どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
38
「ほぉそんな事がなぁあったんか、大変だったな」
「他人事か貴様は!」
メェとの騒動が終わった後、ロアが鬼騎を連れて部屋にやって来た、俺は先程までの出来事を椅子に腰掛け話す姿を隣で聞く、因みにあの注射の痺れはロアが薬で治してくれた、その薬はメェが作った薬らしい……正直使うのが物凄く不安だったが治ったから文句は言わないでおこう。
「まぁ、可愛いげのある悪戯じゃねぇか、許してやれよ」
「貴様がそんなんだから反省しないんじゃろうが!」
いや、あれは可愛げがある悪戯の様には思えない、しかし鬼騎はロアの言うようにまるで他人事だな、まぁ実際他人事なんだから仕方ないか……。
「かっかっかっ! まぁ元気なのは良い事じゃねぇか」
「あやつの場合は元気過ぎじゃ!」
さっきから、威勢良く笑っている鬼騎……なんだろう? やけにメェの肩を持っていないか?
「全く……甘い奴め」
鬼騎を睨み付けるロア、睨まれた方は全く気にしていない様子……。
「その話しはそん位にして飯にしようや」
「そうじゃな……そうするとしよう、シルク、何か口に入れられそうかの?」
ロアの言葉に俺は頷きながら答える。
「あぁ、少しなら……」
「少しでも良い、口にいれておけ」
微笑んで俺を見てくるロア……言った通りあまり食べられないと思うがロアの言う様に少しは口にいれておこう。
「それなんだが、わしも用意しておいた」
ロアが自分の料理を取ろうとした時だ、キャスター付きのテーブルの上にある黄土色の土鍋を指差しながら言う鬼騎。
「……え?」
するとロアが気の抜けた声を出し鬼騎を睨んむ、何で睨んでいるんだ?
「しぃ坊が元気になる様に作った、さぁ食ってくれや」
恐ろしい笑み (本人は満面の笑みのつもり)を向け俺の前にテーブルを持ってくる、俺は上体を起こしてベットに座る、鬼騎が土鍋の側にスプーンを置いてくる、俺は中身はなんだろうな? と言う期待を込めて鍋の蓋を開ける。
さぁ鬼騎はどんな料理を……って、あれ?
「んなっ!!」
鬼騎が驚きの声を上げる、何故なら……土鍋の中身は空だったからだ、ん? いや紙が1枚入っているな、鬼騎が眉をぴくぴくさせながら直ぐ様その紙を手に取る、その内容を読む鬼騎……すると、眉間にしわが浮かんでくる。
「かっかっかっ! 全くあ毎度毎度こんな事しやがって……あんのっどぐされドラキュラがぁぁぁっ!」
そして、いきなりの怒号! 鬼騎は鬼気迫る顔で部屋から出ていった、呆気にとられる俺……鬼騎はあっ明らかに怒ってた、おっ恐ろしい……あの紙を見て怒ってたよな? あれには何が書いていたんだ?
「なになに……ほぅ」
すると、ロアが気になったのかその紙を読んで俺にも見せてくれる、その内容はこうだった……。
『お前が作った料理は僕が食べました、ありがたく思って下さい、1つだけ言わせて貰うと少し味が濃かったです、もう少し勉強しろばぁぁか』
凄い達筆で凄い事が書かれていた……あぁこれは怒るわ。
「あやつ、またやりおったのか…」
ロアは手紙の主が誰か分かるのか? と疑問の表情を浮かべる……。
「ん? 気になるかえ?」
「あっあぁ、一体誰が……!」
ロアは手紙を書いた人を知っている、その事を聞こうと話していたのだが、その言葉は途中で途切れてしまう、その訳は俺にもすぐ分かった。
「やれやれ、本当にあの脳筋鬼は余計な事をするよね…」
突如棺桶があらわれ、中から声が聞こえてくる。
かっ棺桶が喋っただと! ん? と言うかこの棺桶、何処かで見た事があるような……。
「姉上も姉上で一言言えば良いのに…僕がいないと全然駄目だね」
そう思っていると棺桶の扉が開かれる、すると白い煙りが出てくる。
「いきなり出て来て勝手な事を言う奴じゃな……」
「ははは…まぁ気にしないでよ」
ロアはため息をつく、棺桶から出て来たのは女性……いや一見そう見えるが男だ、きちんと喉仏がある、見た目は物静かで優しい印象を与える顔で水色のショートヘア、背が低く大体メェと同じ位の身長だ、黒いタキシードに黒いマントを付けた服装をしていて格好いい……そんなラキュと言う男だが気になる事が1つある、それはあの口元からちょろっと出た小さな八重歯だ、じぃっーーとその男を見ているとその視線に気付いたのか男は俺の方を向く。
「初めましてだよね? 僕はラキュって言うんだ、よろしくねっ……あっ! 因みに僕はドラキュラだよ」
ん? ドラキュラって……あの血を吸うドラキュラか? となるとあの八重歯は牙なのか……自己解決をしているとラキュと名乗る男は俺に手を差し出してくる。
「まぁ、仲良くしてよ」
「こっこちらこそ……」
釣られて握手してしまった……あっ、手が冷たいな、低体温なのかな?
