やっと敬語止めたね」
そう指摘すると、クーは固まった。
そして、僕の方にびしっ! と 指差した。
くふふふ、きっと被り物の中で口をパクパクさせてるんだろうなぁ。
……そう言えば、こうやってからかったのって久しぶりかもしれない。
最近は、ずぅっと考え事してたからね……なんか気持ち的にすっとしたよ。
「らっららっラキュ君だって、緊張する事あっある癖に!」
「あー、ごめん……思い当たらないなー」
にこっと笑って棒読みで言った。
そしたらクーは指を下ろして、大きくため息をはいた。
「うっうぅ、相変わらず意地悪……だね」
「それが僕の個性だからね。もっと誉めて良いよ」
「ほっ誉めて無いですっ!」
たんっ! テーブルを叩いて怒るクー、ふんっふんっ……って言う息使いが聞こえる。
大分興奮してるね。
こんなクーは物凄くレアだ、長い付き合いで数回しか見た事が無い。
「まぁ、落ち着きなよ。興奮すると身体に悪いよ?」
「だっだだっ誰のせいで、こっ興奮してると思ってるの!」
そんなクーの怒鳴り声をかるーく流してトマトジュースを飲む。
……と、そろそろからかうのは止めよう。
クーの場合、やり過ぎるとネガティブモードになるからね。
そうなると、ひっじょょょうに面倒くさい、だからここらで止めよう。
正直からかい足りないけど、足りない分は他の人達で補おう。
そう思った僕は、クーとのティータイムを楽しむのであった……。
「……っと。ふぅ、やっと着いたよ」
「そっそうですね」
ほっと一息ついた後、薄暗い部屋を歩いて、どさっと荷物をキッチンの横にあるスペースに乗せる。
はぁ……少し疲れたね。
荷物が重かったのか知らないけど、クーの家に着くまで時間が掛かった気がするね。
「あっあり、ありがとう。助かりました……」
「気にしなくて良いよ、付き合い長いんだからさ」
かるーく話してくれたら良いよ、もっと肩の力抜きなよ。
「あっうぅ……はい」
と、言ったんだけどクーはガチガチになっちゃってる、あぁ……何時も通りだなぁ。
「……じゃ、僕は帰るよ。また何時か会おうか」
にっ、とクーに笑いかけた後、僕は帰る事にした。
荷物も運んだし、此処でやる事は無い。
だから出ていこうと思ったんだけど……クーが、ばっ! と僕の方を見て来た。
「あっあの!」
「っ」
びっくりした……急に大きな声出さないでよ。
何事だと思ってクーを見てると、ぷるぷる震えていた。
あ、これ……クーが何か言おうとしてる時だ。
だけど、黙ったまま何も喋らない。
ここで普通の人なら「何も無いなら行くよ」と言う所だが……僕は違う。
言うまで待つよ、そしたらクーは話してくれるよ。
多分今、話す内容を頭にまとめてる所だね、それか話すの恥ずかしいから気持ちを落ち着けてるかのどちらかだ。
まぁ理由はどうあれ話してくれるまで待とう。
ここに来れば早く帰る理由は無いからね。
と言うわけで待つ、およそ10秒くらいかな? クーがすぅぅっと息を吸い込んだ。
あ、この仕草……これから言う所だね。
「もっももっもし良かったら……おっお茶、しっしていきき、まっままっませんか?」
軽いお誘いを物凄く緊張しながら言ってきた。
すっごい噛みまくりな上に震え声、どこどの脳筋ヘタレ鬼と良い勝負だね。
そんな事を思ってしまって、くすっと笑ってしまう。
「うっ、わっ笑わないでよ……頑張って言ったのに」
「くふふ、ごめんごめん。じゃ……ゆっくりしていこっかな」
そう言って、僕はソファーの方へ歩く。
ちらっと後ろを振り向くと、クーがキッチンでお茶の準備をしてた。
「手伝おっか?」
「だっ大丈夫ですっ!」
悪いけど、全く大丈夫に聞こえないんだよね……。
でもまぁ、クーの場合は本当に大丈夫だから問題ない筈だ。
だから、僕はソファーに座った。
よっと……ふぅぅ、いつ座ってもふかふかだねぇ、今度僕の部屋にも置こうかな?
それにしても、ここは薄暗い。
クーは明るい所苦手だからわざと薄暗くしてるらしいんだけど……もうちょっと明るくした方が良いと思う。
なんて事をクーに言ったら「ほっ放っておいてよ」と言われるだろうね。
「ラキュ君、のっ飲み物はトマトジュースでいっ良いです……よね?」
「うん、良いよー」
どうやら、僕が手伝う前に飲み物の準備は出来たみたいだ。
クーの方を見てみると、両手でトレイを持っていた、上にはトマトジュースの入ったコップとティーカップが置いてある。
中に入れてるのは紅茶かな? そんな匂いがするよ。
かたっ……かたっかたっ。
あぶなかっしい足取りで僕の所へたどり着き、それをテーブルに置いた。
「どっどうぞ」
「うん、頂くよ」
そう言って、コップにてを伸ばす。
その途中で僕は手を止めた、クーが立ったまま僕を見てるからだ。
「えと……座ったら?」
「へっ、あっ……はい」
僕の言葉にすぐ反応して、ささっと座る。
なにその、友達の部屋に初めて来た時の様な反応は……自分の家なんだから、変な遠慮なんてしなくて良いのに。
「……クー」
「はっはい?」
「相変わらず常時緊張してるね。肩の力抜きなよ」
「っ、しっしてないよ! こっこれがあたいの……いっ何時も通りだもんっ!」
「あ……やっと敬語止めたね」
そう指摘すると、クーは固まった。
そして、僕の方にびしっ! と 指差した。
くふふふ、きっと被り物の中で口をパクパクさせてるんだろうなぁ。
……そう言えば、こうやってからかったのって久しぶりかもしれない。
最近は、ずぅっと考え事してたからね……なんか気持ち的にすっとしたよ。
「らっららっラキュ君だって、緊張する事あっある癖に!」
「あー、ごめん……思い当たらないなー」
にこっと笑って棒読みで言った。
そしたらクーは指を下ろして、大きくため息をはいた。
「うっうぅ、相変わらず意地悪……だね」
「それが僕の個性だからね。もっと誉めて良いよ」
「ほっ誉めて無いですっ!」
たんっ! テーブルを叩いて怒るクー、ふんっふんっ……って言う息使いが聞こえる。
大分興奮してるね。
こんなクーは物凄くレアだ、長い付き合いで数回しか見た事が無い。
「まぁ、落ち着きなよ。興奮すると身体に悪いよ?」
「だっだだっ誰のせいで、こっ興奮してると思ってるの!」
そんなクーの怒鳴り声をかるーく流してトマトジュースを飲む。
……と、そろそろからかうのは止めよう。
クーの場合、やり過ぎるとネガティブモードになるからね。
そうなると、ひっじょょょうに面倒くさい、だからここらで止めよう。
正直からかい足りないけど、足りない分は他の人達で補おう。
そう思った僕は、クーとのティータイムを楽しむのであった……。
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