どうやら魔王は俺と結婚したいらしい

わいず

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話は昨晩に戻ります。
時間的には、風呂にはいる時間から始まりますわ……。

皆がお風呂に入ってる時、あたしは自分の部屋にいましたの。
その時は、何も可笑しな事が無くて、趣味である"正しいドMの苛め方"について考えていましたの……。

今日はどう言う訳か、泉の様にアイデアが沸き上がりましたの。
それで何度か果てそうになりましたわ……でも、我慢しましたの。
ドMは簡単には果てない、幸福感が全身に満ち溢れた時に果てるものですの。

と、いけません。
話が脱線しましたわ、続けます。
その事を考えてる時……ふと、あたしは思いましたの。
そろそろ、お風呂に行きたい……と。

時間的に、入って良い時間。
あたしは、部屋にある置時計を見てそう思いましたわ。

で、部屋を出ましたの。
長い廊下を歩いて行く最中、自分が幸せに感じる事を思いながら歩きました。
お陰で辿り着くまでに3度沸騰しちゃいましたわ。

そんな蒸発の危機にさらされながらも目的地に辿り着きましたの。
あたしは、わくわくしながら扉を開きましたわ。

そしたら、脱衣場に見慣れた衣服がありましたの。
そう……その衣服はロア様の物ですわ!

全身に雷の様な衝撃が走りましたわ……やった! あたしの予想通り、ロア様がお風呂に入っていると!

うふふふふ……これを見越して、あたしは此処に来ましたの。
って、あら? ロア様……なんで無言で拳を握ってますの?
あっ! もしかしてあたしを打ちますの?

いっ良いですわ! どんと来てくださいましっ!
……え? 打たない? 話を続けろ? わっ分かりましたわ……その焦らしプレイ、慎んでお受けします。

……えと、話はロア様の服を手にとって匂いを嗅いだ所からでしたっけ? え? それはもう良いから先にすすめ?
わっ分かりましたわ。

えと……あたし、そうした後、暫くそこに居ましたの。
そしたらロア様が慌てた様子で出てきましたわ!
服も着ずに廊下に出掛けたくらい慌ててましたの。

その瞬間、あたしは興奮してしまいましたの!
だって、走り出てきましたのよ? その際胸がぶるんぶるんと揺れてぶひゃぁっ!

いっ痛いですわっ! ろっロア様っ、きゅっ急に殴るなんて……身に余るご褒美ですわっ! あぁ……その冷めきった目であたしを睨んでくださいましっ。

……え? あぁ、まだ話は終わっていませんわ。
はい……続きをお話しします。

えと、その様子を興奮しながら見送った後、あたしは直ぐ様に浴場に向かいましたの。

辺りは湯気で覆われてて、少し視界が悪かったですわ。
まぁ、それは微々たる物でしたから気にもせずにお風呂の所に向かいましたの。

え? なぜ慌てて浴場に向かったのか? ふふふ、ロア様……そんなの分かりきってますでしょ?
当然っ、ロア様が入った浴場のお湯を飲む為ですわ!

と、いけません! また話がそれてしまいましたわ。
あら? どうしたのですロア様、頭を抱えてますわ? え? 気にするな? そっそうですか……分かりましたわ。

えと、あたしは浴場に手を入れようとしましたの……その時ですわ。

ぴたっ……ぴたっ……。
と、水溜まりの上を歩いた様な足音が聞こえましたわ。

その音に驚いて、あたしは後ろを振り返りましたの。
そしたら誰もいませんの……なんだ、聞き間違えですの? そう思って、また手を入れようとした時……。

ぴたっ……ぴたっ……。
と、足音が聞こえましたの。
あたしはまた振り返りましたわ、でもそこには誰もいない……少し怖くなったあたしは、やや興奮気味にその場を離れようとしましたの。

その時、あたしの肩に何かが触れましたの!
どきっ! と驚いたあたしは、また振り返りましたの!

そしたら、そこにいたのは……。
白いお面を被った、全裸の素敵な身体を持つ、ぼんっきゅっぼんの女性でしたの。
見た目は、アヤネさんより背を少しだけ高くして、胸が少し大きい位でしたわ。

でも髪型は、黒髪のロングヘアーでしたの。
急に現れたその人は、あたしの肩に手をおいたまま……。

「身体洗ってないのに、お風呂に入っちゃだめぇって言おうとおもいましたけどぉ……可笑しな人? が入ってきましたねぇ」

と、眠たくなる様な喋り方でそう言った後、食い入る様に全身くまなく、あたしの身体を見始めましたの。

360度全方位……途中、「ほぉ……」と口ずさながら。
で、それが終わったあと。

「ふわぁ……凄いですねぇ、全身骨の人、犬人間さんと色々見てきましたけどぉ……水人間さんは初めてみましたぁ、珍しいですぅ」

あたしは困惑しましたわ、どっどうすれば……これ、どうするのが正解ですの?
そう困ってると、急にその人が、暑そうに仮面を少しだけずらしましたの……。

「うぁぁ……暑いですぅ、変装の為に付けてる仮面、暑いですぅ。ここで外す訳には行きませんから……私はもう行きますね。水人間さん……ちゃんと身体洗うんですよぉ」

え? あっ……お待ちなさい! そう言おうとしたのですけど。
それを言う前に、その人は出ていきましたわ……可笑しな人、そう感じた時。

あたしは悟りましたの……。
今の人、見知らぬ人でしたわ。
つまり……勝手にここに入ってきた人、はっきり言うなら侵入者と言う事ですわね。

と、納得した瞬間!
あたしは、直ぐ様浴場を出ましたの!
その時ですわ……。

「あぁぁっ! 良く考えたら顔は隠せても身体は隠せてませんでしたぁ!」

と、叫びながらさっきの人が、あたしの方に走ってきましたの。
突然の事に止まれないあたしは、その人にぶつかりそうになりましたの。

でもその人は急に目付きが変わって、手を後ろに下げて勢い良く手を開いて前に突き出して来ましたの。

びゅんっ! と風を切る音がなったかと思うと……その人の手があたしのお腹に当たりましたの。

その瞬間、ずんっ! と強大な衝撃が全身を駆け巡り、一瞬にして興奮のあまり身体が爆発四散しましたの。

あ、この通りきちんと身体は元に戻りましたのでご心配には及びませんわ。
で……その後、あたしは元に戻るのに時間が掛かりましたの。

だって、物凄い衝撃でしたもの。
衝撃の快楽の余韻に浸りたかったんですわ……これもドMの宿命ですわね。

と、言う事を思いながら元に戻りましたの。
あ……完全に元に戻ったのは朝になった時ですわ。

で、今に至りますの。
以上があたしに起きた、奇妙な体験談ですわ。

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