「今手が冷たいって思った? ドラキュラって大体体温が低いんだよね……だからと言って低体温じゃないんだけどね」
っ、こっ心を読まれた!
「そんな驚いた顔しなくてもいいじゃないか」
「すっすまん……」
軽く頭を下げる俺はふと思う、このラキュと言う男、今まで会った奴の中で一番まともじゃないか?
「別に良いよ、それよりも姉上早くご飯にしようよ、用意したんでしょ?」
「ふぁ!? なっ何を言っているんじゃお前は!」
先程から聞いているとラキュはロアとやけに親しい……それにロアの事を「姉上」って呼んでる、えっ……もしかしてラキュってロアの姉なのか! その事実を知り驚いているとラキュは悪戯に微笑んで話し出す。
「え? だってシルク君が病気で倒れたから元気にする為に1人でこっそり料理してたよね? それなのにあの脳筋が邪魔をした……だからあの時怒ったんだよね? あっでも安心しなよ、あの料理なら僕が代りに食べたよ、さっ姉上はやく料理を……」
「ばっばっばかもにょ! にゃっにゃぜしょんなことを言うのじゃっばかぁぁぁっ!」
なるほど……だからあの時鬼騎を睨んだんだな? そうか料理を作ってくれたのか、それは有り難い、それと共に少し恥ずかしいな。
「ロアありがとう…」
恥ずかしさは置いておいてお礼を言うべきだ、と言う訳でお礼を言う。
「うぐぐぐ……ぅぅぅ」
それを聞いたロアは赤面する。
「別に恥ずかしがる事は無いんじない? 上機嫌に鼻唄奏でながら作ってたじゃない、しっるくぅ愛してるぅっ……て」
「うがぁぁぁぁっ、言うなぁっ言うなぁぁぁ!」
ラキュがロアをからかっている……ロアの慌てる様はなんか新鮮だ、照れまくるロアはぽかぽかとラキュを叩く。
「シルク君、姉上ってからかうと超面白いでしょ?」
「この愚弟っ恥を知れぇぇ!」
姉をからかう弟か……いつもと違う光景、ラキュの言う通り……超面白い。
「しっシルク! なっなにを笑っているのじゃ!」
「姉上が超面白い反応をするからじゃない? 普段は馬鹿みたいに攻める癖に攻められたら馬鹿みたいに弱いからね、いやぁ本当に面白いよ」
「うっ…ぐっ…ぬぬぬぬ!」
涙ぐむロア、ぷるぷると肩を震わせ俺とラキュを睨んでくる、するとラキュが微笑んで俺の肩を叩く。
「さて、そろそろ飽きたからやめよう……で、シルク君」
「あっ飽きたじゃと!?」
なっなんだ? 急に俺にふってくるなよ、と言うか姉の扱い雑じゃないか?
「改めてよろしく、こんな姉だけど仲良くしてやってね」
そう言ってラキュは俺の隣に座る。
「さっ姉上…ご飯にしようか、僕も食べてあげるよ」
「図々しいぞ愚弟っ! まっまぁ良いじゃろう……腹一杯食べると良い」
そう言ってロアは指を鳴らす、するとテーブルの上に鬼騎の用意した土鍋とは違う土鍋が出て来た、今度のは白色だ。
「味の保証はしないのじゃ……」
照れ臭そうにロアは言う、味の保証はしないか、作ってくれた物には文句は言わないさ……俺は心の中でそう思う。
今日も何時も騒がしい日常…だが今回は違った騒がしさを見る事になる、この時の俺は知る由も無かった……。
「他人事か貴様は!」
メェとの騒動が終わった後、ロアが鬼騎を連れて部屋にやって来た、俺は先程までの出来事を椅子に腰掛け話す姿を隣で聞く、因みにあの注射の痺れはロアが薬で治してくれた、その薬はメェが作った薬らしい……正直使うのが物凄く不安だったが治ったから文句は言わないでおこう。
「まぁ、可愛いげのある悪戯じゃねぇか、許してやれよ」
「貴様がそんなんだから反省しないんじゃろうが!」
いや、あれは可愛げがある悪戯の様には思えない、しかし鬼騎はロアの言うようにまるで他人事だな、まぁ実際他人事なんだから仕方ないか……。
「かっかっかっ! まぁ元気なのは良い事じゃねぇか」
「あやつの場合は元気過ぎじゃ!」
さっきから、威勢良く笑っている鬼騎……なんだろう? やけにメェの肩を持っていないか?
「全く……甘い奴め」
鬼騎を睨み付けるロア、睨まれた方は全く気にしていない様子……。
「その話しはそん位にして飯にしようや」
「そうじゃな……そうするとしよう、シルク、何か口に入れられそうかの?」
ロアの言葉に俺は頷きながら答える。
「あぁ、少しなら……」
「少しでも良い、口にいれておけ」
微笑んで俺を見てくるロア……言った通りあまり食べられないと思うがロアの言う様に少しは口にいれておこう。
「それなんだが、わしも用意しておいた」
ロアが自分の料理を取ろうとした時だ、キャスター付きのテーブルの上にある黄土色の土鍋を指差しながら言う鬼騎。
「……え?」
するとロアが気の抜けた声を出し鬼騎を睨んむ、何で睨んでいるんだ?
「しぃ坊が元気になる様に作った、さぁ食ってくれや」
恐ろしい笑み (本人は満面の笑みのつもり)を向け俺の前にテーブルを持ってくる、俺は上体を起こしてベットに座る、鬼騎が土鍋の側にスプーンを置いてくる、俺は中身はなんだろうな? と言う期待を込めて鍋の蓋を開ける。
さぁ鬼騎はどんな料理を……って、あれ?
「んなっ!!」
鬼騎が驚きの声を上げる、何故なら……土鍋の中身は空だったからだ、ん? いや紙が1枚入っているな、鬼騎が眉をぴくぴくさせながら直ぐ様その紙を手に取る、その内容を読む鬼騎……すると、眉間にしわが浮かんでくる。
「かっかっかっ! 全くあ毎度毎度こんな事しやがって……あんのっどぐされドラキュラがぁぁぁっ!」
そして、いきなりの怒号! 鬼騎は鬼気迫る顔で部屋から出ていった、呆気にとられる俺……鬼騎はあっ明らかに怒ってた、おっ恐ろしい……あの紙を見て怒ってたよな? あれには何が書いていたんだ?
「なになに……ほぅ」
すると、ロアが気になったのかその紙を読んで俺にも見せてくれる、その内容はこうだった……。
『お前が作った料理は僕が食べました、ありがたく思って下さい、1つだけ言わせて貰うと少し味が濃かったです、もう少し勉強しろばぁぁか』
凄い達筆で凄い事が書かれていた……あぁこれは怒るわ。
「あやつ、またやりおったのか…」
ロアは手紙の主が誰か分かるのか? と疑問の表情を浮かべる……。
「ん? 気になるかえ?」
「あっあぁ、一体誰が……!」
ロアは手紙を書いた人を知っている、その事を聞こうと話していたのだが、その言葉は途中で途切れてしまう、その訳は俺にもすぐ分かった。
「やれやれ、本当にあの脳筋鬼は余計な事をするよね…」
突如棺桶があらわれ、中から声が聞こえてくる。
かっ棺桶が喋っただと! ん? と言うかこの棺桶、何処かで見た事があるような……。
「姉上も姉上で一言言えば良いのに…僕がいないと全然駄目だね」
そう思っていると棺桶の扉が開かれる、すると白い煙りが出てくる。
「いきなり出て来て勝手な事を言う奴じゃな……」
「ははは…まぁ気にしないでよ」
ロアはため息をつく、棺桶から出て来たのは女性……いや一見そう見えるが男だ、きちんと喉仏がある、見た目は物静かで優しい印象を与える顔で水色のショートヘア、背が低く大体メェと同じ位の身長だ、黒いタキシードに黒いマントを付けた服装をしていて格好いい……そんなラキュと言う男だが気になる事が1つある、それはあの口元からちょろっと出た小さな八重歯だ、じぃっーーとその男を見ているとその視線に気付いたのか男は俺の方を向く。
「初めましてだよね? 僕はラキュって言うんだ、よろしくねっ……あっ! 因みに僕はドラキュラだよ」
ん? ドラキュラって……あの血を吸うドラキュラか? となるとあの八重歯は牙なのか……自己解決をしているとラキュと名乗る男は俺に手を差し出してくる。
「まぁ、仲良くしてよ」
「こっこちらこそ……」
釣られて握手してしまった……あっ、手が冷たいな、低体温なのかな?
「今手が冷たいって思った? ドラキュラって大体体温が低いんだよね……だからと言って低体温じゃないんだけどね」
っ、こっ心を読まれた!
「そんな驚いた顔しなくてもいいじゃないか」
「すっすまん……」
軽く頭を下げる俺はふと思う、このラキュと言う男、今まで会った奴の中で一番まともじゃないか?
「別に良いよ、それよりも姉上早くご飯にしようよ、用意したんでしょ?」
「ふぁ!? なっ何を言っているんじゃお前は!」
先程から聞いているとラキュはロアとやけに親しい……それにロアの事を「姉上」って呼んでる、えっ……もしかしてラキュってロアの姉なのか! その事実を知り驚いているとラキュは悪戯に微笑んで話し出す。
「え? だってシルク君が病気で倒れたから元気にする為に1人でこっそり料理してたよね? それなのにあの脳筋が邪魔をした……だからあの時怒ったんだよね? あっでも安心しなよ、あの料理なら僕が代りに食べたよ、さっ姉上はやく料理を……」
「ばっばっばかもにょ! にゃっにゃぜしょんなことを言うのじゃっばかぁぁぁっ!」
なるほど……だからあの時鬼騎を睨んだんだな? そうか料理を作ってくれたのか、それは有り難い、それと共に少し恥ずかしいな。
「ロアありがとう…」
恥ずかしさは置いておいてお礼を言うべきだ、と言う訳でお礼を言う。
「うぐぐぐ……ぅぅぅ」
それを聞いたロアは赤面する。
「別に恥ずかしがる事は無いんじない? 上機嫌に鼻唄奏でながら作ってたじゃない、しっるくぅ愛してるぅっ……て」
「うがぁぁぁぁっ、言うなぁっ言うなぁぁぁ!」
ラキュがロアをからかっている……ロアの慌てる様はなんか新鮮だ、照れまくるロアはぽかぽかとラキュを叩く。
「シルク君、姉上ってからかうと超面白いでしょ?」
「この愚弟っ恥を知れぇぇ!」
姉をからかう弟か……いつもと違う光景、ラキュの言う通り……超面白い。
「しっシルク! なっなにを笑っているのじゃ!」
「姉上が超面白い反応をするからじゃない? 普段は馬鹿みたいに攻める癖に攻められたら馬鹿みたいに弱いからね、いやぁ本当に面白いよ」
「うっ…ぐっ…ぬぬぬぬ!」
涙ぐむロア、ぷるぷると肩を震わせ俺とラキュを睨んでくる、するとラキュが微笑んで俺の肩を叩く。
「さて、そろそろ飽きたからやめよう……で、シルク君」
「あっ飽きたじゃと!?」
なっなんだ? 急に俺にふってくるなよ、と言うか姉の扱い雑じゃないか?
「改めてよろしく、こんな姉だけど仲良くしてやってね」
そう言ってラキュは俺の隣に座る。
「さっ姉上…ご飯にしようか、僕も食べてあげるよ」
「図々しいぞ愚弟っ! まっまぁ良いじゃろう……腹一杯食べると良い」
そう言ってロアは指を鳴らす、するとテーブルの上に鬼騎の用意した土鍋とは違う土鍋が出て来た、今度のは白色だ。
「味の保証はしないのじゃ……」
照れ臭そうにロアは言う、味の保証はしないか、作ってくれた物には文句は言わないさ……俺は心の中でそう思う。
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